つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

五月も今日で終わり・・・

2012-05-31 17:09:42 | ジャズ

 今年もはや五か月が過ぎようとしている。。
 月日の流れは速いなぁ~とつくづく思う・・・
 間もなく梅雨の時期に入って暑い夏がやってくる。
 金木犀が香る秋が過ぎると寒い冬に・・・
 そうしてあっという間に一年が終わるのだろう

 今日聴いたジャズ・・・

 大石学・・「REQUIEM」(ソロ)


 昨年の夏、大石学トリオのドラマーとして活躍していた最中、事故死した
 セシル・モンロー氏に捧げれたアルバム。
 オリジナルにスタンダードを織り交ぜた一枚。
 大石氏のセシル・モンローへの熱き想いが込められている。
 2011年11月6日、山梨県小淵沢町、月花草舎にてライブ録音。

『「セシル」がいるだけで音楽になった。優しくて繊細でファンキーなセシルのドラムスは僕の中に生き続けている』
   大石学
 大石学トリオ「STEPPIN’ UP」でセシル氏のドラムスを聴くことができます。

 大石学氏のピアノは決して派手さはありませんが一音一音を大事にし、ピアノと静かに対話する
 かのような語り口・・透明感に溢れ静謐で心の襞まで沁みてくるフレーズ・・またある時は
 情熱を秘めた力強いタッチのピアノ・・いつ聴いても感動的です
 寺島靖国氏を初めとし多くの評論家をうならせたテクニックはアーティストからも絶大な支持を
 得ている。ピアノだけでなくエレピ、オルガンも得意でそれは主に参加作品で聴けます。

 また歌伴としも活躍していていろいろなヴォーカリストと共演している。
 個人的に好きだったのは中本マリさん。「EVERYTHING MUST CHANGE」は絶品だった・・

 大石学:

 1963年 横浜生まれ。ジャズ・ピアニスト&アレンジャー
 ヤマハネム音楽院卒業後、プロとしての活動を始める。
 1997年に米木康志(ベース)と日野元彦(ドラムス)で「TEARS RAINED DOWN」をリリース。
 2001年に「QUIET LOVERS」をリリース。
 その後、イースト・ワークス、エンターティメントからトリオ・ソロで7作品をリリース。
 2007年2008年ロシアのサンクト、ベテルブルクに親善大使としてコンサート、
 ジャズフェスティバルに中本マリと出演。
 2010年澤野工房からフランス録音の「WISH」リリース。
 2011年同じく澤野工房から「WATER MIRROR」をリリース。

 よく聴く作品としては”HALF STEP””WISH(トリオ)””WATER MIRROR(ソロ)””STEPPIN’UP”

 参加作品では、土岐英史「THE GOOD LIFE」・・井上慎平「FIRST TAKE」・・レディ・キム
 「EVERYTHING MUST CHANGE」などがあります・・





曇り空の過ごしやすい一日

2012-05-30 17:08:01 | ジャズ

 五月も明日までで終わり・・・
 大気の状態が不安定になるとのことだったが
 五月晴れは望めなかったものの曇り空の穏やかな一日だった・・
 近くの民家の庭先に紫陽花が咲いていた・・
 梅雨の時期に入るのだろうか?
 今年は例年より雨量が多いらしい。。中休みもあるらしく
 初夏のような陽気の日があるのだろう・・

 今日聴いたジャズ・・・
 サリナ・ジョーンズ・・「ボサノバ・ナイト」
 (SALENA JYONES sings JOBIM with the jobim’s)


 アントニオ・カルロス・ジョビンがこの世を去る少し前にそのファミリーと共演し
 吹き込んだサリナ・ジョーズのボサノヴァアルバムです。サリナのヴォーカルとボッサ独特
 の浮遊感が織りなすアダルトな雰囲気が魅力。。ジョビンはピアノを弾く一方、サリナとの
 デュオ「I WAS JUST ONE MORE FOR YOU」・「イパネマの娘」では彼らしい野太いヴォーカル
 も披露しています。またパウロ・ジョビン(ジョビンのご子息)もギター・フリュートで参加。
 サリナがボサノヴァを唄った貴重なアルバムというだけでなくジョビンにとってもたくさん残した
 アルバムの中で魅力ある一枚といっていいと思います・・・

