つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

かわらなでしこ(河原撫子)

2013-07-30 16:05:51 | ジャズ


  秋の七草のひとつ。葉や茎はひすいのような青緑色、花は白や淡いピンクで、全体に胡粉(こふん)を塗ったような、

  独特の色あいをしている。また花弁は縁が裂けた形で、羽毛のように軽やかな印象をしており、葉も細くたおやか。

  日本では古くから見られ、『万葉集』にも登場している。「丸に撫子」「捩撫子」など家紋のモチーフにもなっており、

  日本では古くから愛されてきた・・・


  ナデシコ科

  英名:SUPERB PINK
  別名:やまとなでしこ


  花言葉:大胆



  今日聴いたジャズ・・・


  JOE CHINDAMO TRIO・・・「THE JOY OF STANDARDS」



  本作は、オーストラリアのジャズ・ピアニスト、ジョー・チンダモのリーダー・アルバム。

  ベン・ロバートソン(b)、デビッド・ベック(ds)を従えたトリオ編成。

  タイトルどうり馴染み深いスタンダードの数々が収められている。10曲中、チンダモのオリジナル3曲(3、7、9)
  も含まれている。どの曲をとっても月並みなアプローチに終わらず、静謐感あり、躍動感ありと、さまざまな表情を見せる。

  とりわけ、オリジナルが素晴らしいことも特筆すべき点だと思う。


1・I HEAR A RHAPSODY・・・2・MOON AND SAND・・・3・BILL REMEMBERD・・・4・CHARADE・・・5・I FALL IN LOVE TOO
  EASILY・・・6・OLD FOLKS・・・7・WALTZ FOR MATILDA・・・8・GENTLE RAIN・・・9・ANOTHER STORY・・・10・WHEN I
  FALL IN LOVE・・・



   JOE CHINDAMO(p)
   BEN ROBERTSON(b)
   DAVID BECK(ds)


   2000年8月21、22日録音・・・

  

にちにちそう(日日草)

2013-07-27 15:52:59 | ジャズ


  夏の鉢花としておなじみ。愛らしい白やピンクの五弁花がたくさん咲き誇る。ひとつひとつの花は2~3日で落ちてしまうけれど、

  つぎからつぎへと新しく花開くので、同じ花がずっと咲きつづけているように思われている。

  名前も日々咲き変わるのでついたもの。ひじょうに丈夫な性質で乾燥にも強いため、街路樹の根元や道端のプランターなどに

  植えられているのをよく見かける・・・


  キョウチクトウ科

  英名:MADAGASCAR PERIWINKLE
  別名:そのひぐさ、びんか


  花言葉:楽しい思い出



  今日聴いたジャズ・・・


  IVAN PADUART・・・「HERRITAGE」
  (the music of MICHEL HERR)


  本作は、1966年生まれ、ベルギーの新鋭ジャズ・ピアニスト、イヴァン・パドゥアのリーダー・アルバム。
  ミシェル・エール作品集。

  メンバーには、PHILLIP CATHERINE(g)、BERT JORIS(tp)、TOON ROOS(ss ts)、IVAN PADUART(p)、PHLLIPPE AERT(b)、
  HANS VAN O0STERHOUT(ds)、という顔ぶれがそろっている。

  イヴァン・パドゥアのアルバムではお馴染みの、フィリップ・カテリーンやハンス・ヴァン・オーステルハウト、また、ミシェル・エール
  のアルバムでも共演しているバート・イェーリス、フィリップ・カテリーンなど、本作を作るのにふさわしいミュージシャンが起用されて
  いる。

  パドゥアの所有しているアルバムすべてが魅力的で、最初に聴いたのが確か「STILL」だったと思う。これを聴いた時から、すっかり、
  虜になってしまった。その後買った「WHITE NIGHTS」も素晴らしかった。前者は、リッグ・マギッツアをフィーチャーし、後者は
  トゥーツ・シールマンス、フィリップ・カテリーンが一曲ずつに参加している。

  2枚だけがどうしても入手できないけれど、前記した2枚は5指に入るくらい、愛聴している。不思議なことに私の行きつけのお店には、
  この2枚が中古コーナーにもう一か月以上前から置いてあり、先日、20%offでもそのまま棚にあった。
  イヴァン・パドゥアは知名度が低いのだろうか?そんな筈はないと思うけど・・・

