山上憶良が詠んだ秋の七草は「萩が花尾花葛花なでしこの花女郎花また藤袴朝貌の花」である。
ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、そして最後のアサガオはキキョウのことだといわれている。
それぞれの人にそれぞれの「私の七草」があるだろうけれど、丸谷才一によると、佐藤春夫に
「からすうり / ひよどり上戸 / あかまんま / かがり /つりがね / のぎく/ みづひき」というみごとな
自選七草の歌があるそうだ。
ここの「かがり」とは、彼岸花の異称、とのこと。春夫はこの異称を好んだらしい・・・
今日聴いたジャズ・・・
GRANT STEWART・・・「PLAYS JAZZ BALLDS」
The Shadow Of Your Smile/Grant Stewart
1971年6月4日、カナダ・トロント生まれ、ジャズ・テナーサックス奏者、グラント・スチュワートの
リーダーアルバム。ワンホーンクインテット編成。
スチュワートは豪快でかつ、ソウルフルなブローを聴かせるテナーマンであることは良く知られている。
本作は、バラード集ということで、一音一音を丁寧にメロディアスにプレイしている。
全8曲、オープニングの「I’M A FOOL TO WANT YOU」の出だしの一音がたまらなくいい!これでもうこの曲の
良さが想像できた。デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、ピーター・バーンスタイン(g)のソロも心のこもった
プレイを聴かせる。
続く2曲目の「LUIZA」・・・A・C・ジョビンの名曲。テナーバージョンでは他に知らない。
ピアノでは、スティーヴ・キューン、、トランペットでは、パオロ・フレス、、ギターでは、ロイ・ベンハー、あたりが
この曲を採りあげている。
ここでもステュワートのテナーに、ヘイゼルタインのピアノ、バーンスタインのギターが巧くからんでステキな曲に
仕上がっている。
続く3曲目「YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS」、、この曲もフェイバリットの一曲。
エリック・アレキサンダーの ”バラッズ集 ”の中でのこの曲を聴き比べるのも面白い。
ステュワートの方が少し早いテンポで演奏している。
全体的に、ベース、ドラムは控え目なサポートで味わいのあるプレイを聴かせている。今回は、ヘイゼルタインがピアノを
務めているところも聴きどころだろうか。バーンスタインは他のアルバムにも参加している。
ステュワートはまだまだ若手、これからが楽しみなテナーマンとして注目している。
1・I’M A FOOL TO WANT YOU・・・2・LUIZA・・・3・YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS・・・4・FLAMINGO・・・
5・I’VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE・・・6・EVERYTHING HAPPENS TO ME・・・7・SOPHISTICATED LADY・・・
8・煙が目にしみる・・・
グラント・ステュワート(ts)
デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)
ピーター・バーンスタイン(g)
ピーター・ワシントン(b)
フィル・ステュワート(ds)
2009年3月5日 NYにて録音・・・