 サリナ・ジョーンズ:

 1944年1月29日、アメリカ・ヴァージニア州ニューポート・ニューズ生まれ。
 日本でも不変の人気を誇るヴォーカリスト。

 若い頃から地元で歌っていたがニューヨークに新天地を求めて移住。「SEPTEMBER SONG」をハーレムの
 アポロシアターで行われたタレントコンテストで歌い優勝。すぐさまヴィレッジ・ヴァンガードでプロ
 として出演するようになる。

 60年代半ば、アメリカを去りヨーローパへ移住。パリやロンドンで歌い始め多くの賞賛を獲得した。
 TV出演も多数こなしシングルでは「A WALK IN THE BLACK FOREST」が大ヒットとなった。

 78年に初来日を果たしたが以降も日本を頻繁に訪れ、東アジアで絶大な人気を獲得。<JVC>からだけでも
 20枚に及ぶアルバムをリリースしている。

 90年代にはヨーローパやアメリカの音楽祭に出演することでさらにファン層を拡大。95年にはアラン・
 バーンズを含むバンドと共にアメリカをツアーし好評価を収めたが陰りのあるスモーキー・サウンドが
 サリナのバラードと絶妙なマッチングをみせリスナーを酔わせた。
 ジャズ・ミュージシャンをバックに配しながらもジャズ・シンガーの枠だけに収まりきれず特有のリズミカルな
 歌唱法を確立している点が最大の魅力といえるだろう。

 01年には70年代以降のヒット・ナンバー(スティービー・ワンダーやザ・ポリス・・カーペンターズなど)
 を集めカヴァー集「THOSE EYES」を発表。バックは彼女が率いるトリオが固めているがゲストとして日本から
 MALTA(サックス奏者)も参加している。

 彼女のアルバムで他によく聴くものとして「DREAM WITH SALENA JONES」・・「虹の彼方に」・・
 「サリナ・シングス・J-バラード」・・「ベスト盤」などがあります
 

曇り空の過ごしやすい一日

2012-05-29 17:07:59 | ジャズ

 五月も終わりに近づいた今日は半袖では少し涼しく感じられた・・
 用事があってあちらこちらと出かけてきた。。
 梅雨もそこまで来てるのかなぁ~
 そんなことを思う一日・・・

 今日聴いたジャズ・・・

 ジョー・ヘンダーソン・・「POWER TO THE PEOPLE」


 1969年5月23&29日録音
 ジョー・ヘンの傑作。マイルスグループを離れたばかりのハービー・ハンコックと
 ロン・カーター・・ジャック・デジョネットによる組み合わせ。1曲目の「BLACK NARCISSUS」を
 聴きたくてよくターン・テーブルに載せる作品。。ハービーのエレピが味わい深くてステキ・・
 マイク・ロウレンス(トランペット)の参加もこのアルバムを魅力的な一枚にしている。
 「LAZY AFTERNOON」もピート・ラロカの「バスラ」での同曲と同じくらい幻想的な趣に仕上がって
 いる。なんと言ってもジョー・ヘンの静かに燃えるテナーがかっこいい・・

 彼のリーダー・アルバムには好きなものが多い。主によく聴くアルバムとしては・・・
 PAGE ONE・・INNER URGE・・MODE FOR JOE・・LUSH LIFE・・SO NEAR SO FAR・・PORGY&BESS
 THE STATE OF TENOR・・など・・

 サイドメンとしては、ケニー・ドーハム・・グラント・グリーン・・リー・モーガン・・ホレス・シルヴァー・・
 デューク・ピアソン・・マッコイ・タイナー・・ロイ・ハーグローヴ・・シャーリーホーン・・
 テレンス・ブランチャード・・などのリーダー・アルバムでの参加作品を愛聴している。
 他に好きなアルバムとしては「ダブル・レインボー~ジョビンに捧ぐ」アートファーマーの「YAMA」
 リニー・ロスネスの「FOR THE MOMENT(邦題:私は今)」など・・

 ジョー・ヘンダーソン:

