つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

高尾の樫の木

2012-07-31 16:17:30 | ジャズ

 高尾山へ行くと樫の木に出会えるらしい。
 出不精の私にはこの猛暑の中をとても出かける勇気がない。。

 伊東静雄に「野にひともとの樫立つ」という詩がある。
 ” 往き還りその傍らをすぎるとき  あかるい悲哀と  ものしづかな勇気が
   ひとの古い想ひの内にひびく ”
 年老い、傷ついてなお堂々と立つ樫は、ひとにそういう想いを与えてくれるのだろう・・

 今日聴いたジャズ・・・

 ロニー・ヨハンソン・トリオ・・・「ELEGY」


( 6月12日に森泰人(b)とのデュオ 「NUAGES(雲)」を書いています。二人のプロフィール
 についても書いています。)

 本作はレイモンド・カールソン(ドラムス)が加わったトリオ編成。
 オリジナルとスタンダードが程よくブレンドされたピアノ・トリオの好盤。
 ロニー・ヨハンソンはオリジナルにも定評があり本作も13曲中3曲(1、10、13)がヨハンソンのオリジナル。

 
 1・ELEGY・・2・BLUE SKIES・・3・SUMMER NIGHT OF GOTLAND・・4・SOME OF THESE DAYS・・
 5・UNFORGETTABLE・・6・CHICAGO・・7・OVER THE RAINBOW・・8・STOMPIN’ AT THE SAVOY・・
 9・I REMEMBER YOU・・10・PLAY IT、SAM・・11・AS TIME GOES BY・・
 12・MACK THE KNIFE・・13・CAPRICORN

 
 ヴォーカルバージョンでよく聴く2やナット・キングコールの歌を思い出す5を始めスタンダードの選曲も
 面白い。。タイトル曲の1は2分足らずの短い曲ながら、ヨハンソンの人柄がよく表れていると思う。
 

 ロニー・ヨハンソン(p)
 森泰人(b)
 レイモンド・カールソン(ds)

  2008年6月17ー19日 8月4日録音・・・

盛夏

2012-07-30 16:16:47 | ジャズ

 鮮烈な色をしたひまわりの花は別名、「インディアンの太陽の花」・・「ペルーの黄金の花」
 とも呼ばれている。

 「海の音にひまわり黒き瞳をひらく」(木下夕爾)
 中心部に黒ずんだ種が実りはじめたころのヒマワリのことだろうか・・・
 海辺のよしず張り、古い駅、廃屋、ヒマワリにはそういった風景がよく似合う・・

 今日聴いたジャズ・・・

 ジャッキー・マクリーン・・・「NATURE BOY」


 ワン・ホーンカルテット作品。” レフト・アローン ”でのマクリーンのアルトがあまりにも
 良すぎたためか、他の作品を聴いても心に響くものがなかったけど、本作は優れたメンバーを
 バックに8曲のスタンダードをプレイしているマクリーンのアルトが光る。とくに
 シダー・ウォルトンのピアノは特筆に値するほど素晴らしい。

 1・YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS・・2・NATURE BOY・・3・言い出しかねて
 4・WHAT IS THIS THING CALLED LOVE・・5・I FALL IN LOVE TOO EASILY・・
 6・煙が目にしみる・・7・STAR EYES・・8・A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE

 一曲目を聴いただけでグ~~ッとくるものがある。マクリーンの愛聴盤は?と聞かれたら真っ先に
 迷わず本作を挙げる。。アルトサックスがリーダーのスタンダード集の中でも3指に入るアルバム
 だと思う。

 JACKIE McLEAN(as)
 CEDAR WALTON(p)
 DAVID WILLIAMS(b)
 BILLY HIGGINS(ds)

  1999年6月12、13日録音

 ジャッキー・マクリーン:

 1931年5月17日アメリカ合衆国ニューヨーク出身のジャズ・アルトサックス奏者。
 ハイスクール時代にはすでにケニー・ドリューやソニー・ロリンズと共演。1951年10月、ソニー・ロリンズ
 やアート・ブレイキーと共にマイルス・デイヴィスのアルバム 「ディグ」の録音に参加。
 その後も何度かマイルスと共演。

 1955年、初のリーダーアルバム制作。ほどなくプレスティッジ・レコードに移籍。
 1956年1月にはチャールズ・ミンガスの「直立猿人」に参加。
 1958年にはソニー・クラークの「クール・ストラッティン」にも参加。

 1959年、バンドリーダーとしてブルーノートと契約。同年にはウォルター・ビショップやジミー・ギャリソン
 等を従えた「スイング・スワング・スインギン」発表。
 1960年にはマル・ウォルドロンのアルバム「レフト・アローン」に参加しマクリーンにとって重要な
 レパートリーとなる「レフト・アローン」を録音。
 1963年にはまだ17歳だったトニー・ウィリアムスを従えたアルバム「ワン・ステップ・ビヨンド」発表。
 またマクリーンはフリージャズにも傾倒していき、1967年のアルバム「ニュー・アンド・オールド・ゴスペル」
 でオーネット・コールマンをバックに従えた。
 1968年にはコネチカット州で教職に就き、音楽活動を休止するが1970年前半にスティープル・チェイス
 と契約して活動再開。
 1986年、1987年、1996年の3回、マウント・フジ・フェスティバルに参加。

