つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

ご挨拶

2013-12-31 11:03:48 | ジャズ



   一年が終わろうとしています。当地は穏やかな年の瀬です・・・


   ご訪問くださった みなさま ありがとうございました。
 
   心から厚くお礼申し上げます・・



  一年間、健康に過ごせたことに感謝し、音楽の面でも よいアーティストに出会えたことに喜びを感じております。

  
  しかしながら、50年代から活躍されてきた ギタリストのジム・ホール氏が12月10日、ニューヨークの自宅で

  死去されたことは(享年83歳)とても哀しいニュースでした。


  2012年6月には、ブルーノート東京に出演され、ギタリストとしての感性は15年前に聴いた時と全く同じでしたが、

  体がずいぶん弱っていらして、”これが最後の来日公演になるだろうなぁ・・・”と思いました。

  スコット・コリー(b)、ジョーイ・バロン(ds)の温かなサポートも忘れられません。

  

  あの日から、アンダーカレント / ビル・エヴァンス&ジム・ホール の中の 最も好きな「DREAM GYPSY」

  が、まるでレクイエムのように 心の中で流れています。


  このジャケットには、1999年に同じく ブルーノート東京に出かけた時、ジム・ホールさんに書いて頂いたサインがあり、


  大切な宝物として棚に置いています。



  今年の終わりに この曲を静かに聴きたいと思います。




    よいお年をお迎えくださいませ 



  


    

くちべにすいせん(口紅水仙)

2013-12-30 14:33:24 | ジャズ


  英国王立園芸協会では、すいせんを11のカテゴリーに分類しました。くちべにすいせんは11の中の1グループ。

  1茎に1花しか咲かず、花の中心から突き出た副冠(ふくかん)が花弁の3分の1より短く、さらに副冠の縁が赤いという

  特徴があります。ギリシャやイタリアなどに多く見られる種類で、くっきりした「口紅」がとても印象的。

  吟遊詩人がこの花をよく歌ったので、ポエティカスという別名もあります・・・



  ヒガンバナ科


  英名: NARCISSUS
  別名: ポエティカス


  花言葉:  すてきな装い



  今日聴いたジャズ・・・


  JIMMY RANEY TRIO・・・「WISTERIA」
   (with TOMMY FLANAGAN and GEORGE Mraz




  本作は、1927年8月20日、アメリカ生まれの名ギタリスト、ジミー・レイニーのリーダー・アルバム。


  ピアノにトミー・フラナガン、ベースにジョージ・ムラーツを起用したトリオ編成。

  全7曲、ジミー・レイニーが1曲(3)、ジョージ・ムラーツも1曲(2、アルバム・タイトル曲)、ベニー・ゴルソンの1、4、

  それにお馴染みのスタンダード3曲で構成されている。

  3、5、6は、ややミディアムテンポながら、全体の印象としては静謐感があり滋味あふれる内容に仕上がっている。


  3人、それぞれがソロをとっている部分もあるけれど、決して自己主張することなく絶妙に三者が絡み合って、さすがに

  ベテランらしいプレイを聴かせる。


  ジミー・レイニーはもともと派手なギタリストではなくいぶし銀的な、渋い、それでいて、聴き手の琴線にふれる味わい深さを

  兼ね備え、実に美しい音色を持った類稀なるギタリストの一人だと思う。


  一曲一曲が魅力的。中でもベニー・ゴルソンの「HASSAN’S DREAM」「OUT OF THE PAST」を聴くと、ゴルソンは何と良い曲を

  たくさん書いているのだろうと感心してしまう。

  余談ながら、今年聴いたライブの中で、ベニー・ゴルソン・カルテットを聴けたことは大きな喜びだった。

  そして、まだまだ元気に活躍されている様子に、再びの来日に期待したいと思う。



1・HASSAN’S DREAM・・・2・WISTERIA・・・3・OVALS・・・4・OUT OF THE PAST・・・5・I COULD WRITE A BOOK・・・
6・EVERYTHING I LOVE・・・7・ALL THE THINGS YOU ARE・・・



    JIMMY RANEY(g)
    TOMMY FLANAGAN(p)
    GEORGE MRAZ(b)


