つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

初秋の想い

2015-08-29 18:51:59 | ジャズ



         素朴な琴



      この明るさのなかへ


      ひとつの素朴な琴をおけば


      秋の美しさに耐えかね


      琴はしづかに鳴りいだすだろう    (八木重吉)



       みなさま今晩は


     暑かった夏がうそのように、肌さむい日がつづいています


     待ちわびていた秋のおとづれなのに 逝く夏を惜しむように一抹の寂しさを感じています


     みなさまはいかがでしょうか?



    LAILA BIALI・・・「FROM SEA TO SKY」
              (海、そして空へ)



    カナダのヴォーカリスト、ライラ・ビアリのリーダー作。



    ジャズでもポップスでもない、ビューティフル・ミュージック、、


    サラ・マクラクラン、、ジョニ・ミッチェル、、他、カナダを代表するアーティストたちの名曲を美しいヴォーカルで綴った、

    
    カナディアン・メロウサウンド。。。


1・ アイス・クリーム

2・ シークレット・ハート

3・ ヘラクレスの涙

4・ ラディアンス

5・ 舞い降りたエンジェル

6・ ウッドストツク

7・ アイル・ネヴァー・スマイル・アゲイン

8・ ストール・ランド

9・ マシャブーム

10・枯葉

11・アンセム



      プロデュース: クレア・ローレンス


      ライラ・ビアリ(vo p arr)

      フィル・ドゥイヤー(ts ss)
      ドン・トンプソン(vibs、p)
      グィド・バッソ(tp、flh)
      ロブ・ピルッチ(g)
      ジョージ・コラー(b)
      ラーネル・ルイス(ds)


    唯一、インストで演奏される「枯葉」でのドン・トンプソンのビブラホーンが美しい・・・・


     2007年カナダでの録音   ※ トロント湖にて撮影(ジャケット)



       トキソウ  

   



こぼれ萩 そして野分のこと

2015-08-27 14:08:04 | ジャズ



   「こぼれ萩」という言葉は、野分によって倒された姿を表現したものだそうです


   芭蕉の句に 「吹き 飛ばす石は浅間の野分かな」とあるように、野分のことを「石飛ばし風」ともいいます・



   白萩の盛りともなく過ぎゆく日  (稲畑 汀子)




    今日聴いたジャズ・・・


   MARK TURNER・・・「BALLAD SESSION」



   1965年11月10日 オハイオ州生まれ、ジョン・コルトレーンとウォーン・マーシュに強い影響を受けたテナーサックス奏者、



   マーク・ターナーのリーダー作。


   「JAZZ BEST コレクション1000~モア・セレクション編」第2弾にあたる作品。


   1990年代のジャズシーンを象徴する気鋭の若手を集めて録音したバラードの名盤。。。


   全11曲、コルトレーン、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、ポール・デスモンドなどの佳曲にも挑んでいる。


   知的で、静謐な時間の流れにひたれる一枚として長年愛聴している。


1・I LOVES YOU PORGY・・・2・SOME OTHER TIME・・・3・ネフェルティティ・・・4・SKYLARK・・・5・NO MORE
6・ALL OR NOTHING AT ALL・・・7・VISIONS・・・8・ALONE AND I・・・9・LATE LAMENT・・・10・ジーザス・マリア
11・TURN OUT THE STARS・・・



     MARK TURNER(ts)
     KURT ROSENWINKEL(g)
     KEVIN HEYS(pf)
     LARRY GRENADIR(b)
     BRIAN BRAIDE(ds)


      1999年10月4、5日 ニューヨークにて録音


      りんごの花 
   

処暑の表情

2015-08-26 11:34:25 | ジャズ



    蜘蛛の糸が風に揺れて光る朝・・・


    衰え知らない暑さのはずだったのに、

    
    しのび寄る秋の気配は脚を速めてきました・・


    

    北の国ではもう秋だ / あかのまんまの / つゆくさの / 鴉揚羽(からすあげは)の八月は / 秋は夏のをはりです  (三好達治)



    今日聴いたジャズ・・・



    WALTER LANG TRIO・・・「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」





    ドイツのジャズピアニスト、ウォルター・ラングのリーダー作。


    抒情性、透明感、ロマンティシズム、瑞々しさ、そしてさらに温かみを感じさせる作品。


    前回書いた 「STARLIGHT REFLECTIONS」にも共通するところが多々あるけれど、こちらは一味趣が異なって、同じく聴きごたえのある

   
    アルバムに仕上がっている。

  


    全11曲、オリジナル7曲(1、2、4、8、9、10、11)、スタンダード4曲(3、5、6、7)で綴られている。


    1968年ベルギー生まれの NICOLAS THYS(b)、1956年デトロイト生まれの RICK HOLLANDER(ds)