  話が飛躍してしまったけれど、本作もまた、聴きごたえ十分のミシェル・エール集に仕上がっている。
  それぞれが、自分の場というものを熟知していて、聴き手の気持ちを捉えて離さない。


  ※ イヴァン・パドゥアは最初はフュージョンの音楽をやっていたらしい。90年代以降はストレート・アヘッドなジャズを演奏
    している。96年に発表した最初のトリオアルバムはフレッド・ハーシュ作品集。フレッド・ハーシュというところが渋い。
    たしかにこの人のピアノには、ハーシュに通じる繊細なたたずまいが感じられる。
    その後、ボブ・マラック、チャーリー・マリアーノ、リック・マギッツアをそれぞれ加えたホーン入りのアルバムを発表した。
    スタイル的には、ポスト・ビル・エヴァンス派ともいうべき知的でリリカルなプレイに個性を発揮している。
    キース・ジャレットというよりは、ミシェル・ペトルチアーニをソフトにした感じもある。


 ※  ミシェル・エールは、1949年2月16日生まれ。ベルギーを代表するジャズ・ピアニストで70年代から活動し、参加作は
    60を超える。フィリップ・カテリーンやチェット・ベイカーなど、欧米の有名ミュージシャンと多数共演。
    その活動ぶりは非常に幅広い。初リーダー作は、「SOLIS LACUS」(74年)。84年以降、トゥーツ・シールマンスと数多く
    共演。フェスティヴァルを中心に、欧米のみならず日本でもライブを行っている。


1・LE VOYAGE OUBLIE・・・2・H AND C’S DANCE・・・3・SONG FOR LUCY・・・4・THINKING OF YOU・・・5・NO、MAYBE・・!
6・UPS AND DOWNS・・・7・BEAUTY WHERE IT IS・・・8・THIRD CHANCE・・・9・SONG FROM YOUR FATHER・・・



   IVAN PADUART(p)
   PHILLIP CATHERINE(g)
   BERT JORIS(tp)
   TOON ROOS(ss ts)
   PHILIPPE AERTS(b)
   HANS VAN OoSTERHOUT(ds)


     2011年5月21&22日録音・・・



アガパンサス

2013-07-25 14:54:02 | ジャズ


  花名はギリシャ語で「愛の花」という意味。名前にふさわしい青紫色や白のロマンティックな花を咲かせる。

  細い筒状花(とうじょうか)が四方に広がった花序はノーブルで優美で、女性的な花。切り花はふつう葉をつけず売っているけれど

  庭植えすると葉がよく茂り、つややかな葉も鑑賞できる。ヨーロッパではこのような青紫色がとくに好まれ、イギリス庭園の

  アクセントによく植えられている・・・


  ユリ科

  英名:AFRICAN LILY
  別名:むらさきくんしらん


  花言葉:恋の訪れ



  今日聴いたジャズ・・・


  THE ART FARMER QUARTET・・・「ARTISTRY」



  本作は、1928年8月21日、米国アイオワ州生まれ、ジャズ・トランペット、フリューゲルホーン奏者 アート・ファーマーの
  リーダー・アルバム。
  コンコード・レーベルに1982年から翌年にかけてリリースされた2枚のアルバムがセットになったもの。

  2枚ともフリューゲルホーンのみを使用しているけど、曲によっては、50年代にハードバップのトランペットの名手として
  活躍していた頃を彷彿とさせるような、エネルギッシュな演奏が聴ける。

  DISC1(A WORK OF ART)、DOSC2(WARM VALLEY)、特筆すべきは、2枚共にフレッド・ハーシュが参加していて、この頃はまだ、
  病気をする前だったのだろう・・弾むようなピアノを披露している。

  また、DISC1で2曲「SUMMERSONG」「ONE FOR SAM」、DISC2では1曲「AND NOW THERE’S YOU」がフレッド・ハーシュのオリジナル。