   1985年12月30日録音・・・


 ※ ジミー・レイニーは17歳の時に彼のジャズギターのキャリアを開始した。
   1949年、22歳の時、AL HAIG(TALK A LITTLE BOP)に参加。その後はソロで数多く録音する。
   1951年、スタン・ゲッツ・カルテットに参加し世界的に注目されるようになった。(1995年他界)

オドントグロッサム

2013-12-29 12:36:58 | ジャズ


  中米や、南米アンデスの高地が原産で、オンシジウムなどに近いグループの着生ラン。

  花色は赤、黄色、白などでくっきりした班模様が入り、個性の強いあやしいまでの美しさを持っています。

  ランというと熱帯のイメージですが、これは南米でも高地の花で、夏期は暑すぎるとてきめん弱るため冷房が欠かせません。

  いっぽう、冬は暖かい環境を好み、湿度もこまめにチェックしなければならず、なかなか手のかかる花です・・・



   ラン科

   英名:ODONTOGLOSSUM
 

   花言葉:   特別の存在



   今日聴いたジャズ・・・


   KARIN KROG・・・「YOU MUST BELIEVE IN SPRING」





   本作は、1937年5月15日、ノルウェー、オスロ生まれのヴォーカリスト、カーリン・クローグのリーダー・アルバム。


   フランスの代表的な作曲家、ミシェル・ルグランの6曲を、パレ・ミッケルボルグの見事なアレンジで彼の才能を浮き彫りに

   した1974年5月の録音。


   今は亡き、ペデルセン、アレックス・リール、フィリップ・カテリーンなど欧州最高の名手が結集し、ルグランの天才ぶりを

   改めて認識させる素晴らしい作品。6曲の楽曲をカーリン・クローグが自分の世界を縦横無尽に表現している。


 ※  カーリン・クローグは、リタ・ライスと共に50年代から活動を始め、名実ともにリタと欧州ナンバー・ワンを分け合う
    ヴァーチュオーソであり、リタとは異なって、ジョン・サーマンとのコラボレーションひとつをとっても、幅広い活動、
    そして、歌そのものの幅を広げてきた重要な「アーティスト」でもある。



1・YOU MUST BELIEVE IN SPRING・・・2・ASK YOURSELF WHY・・・3・I’LL WAIT FOR YOU・・・4・WATCH WHAT
  HAPPENS・・・5・ONCE UPON A SUMMERTIME・・・6・これからの人生・・・




     KARIN KROG(vo)

     NIELS PEDERSEN(b)
     PHIP CATHERINE(g)
     ALEX RIEL(ds)

     PALLE MIKKELBORG(arr cond)