    
    を従えたピアノトリオ編成。


    オリジナルの、冒頭とラストに2度演奏される”MONSIEUR HULOT ”は、内省的でクラシカルな趣を湛え心髄まで惹きこまれる一曲。

    
    中には、軽快で明るくアップテンポに展開する曲もあるけれど、「OCTOBER BREEZE」、「CALL ON BILL」の2曲はスローテンポで


    美旋律のピアノにベース、ドラムがほどよい加減に絡みつつ、聴き手の心をとらえて離さない。。。


    スタンダードに関していえば、一ひねりした、”枯葉 ” ”ALONE TOGETHER ” のアレンジが面白い。

    
    ”SPRING HERE ”は、ほとんど原曲を崩しているので、一聴しても何の曲なのかわからない。

    
    自分の中で消化しきっている感じを受ける。やや硬派寄りのピアニストかもしれないけれど、わたしにとって、しっくりくるお気に入りの


    ピアニストとして、今後も注目していきたいと思う。



1・MONSIEUR HULOT・・・2・D’AFRIQUE・・・3・枯葉・・・4・OCTOBER BREEZE・・・5・ALONE TOGETHER・・・6・朝日のごとく爽やかに
7・SPRING IS HERE・・・8・CASINO ESTORIL・・・9・CALL ON BILL・・・10・PENSAO CENTRAL・・・11・MONSIEUR HULOT・・



       WALTER LANG(p)
       NICOLAS THYS(b)
       RICK HOLLANDER(ds)


       2003年8月録音



       タチツボスミレ 
  


   

   

       

夏椿

2015-08-25 11:07:24 | ジャズ



    別名  沙羅の花  さるなめ  姫沙羅


    ツバキ科の落葉高木。インドのフタバガキ科の沙羅双樹に似ているので、この名がついた。


    花の終わりに近づくと緑の咢(がく)が中央に集まり、花弁を押し出して落とす。

   
    茶花として用いられます



    華やぎの中の落ち着き沙羅の花  (稲畑汀子)



    今日聴いたジャズ・・・


   JODY SANDHAUS・・・「A FINE SPRING MORNING」



   テキサス州ヒューストン生まれのヴォーカリスト、ジョディ・サンドハウスの3作目にあたる作品。


   リザボアレーベルを代表するピアニスト、ピート・マリンヴェルニの奥様でもある。


   前回書いた 「WINTER MOON」も気に入っている。こちらは、ジャズのスタンダード中心だったのに対し、本作は、ポップ寄りのアルバム。


   商品説明によると、幼いころから、クラシックやミュージカルの音楽に親しみ、カレッジ卒業後にジャズシンガーを目指したという。


   メロディを大切に、一語一語をしっかり聴かせるタイプのヴォーカリスト。


   ” WINTER MOON ”もそうだったように、本作も力むことなく、全12曲、ゆったりした曲調がほとんどでソフトな歌声が魅力的。。


   ご主人のピート・マリンヴェルニが優しく包み込むように、そっと寄り添っている味わいのあるサポートを聞かせているのが印象に残る。

 

1・A FINE SPRING MORNING・・・2・DEED I DO・・・3・PICNIC・・・4・ALL OR NOTHING AT ALL・・・5・THERE’LL BE ANOTHER
  SPRING・・・6・WHATEVER LOLA WANTS・・・7・GET OUT OF TOWN・・・8・I LIKE THE SUNRISE・・・9・RELAX
10・DON’T EVER LEAVE ME・・・11・CAN’T HELP SINGING・・・12・LOVE LOOK AWAY・・・




       JODY SANDHAUS(vo)
       PETE MALINVERNI(p)
       TODD COOLMAN(b)
       LEROY WILLIAMS(ds)


       2003年 冬 録音



       ナツツバキ 
   


   

夏のつかれ

2015-08-22 19:14:21 | ジャズ



       
     垣根の下に咲いた鳳仙花よ / お前の姿はかれんだ / 長い長い夏の季節に /  美しく花咲く季節に /


     かわいい娘たちがお前を歓迎して遊んだ / いつか夏が去り / 花は落ちた / 老いてしまったお前の姿があわれだ



        みなさま今晩は


     週末の宵をいかがお過ごしでしょうか?

     
     暑い夏のころに咲きほこっていた花々も心なしか疲れてみえます


     休日にゆっくりとくつろいでお過ごしくださいませ



    今宵選んだアルバム・・・


    ROBERT LAKATOS・・・「MARMOSETS」



   1975年ハンガリー、ブタペスト生まれのジャズピアニスト、ロバート・ラカトシュのソロアルバム。


   これまで、「SO IN LOVE」(2005)、「NEVER LET ME GO」(2007)、「あなたと夜と音楽と」(2008)

   と、3枚のトリオ作品がつづき、今回はソロアルバム。

   粛々とした安らぎのある雰囲気の中で、繊細なタッチが光る一枚。


   クラシックピアノの確かな演奏力を持つラカトシュの本作は、彼の才能が開花した傑作。。。


   タイトルチューンのみがラカトシュのオリジナル。 冒頭の ”PSALM ”「詩篇」と名づけられた彼の実兄のオリジナルがなんともいえず

   美しすぎます。


1・  PSALM

2・  EN ORILLA DEL MUNDO

3・  DJANGO

4・  MARMOSETS

5・  FIVE

6・  THROW IT AWAY

7・  OBLIVON

8・  IN YOUR OWN SWEET WAY

9・  I FALL IN LOVE TOO EASILY

10・ CHELSEA BRIDGE

11・ CLOSE YOUR EYES 



      2007年12月19、20日録音


        ホウセンカ