  2006年3月31日 コネチカットで亡くなった・・・

オリンピック三昧

2012-07-29 14:25:04 | ジャズ

 借景の部屋から民家の庭に咲いているキョウチクトウの花が見える。
 猛暑の中で健気に咲いているのがいじらしい・・・

 ”いうまいと思えど今日の暑さかな ”

 今聴いているジャズ・・・

 DOMINICK FARINACCI QUARTET・・・「SAY IT」

 ドミニク・ファリナッチのリーダーアルバム。

 1983年3月3日アメリカ合衆国、クリーブランド生まれ。
 ウィントン・マルサリスに見いだされたジュリーアード出身の魅惑のジャズ・トランペッター。
 若いのにもかかわらず確かなテクニックとバラードの巧さに定評がある。
 本作は馴染み深い曲をハード・バップに仕上げたアルバム。
 重鎮のアイラ・サリヴァン(ts ss)のプレイも聴きどころ。
 アイラ・サリヴァンは11曲中5曲(1、2、3、8、11)に参加しており、残りの6曲
 はワン・ホーンとなっている。5、10はドミニクのオリジナル。最後にドナルド・バードの
 曲を取り上げているところも興味深い。

 1・TWO DOORS DOWN・・2・THE RUBY AND THE PEARL・・3・I’M A FOOL TO WANT YOU・・
 4・黒いオルフェ・・5・NIGHT PASSING・・6・SAY IT・・7・おもいでの夏・・8・WHAT’T NEW・・
 9・JUST IN TIME・・10・TOWARD EVENING・・11・GHANA・・

 ドミニク・ファリナッチ(tp)
 アイラ・サリヴァン(ts、ss)
 アダム・バーンバウム(p)
 ベン・ウルフ(b)
 カーメン・イントレJr(ds)

 2003年5月13、14日録音

 アイラ・サリバン:

 1931年5月1日ワシントンDC生まれ。
 1950年初頭からシカゴを拠点に活躍してきたサックス、トランペットなど多彩な楽器をこなすマルチ・
 インストルメンタリストでチャーリー・パーカー、ソニー・スティット、レスター・ヤング、アート・ブレイキー
 といった巨人と共演した今やモダン・ジャズの伝説的なミュージシャンの一人。録音当時72歳。
 とても年齢を感じさせない筋金入りのプレイを聴かせてくれる。

 アダム・バーンバウム:

 1979年マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。ケニー・バロン、フレッド・ハーシュ、ダニロ・ペレス
 にも師事した注目の期待のピアニスト。

 ベン・ウルフ:

 1962年8月3日メリーランド州ポルチモアの生まれ。1988年から1995年にかけてハリー・コニック・
 ジュニアと共演したことで有名になった。1995年以降はウイントン・マルサリス率いるリンカーンセンター
 ジャズ・オーケストラのレギュラーメンバーとして活躍するなど華やかな脚光を浴びている。

 カーメン・イントレ・ジュニア:

 ニューヨーク出身。彼とドミニクは1999年にそろって「ヤマハ・ヤング・パフォーミング・アーティスト」の
 受賞者に選ばれた時からの良き仲間。その後、ニューヨークのニュー・スクールでジャズを研鑽。2001年6月
 からは「ジュリアード」の<ジャズ・スタディーズ>ドラム科で研鑽を重ねた。
 すでにチャック・マンジョーネ、D・D・ジャクソン、ラルフ・アレシらとの共演体験を持っている・・・
 

向日葵

2012-07-28 16:04:40 | ジャズ

 熱帯夜が続く・・

 ひまわりの成長期の葉は太陽の動きにあわせてまわるという。
 日の光を精一杯に吸い込み、太陽を慕うかのように、一センチでも
 ニセンチでもよけいに空に伸びようとする。
 
 花ことばは 「敬慕」「あこがれ」である・・・

 今日聴いたジャズ・・・

 TERJE GEWELT・・・「AZURE」


 ベーシスト、テリエ・ゲヴェルトのリーダーアルバム・・「アズール」
 ベース、ギター、アコーディオンにヴォーカルが10曲中3曲参加している。
 美しく優しい叙情的な作品。。

 1・LOOKING BACK・・2・VI SKAL IKKJE SOVA BORT SUMARNATTA
 3・LET YOUR FINGERS DO THE TAKING・・4・OLD FOLKS・・5・ESTER’S WALTZ・・
 6・END OF・・・7・WATCHING SHADOWS・・8・DIALOGUE・・9・CANTO MAI・・
 10・PEACE