  チャーリー・パーカー、デューク・ピアソン、ジョージ・ガーシュウィン、トミー・フラナガン、ビリー・ストレイホーン、
  デューク・エリントン、ベニー・ゴルソンなどの名曲を採りあげていて、全14曲をフリューゲルホーンのみで演奏している点も
  珍しいと思う。


 ※ DISC1(A WORK OF ART)

1・RED CROSS・・・2・YOU KNOW I CARE・・・3・SHE’S FUNNY THAT WAY・・・4・CHANGE PARTNER・・・5・SUMMERSONG・・・
6・LOVE WALKED IN・・・7・ONE FOR SAM・・・


  ART FARMER(flh)
  FRED HERSCH(p)
  BOB BODLEY(b)
  BILLY HART(ds)


   1981年9月、NYにて録音


 ※ DISC2(WARM VALLEY)

1・MOOSE THE MOOCHE・・・2・AND NOW THERE’S YOU・・・3・THREE LITTLE WORDS・・・4・ECLYSPO・・・5・SAD TO SAY・・
6・UPPER MANHATTAN MEDICAL GROUP・・・7・WARM VALLEY・・・



  ART FARMER(flh)
  FRED HERSCH(p)
  RAY DRUMMOND(b)
  AKIRA TANA(ds)


   1982年9月、NYにて録音

               ・・・

ジニア

2013-07-24 15:31:30 | ジャズ


  ひゃくにちそうという名でも呼ばれるけれど、最近は洋風の呼び名の方が浸透している。

  別名は100日も咲きつづけるという花期の長さが由来となっているが、欧米でもYOUTH AND OLD AGEといって、

  同じように花期の長さを表現した別名がある。

  南国らしい華やかな赤、ピンク、オレンジ、黄色などの花色がそろい、一重、八重、丸く球状になったポンポン咲き、

  カクタス咲きなど花型もいろいろある・・・


  キク科

  英名:ZINNIA
  別名:ひゃくにちそう

  花言葉:幸福



  今日聴いたジャズ・・・


  ADAM BIRNBAUM TRIO・・・「A COMME AMOUR」(ささやき)



  本作は、1979年マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれのジャズ・ピアニスト、アダム・バーンバウムのリーダー・アルバム。

  ベン・ウルフ(b)、ロドニー・グリーン(ds)を従えたトリオ編成。

  デビュー作「渚のアデリーヌ」に続いて発表されたセカンドアルバム。アダム・バーンバウムは、ドミニク・ファリナッチの
  「セイ・イット」(2003年)、「ベサメ・ムーチョ」(2004年)への参加によって日本でも注目された。2006年10月
  には、パリで「MARTIAL SOLAL COMPETITION」を受賞、さらに2007年には「リンカーン・センター」がオルガニズする、
  「THE RHYTHM ROAD PROGRAM」の一貫として世界ツアーに出かける。本作は、ウィントン・マルサリス門下の
  「ジュリアード音楽院ジャズ科」卒のジャズエリートでもあるバーンバウムの世界の世界飛躍への序章を奏でる一枚となった作品。


  全12曲中、ジャズメンオリジナル系とアダム・バーンバウムのオリジナル2曲(7、8)ロドニー・グリーンのオリジナル一曲(4)
  ベン・ウルフのオリジナル一曲(12)で構成されている。

  ”ささやき”に相応しい曲が多い中、軽快に展開する曲もあり、三人、それぞれが持ち味を発揮している。


  ※ ベン・ウルフ(b)は、ボルティモア生まれのポートランド育ち。地元でウディ・ショウと共演。ニューヨークに進出し、
    88年ハリー・コックJr・と出会って、同オーケストラの音楽監督を務めた。その後ウイントン・マルサリスのグループに参加して
    ステージ・アップ。リンカーン・センター・ジャズ・オーケストラでも活躍した。これまでリーダー作を4枚リリースしており、
   ブランフォード・マルサリス、ダイアナ・クラール等、参加作も多数。現在ジュリアード音楽院で教鞭をとっている。


  ※ ロドニー・グリーン(ds)は、フィラデルフィアで宣教師の父と歌手の母の間に生まれた。少年時代から教会でドラムスを演奏し、
    10代では地元でクリスチャン・マクブライド、オリン・エヴァンスと共演。19歳の時、ベン・ウルフの推薦でダイアナ・クラール
    バンドに参加。これまでグレッグ・オズビー、エリック・リード、ワイクリフ・ゴードン、テレル・スタッフォード、山中千尋など
    のアルバムに名を連ねている。