     and others


   1974年5月録音・・・

てっぽうゆり

2013-12-28 11:51:26 | ジャズ


  日本原産で、沖縄などに自生していたゆりですが、現在は切り花用にさかんに栽培されています。

  白いゆりはいろいろありますが、このてっぽうゆりはほっそりとひかえめで、

  葯(やく)が黄色というひじょうに清らかな姿をしています。

  四月のイースターのころ開花するので、イースターリリーという別名がありますが、

  球根を冷蔵して秋植えしたものが年末になって開花し、市場に出回ります・・・



  ユリ科

  英名:  EASTER LILY
  別名:  ためともゆり、イースターリリー



  花言葉:  純潔



  今日聴いたジャズ・・・


  HOUSTON PERSON・・・「MELLOW」




  本作は、1934年11月10日、サウスカロライナ州フローレンス生まれ、アメリカ合衆国の

  ジャズ、テナー・サックス奏者で音楽プロデューサーのヒューストン・パーソンのリーダー・アルバム。


  パーソンは、スウィングやハードバップのジャンルで演奏しているが特にソウル・ジャズにおいて

  秀でた才能の持ち主であることでも知られている。



  メンバーには、ロマンティック・ジャズ・トリオのピアニストとして活躍しているジョン・ディ・マルティーノ、

  ジェイムス・チリロ(g)、レイ・ドラモンド(b)、ルイス・ナッシュ(ds)を従えた、ワン・ホーン・

  アルバム。


  全10曲、オープニングの「SUNNY」はとかくスローに演奏されがちなのに対して、ここでは軽快にアップテンポ

  に展開されている。3曲目のタイトルチューン「IN A MELLOW TONE」もノリが良く、パーソンのテナーに、

  4人が絶妙に絡んでいる。唯一、パーソンのオリジナル「BLUES IN THE AM」はベースソロから始まる、

  パーソンらしい曲と言える。軽快でアップテンポに展開する曲は、1、3、10のみで、スローテンポの曲

  が多い。ラストのレスター・ヤングの「LESTER LEAPS IN」を軽快に〆ているところなど、ぴったりだと思う。


  最初に「IN A SENTIMENTAL MOOD」を聴いてヒューストン・パーソンに魅了され、本作で、10枚目になった。


  テナー・サックス奏者は数えきれないほどいるけれど、その中でもフェイバリット・プレイヤーの一人として、

  これからも聴いていきたいと思う。


1・SUNNY・・・2・TOO LATE NOW・・・3・IN A MELLOW TONE・・・4・TO EACH HIS OWN
5・WHAT A DIFERENCE A DAY MADE・・・6・TWO DIFFERENT WORLDS・・・7・BLUES IN THE AM・・・
8・WHO CAN I TURN TO?・・・9・GOD BLESS THE CHILD・・・10・LESTER LEAPS IN・・・




   HOUSTON PERSON(ts)
   JOHN DI MARTINO(p)
   JAMES CHIRILLO(g)
   RAY DRUMMOND(b)
   LEWIS NASH(ds)



   2009年6月23日録音・・・


  

  







ファレノプシス(ピンク色)

2013-12-26 15:47:49 | ジャズ


  清純なイメージが強く、日本人にとくに好まれる洋ランです。和名は胡蝶ランとこの花をチョウにたとえたもの。

  英名はモスオーキッドとガにたとえていますし、ファレノプシスという名もキシシャ語で、「ガに似たもの」という意味ですから、

  同じような発想です。

  ランによく見られる鮮やかなピンクの花は、白花とはまた違った可憐であどけない表情を見せてくれます・・・



  ラン科

  英名:  MOTH ORCHID
  別名:  こちょうらん


  花言葉:  あなたを愛します



  今日聴いたジャズ・・・


  JANET SEIDEL・・・「THE ART OF LOUNGE」


  本作は、オーストラリアを代表するヴォーカリスト、ジャネット・サイデルのリーダー・アルバム。


  ささやくように、つぶやくように語りかける歌声が魅了的。


  全14曲、馴染み深い曲ばかりなので親しみやすい。曲によっては、かすかにストリングスが入ったり、サックス、オルガン、ピアノ、

  ベース、ドラムス、クラリネットなどもあくまで彼女のヴォーカルを引き立てるように、控え目なサポートに徹している。

  選曲もよく、サイデルに似合った曲の数々・・・途中、10曲目の「マシュ・ケ・ナダ」には意表を突かれた。

  でもこの一曲がアルバムのよいスパイスになっている。

  個人的にフェイバリットである、「THE SWEETEST SOUNDS」(甘き調べ)をエルジー・ビアンキの歌唱と聴き比べたり、ラストの

  「BLACK IS THE COLOR(OF MY TRUE LOVER’S HAIR)いとしい人の髪は黒」を安冨祖貴子の「マブイの歌」

  (同じくラストに収録)と比べたりして楽しんでいる。

  抑揚の足りなさという点では、少し、物足りなさも感じるものの、コケティッシュで癒されるヴォーカリストとして、大いに評価

  したい。



1・THE VERY THOUGHT OF YOU・・・2・TO SAY GOODBYE・・・3・COMES LOVE・・・4・I’VE GOT A CRUSH ON YOU・・・
5・I GOT A LOST IN HIS ARMS・・・6・AT SUNDOWN・・・7・THE SWEETEST SOUNDS・・・8・FOOLS RUCH IN・・・
9・GEE DADY・・・10・MAS QUE NADA・・・11・LOVE FOR SALE・・・12・I HAD THE CRAZIEST DREAM・・・13・DON’T
  LET THE SUN CATCH YOU CRYING・・・14・BLACK IS THE COLOR・・・





    JANET SEIDEL(vo)

    KEVIN HUNT(p)
    COL NOLAN(p org)
    PAUL WILLIAMS(ts cla)
    TOM BAKER(ts)
    DAVID SEIDEL(b)
    JOHN MORRISON(ds perc)


    WITH STRINGS    他


    1997年2月、7月、8月録音・・・