 1937年4月24日アメリカ合衆国オハイオ州リオ生まれ。ジャズ・ミュージシャン、テナーサックス奏者。
 ミシガン州南東部デトロイトで学び軍隊での任務を終えた後1962年にニューヨークに移住。
 当初、自らリードするセッションや<ブルーノート>のレコーディング作品<ケニー・ドーハム>:「ウナ・マス」、
 リー・モーガン「ザ・サイドワインダー」アンドリュー・ヒル「ブラック・ファイヤー」などで名を挙げた。

 60年代後半、傑作アルバムを名高い「ソング・マイ・ファーザー」でホレス・シルヴァーと共演した後、
 フレディ・ハバードと共にジャズ・コミュケーターズを率いる。
 その後、ハービー・ハンコックのSEXTETに参加。

 70年代にはブラッド・スウェット&ティアーズとも短期間共演するなどコラボレイト作品は多い。
 70年代初めから<マイルス・トーン>で数枚の作品を発表した後カリフォルニアに移住。
 
 85年にはロン・カーターとアル・フォスターと共にヴィレッジ・ヴァンカードでライブ、レコーディング
 した「ザ・ステイト・オブ・テナー(2枚組)」が大喝采を浴びることに・・・。このこの作品は<ブルー・ノート>
 にとっても大絶賛したほどである。

 その後、ビリー・スレイホーンの「ラッシュ・ライフ」マイルス・デイヴィスの「SO NEAR SO FAR」などで
 高い評価を受ける。ジョー・ヘンダーソンは主にジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズに大きな影響を
 受けているが後に、精巧なメロディと説得力のある音色が絡み合う実にモダンなスタイルを確立することに
 成功している。

 2001年6月30日 肺気腫の闘病の末 心不全で亡くなった。


   BLACK NARCISSUS:




 

にわか雨

2012-05-28 17:23:45 | ジャズ

 今日は午後三時過ぎににわか雨が降って
 その後は曇り空で涼しく凌ぎやすい一日だった・・

 月曜日はどうも調子が出ない・・
 みなさまは如何だったでしょうか?

 今日聴いたジャズ・・・

 エミリー・レムラー「EAST TO WES」


 1957年9月18日、アメリカ生まれの女流ジャズ・ギタリスト。。
 ウエスの影響受けた正統派ギタリストで1980年代に活躍しコンコードに
 5枚のアルバムを吹き込んでいる。卓越した技巧の持ち主でジム・ホールも絶賛する
 非の打ちどころのない生粋のギタリストです。惜しくも薬物摂取過剰のため夭折して
 しまいましたが亡くなって20年以上経つ今でも彼女のギターに魅了されるファンは
 多いようです。

 「EAST TO WES」は亡くなる2年前の作品。よく練れた感性豊かな演奏は音楽への
 慈しみとギターへ愛が満ちあふれています。しなやかに歌うインプロヴィゼイション
 を聴いていると夭折した稀有な才能がつくづく惜しまれます。
 メンバーにはハンク・ジョーンズ(ピアノ)バスター・ウィリアムス(ベース)マーヴィン・
 ミッティスミス(ドラムス)と名人たちの参加がよりアルバムの質を高めているように
 思います。
 クリフォード・ブラウンの名曲”ダーホード”・・ハーブ・エリスに捧げた”ブルース・トゥ・
 ハーブ”・・ウエス・モンゴメリーに捧げた”イースト・トゥ・ウエス”など8曲が収められています。

 代表作としては他に「FIREFLY 1981年作品デビュー作」・・「TAKE TWO 1982年作品」
 「TRANSITION 1983年作品」・・「CATWALK 1984年作品」・・「TOGETHER 1985年作品」・・
 遺作となった「THIS IS ME」。。

 また各アルバムから10曲を選んで収録された「COMPOSITION」・・同じく各アルバムからスタンダード
 10曲をセレクトして収録された「STANDARDS」もあります。
 入手しやすいアルバムとしては”FIREFLY”・”EAST TO WES”・”STANDARDS”あたりでしょうか・・


 エミリー・レムラー:

 1957年9月18日ニューヨーク生まれ。
 10歳のころからギターを弾き始め最初はハードロックにも興味を持った。しかしバークリー音楽院で
 ウエス・モンゴメリー・・マイルス・デヴィビス及びジョン・コルトレーンといった伝説的なジャズを
 学びながらひたすら練習に励んだ。バークリーを出るとニューオリンズのブルースとジャズクラブで
 働いた。メジャーデビューは1981年。。

 彼女もソニー・クラークやグラント・グリーンのようにクスリと引き換えにわが身を削る代価を払いながら
 傑作を残した。
 多くのジャズの傑作がドラッグによって生まれているという矛盾を感じる。

 1990年5月4日心不全のため死去・・享年32歳
 
 

夏日

2012-05-27 16:57:34 | ジャズ

 今日は気温も上がり夕方になっても暑い・・
 せっかくいいお天気なので朝からちょっと遠出してきた。
 ウインドウショッピングで終わったけど楽しかったぁ~
 みなさまは日曜日の今日、如何お過ごしでしたか?
 時の経つのは早いものでもうすぐ六月に突入ですね・・

 今聴いているジャズ・・・

 アートファーマー・・「おもいでの夏」



 可愛い帽子のジャケットがとても印象的。。
 1976年5月12&13日、ニューヨーク、バンガード、スタジオにて録音。
 ”ダティ”(アート・ファーマーの書いた曲)を除いてタイトルにもなっているミシェル・ルグラン
 の曲、ルイス・ボンファの名曲などなじみ深い曲ばかり収録されている。
 アートがフリューゲル・ホーンを吹いているアルバムではお気に入りでよく聴く作品。
 メンバーもよくシダー・ウォルトン(ピアノ)サム・ジョーンズ(ベース)ビリー・ヒギンス(ドラム)
 と名手ぞろい。。同じメンバーでの「YESTERDAY’S THOUGHTS」も本作同様、愛聴盤・・

 トランペットをバリバリ吹いてるころのアート・ファーマーも好きですが主にフリューゲルホーンを
 吹くようになったころの作品は好きです。リーダー作には愛聴しているものが多くありますが、ベニーゴルソン・
 ジム・ホールなどとの共演盤は好きな作品がたくさんあります。

 アート・ファーマー:

 1928年8月21日生まれ、アメリカ合衆国アイオワ州カウンシル・グラフ出身の双子の一人。
 ジャズ・トランペット&フリューゲル・ホーン奏者。一緒に生まれたアディソン・ファーマーも後年のプロ
 ベーシストとなり、しばしば兄弟共演も行われた。
 ライオネル・ハンプトン楽団で活動した後、1953年にかけてプレスティッジと契約し初のリーダー
 セッションを行う。同年にはクリフォード・ブラウンと共演。1957ン年から1958年にかけて
 ソニー・クラークのレコーディングに参加。名盤「クール・ストラッティン」でもアートの演奏が聴ける。
 
 1959年から1962年にかけてベニー・ゴルソン(サックス奏者)との双頭バンド・ジャズテット
 で活動。アーゴから6枚のアルバムを発表。その後ジム・ホールなどを従えて活動。この頃から
 トランペットよりフリューゲルホーンの演奏を重視し始める。
 1968年から1970年にかけてウィーンを拠点に活動。1980年代にはジャズテットの再結成
 に参加。1990年に入るとトランペットとフリューゲルホーンの特徴を兼ね添えたフランペット
 の演奏が中心となった。晩年にはヨーロピアン・ジャズ・トリオとも共演(先日このことにはちょっと
 触れて書いています)

 性格は非常に真面目で真剣に音楽と向き合う姿は共演者から畏敬をもって見られていた。
 美しいアドリヴラインに性格がよく表れている。
 麻薬にあえぐマイルス・デイヴィスを物心両面で支えた。生活に行き詰まって楽器を質に入れてしまった
 マイルスに自分の楽器を快く貸したというエピソードもある。

 共演者にはジジ・グライス・・ホレス・シルヴァー・・ケニー・クラーク・・アート・テイラー・・
 スティーヴ・キューン・・ドナルド・バード・・ジャッキー・マクリーン・・バリー・ハリス・・
 ダグ・ワトキンスなど。。

  1999年10月4日、71歳で死去