 ○テリエのオリジナル。アコーディオンから始まりギターが寄り添うように絡んでる。ベース、
  ギターが共にメロディーを奏でている。穏やかで優しいノスタルジックな曲・・1
 ○ベースとギターのデュオ。落ち着きのある滋味あふれる曲。ベースソロが味わい深い。続く
  ギターも哀愁のある音色を聴かせる・・2
 ○ややアップテンポ。アコーディオンにベース、ギターが絡んで楽しく明るい曲調・・3
 ○カーリン・クローグのヴォーカルで始まる。ベースとギターが続いてメロディーを奏でる。
  ゆったりとした穏やかなプレイが聴ける。ベースソロも味わいがある。カーリンのしみじみとした
  歌が華を添えている・・4
 ○テリエのオリジナル。アコーディオンで始まり、それにギターが静かに絡んでいる。ベース、アコーディオン、
  ギターが一体となって叙情的な雰囲気を醸し出している・・5
 ○テリエのオリジナル。ギターで始まりベースがさりげなく加わっている。殆どギターソロといった趣の曲・・6
 ○ヴォーカルで始まる。続いてベース、アコーディオンが加わる。ベースソロの後、ギターが加わる。
  再びアコーディオン、ベースをバックに穏やかで心に沁みるヴォーカルが聴ける・・7
 ○テリエのオリジナル。タイトルどうりギターとベースのデュオ。ギターで始まり続いてベースソロ・・
  二人の対話。。遠い北欧の地へ想いを馳せるような曲・・8
 ○カーリンのつぶやきから始まる(何と言っているのだろう・・)ギターが弾んで演奏している。それにベースソロ
  が続く。再びヴォーカル・・三人の弾んだ会話を聴いているかのような・・9
 ○ホレス・シルバーの曲。ギター、アコーディオン、ベースでの抒情的で美しく優しいしみじみとした曲・・10


  TERJE GEWELT(b)
  STAFFAN WILLIAM-OLSSON(g)
  ALFRED JANSON(accordion)

  special guest:
  KARIN KROG(vo)

  2010年1月、オスロのスタジオにて録音

  (テリエ・ゲヴェルトの作品については5月26日、6月29日にも書いています)



暑中お見舞い申し上げます

2012-07-27 16:33:14 | ジャズ

 酷暑が続いていますが如何お過ごしでしょうか?

 毎日暑い中、お仕事お疲れ様です。
 休日は休養されますように・・・
 土、日もお仕事でお忙しい方、ご苦労さまです。

 また、私の拙いブログに訪問してくださる方々にお礼申し上げます。
 ありがとうございます。これからも、気に入っている作品について
 書いていこうと思っていますので、よろしくお願い致します。

 今日聴いたジャズ・・・

 大石学 トリオ・・・「GIFT」


 澤野工房からの3枚目のリリースになる作品。前回と同じくフランスで録音されたもので
 メンバーも同じ。大石氏らしくロマンティシズムあふれる曲の数々。。
 力強くもありリリカルで透明感のあるピアノが聴ける。ソロ、デュオ、トリオと豊穣な内容に
 仕上がっている。

 1・AMBITION・・2・HISYO・・3・RIVERSIDE・・4・朝日の如くさわやかに・・5・RECOVERY・・
 6・MEMORIES OF PARIS・・7・MEMORIES OF PARIS・・8・ALL BECAUSE OF YOU・・
 9・HONESTY
  4、9以外は大石学氏のオリジナル。。

○ 穏やかなピアノを堪能できる1
○ 力強いピアノ、ベース、ドラムでの2&3
○ タイトル曲。ピアノソロから始まる。ロマンティックで穏やかな曲調4
○ ピアノとベースのデュオ。息の合った静謐なデュオからピアノによってメロディーが奏でられる5
○ トリオながらもドラムスは控え目でピアノとベースの静かな対話がなされているような6
○ ベースとピアノのデュオ。ここで唯一、ピアニカの演奏が聴ける7
○ 力強いピアノが聴ける8
○ ピアノソロによるもの。ビリー・ジョエルの曲(ちょっと意外な選曲だった)穏やかに演奏されている9

 一枚をとうして聴くとベース、ドラムスはあくまでも控え目で全曲、ピアノを存分に堪能できる仕上がりに
 なっている。

 大石学(p pianica)
 JEANーPHILLIPPE VIRET(b)
 SIMON GOUBERT(ds)

  2012年2月3、4、5日 フランスにて録音

 アルバムがリリースされるたびに、今回はどんな曲が収録されているのだろうか・・
 スタンダードは何だろう・・と楽しみでならない。
 本作は”朝日の如くさわやかに” ”HONESTY”だったけど、WATER MIRROR(ソロ)では”HOW INSENSITIVE”
 ”’ROUND MIDNIGHT” ”FLY ME TO THE MOON”・・WISH(トリオ)では ”MY FOOOLISH HEART”
 ”この素晴らしき世界” が収めれている。これらのスタンダードは大石学さんがライブでも好んで演奏
 される曲。。
( 大石氏のプロフィールについては5月31日に書いています)・・