1・WHISPER NOT・・・2・ALL THROUGH THE NIGHT(夜もすがら)・・・3・GOODBY・・・4・GABRIEL’S DANCE・・・5・IN YOUR
  OWN SWEET WAY・・・6・A COMME AMOUR(秋のささやき)・・・7・KATE THE GREAT・・・8・URGENCY・・・9・IN WALKED
  BUD・・・10・NEW ORLEANS・・・11・I GOT IT BAD(夢中なの)・・・12・BLIND SEVEN・・・



   ADAM BIRNBAUM(p)
   BEN WOLFE(b)
   RODNEY GREEN(ds)


   プロデュース:木全 信

  2006年6月21、22日録音・・・

げっかびじん(月下美人)

2013-07-21 15:57:56 | ジャズ


  中南米原産で、幅の広い肉厚の葉がうねるように伸びるサボテン。花は夜8時ごろからゆっくり開き、2時間ほどでしぼんでしまう

  はかなさ。しかし、白く透き通るような花びら、絹糸のように繊細なしべの美しさは感動的。花が開くにつれてあたりに流れ出す

  強い香りとともに、見る人の心に強く刻みこまれる。名前どうり月の光に照らされた美女のような花といえる・・・


  英名:DUTCHMAN’S PINE CACTUS


  花言葉:あでやかな美人



   今日聴いたジャズ・・・


   KASPER VILLAUME TRIO・・・「ESTATE」


   本作は、1974年5月30日生まれ、ジャズ・ピアニスト キャスパー・ヴィヨームのリーダー・アルバム。
   イェスパー・ボディルセン(b)、モーテン・ルンド(ds)を従えたトリオ編成。スタンダード集。

   日本のM&Iがマシュマロ・レーベルからリリースしたアルバムで、上不三雄氏のプロデュースによる。
   
   マシュマロ・レーベルといえば、デューク・ジョーダンやジーン・ディノヴィといったベテランからヤン・ラングレン、カースティン・
   ダールまで人間味溢れるブルーな響きが共通して感じられる。

   ※ キャスパー・ヴィヨームは1994年から1999年まで、コペンハーゲンにあるデンマーク・リズミック音楽院に学び、
     1997年には自らの音楽修行のためアフリカとアメリカに滞在し、エリス・マルサリスとケニー・ワーナーに師事している。

     これまでに共演(もしくは師事)したミュージシャンとして、ジミー・コブ、ジョン・アバークロンビー、ビリー・ハート、
     ボヴ・ブルックマイヤー、ジム・マクニーリー、ジェリー・バーガンジ、デイヴ・リーヴマン、リッチー・バイラークなど。

   ※ イェスパー・ボディルセン(b)は、1970年1月5日生まれ。ユトランド音楽院で5年間学び、1997年に卒業。
     学生時代から一流ミュージシャンと共演。2000年12月には森泰人のスカンジナビアン・コネクションの一員として初来日も
     果たしている。

   ※ モーテン・ルンド(ds)は、1972年9月13日生まれ。ユトランド音楽院を1999年に卒業。学生時代からクリューバーズ・
     ビッグ・バンドなどで活躍、いま北欧でもっとも期待されるひとり。2001年夏からヤン・ラングレンのレギュラー・ドラマー
     に抜擢されている。


  1・BLUES FOR MAIKEN・・・2・あなたと夜と音楽と・・・3・ESTATE・・・4・HALLUCINATION・・・5・BLAME IT ON MY
    YOUTH・・・6・OUR LOVE IS HERE TO SAY・・・7・IT’S ALL RIGHT WITH ME・・・8・I FALL IN LOVE TOO
    EASILY・・・9・BUTCH&BUTCH・・・10・YOU MUST BELIEVE IN SPRING・・・11・MY MAN IS GONE NOW・・・




     KASPER VILLAUME(p)
     JASPER BODILSEN(b)
     MORTEN LUND(ds)


    2002年1月24、25日録音・・・