つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

リラックスタイムに・・・

2015-06-28 20:27:26 | ジャズ


  
    みなさま今晩は


   当地ではときおり晴れ間の覗くいちにちでした。


   豪雨で被害に遭われていらっしゃる地域のかたがたお見舞い申しあげます。



   今宵 リラックスタイムに聴いている一枚・・・



   CHET BAKER・・・「ESTATE」



   1983年9月ベルギーで録音された チェット・ベイカーの晩年の名作。。。


   信頼し合った仲間とくつろいで演奏しているチェットの姿が目に浮かびます。


   かず多くある”ESTATE ”の中で 最も好きなヴァージョンです。


   CHET BAKER(tp)
   PHILIP CATHERINE(g)
   JEANーLOUIS RASSINFOSSE(b)



  また、 ギターを担当している、フィリップ・カテリーンの作品にチェット・ベイカーに捧げた 『I REMEMBER YOU』という


   アルバムがあります。愛情のこもった素晴らしい作品です。


  機会がありましたら、お聴きください・・・




  PHILIP CATHERINE(g)
  HEIN VAN DE GEYN(b)
  TOM HARRELL(flh)



   おやすみなさい

錆び(さび)

2015-06-26 11:52:13 | ジャズ


  つゆの盛りは「錆び」の時期


  「錆び」の語源は表面がぼろぼろに荒れることを「すさぶ」ということからきています。


  また、錆びると生じる味わいや深みは「寂」にも通じるようで


  日本人特有の「寂」の精神は、つゆという「錆び」の季節があったと推測できます




   今日聴いたジャズ・・・


   BENNY GOLSON・・・「TURNING POINT /  FREE」



   1929年1月 米国フィラデルフィア生まれ、テナーサックス奏者、作編曲家、ベニー・ゴルソンのリーダー作。


   本作は、作品である「TURNING POINT」と「FREE」をカップリングしたもの。


   ウィントン・ケリー(p)、、ポール・チェンバース(b)、、ジミー・コブ(ds)、、トミー・フラナガン(p)


   ロン・カーター(b)という錚々たるメンバーと綴る貴重な作品。。。


   ゴルソンには珍しく、スタンダード・ナンバーを中心に選曲し、アレンジャーというよりテナーサックス奏者としての


   魅力に迫った、隠れた魅力を再認識できる内容になっている。


   前記したように、サイドメンもそれぞれにベテランで彼らの演奏を聴けるのはこの上なく嬉しい。



   ※ ゴルソンは9歳でピアノを始め、14歳の時サックスに転向。
     53年より、タッド・ダメロン・グループやディジー・ガレスビー楽団などでテナー奏者として活躍し、
     58年にアートブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーの一員となる。
     このときに、作・編曲家としての才能を開花する。

     「アイ・リメンバー・クリフォード」、「ウィスパーノット」、「ブルースマーチ」など、
     スタンダードとなる名曲を生み出した。
     60年にアートファーマーと「ジャズテット」を結成。モダンジャズ史に名を残す一人である。




1・HOW AM I TO KNOW・・・2・THE MASQUERADE IS OVER・・・3・DEAR HATHY・・・4・THREE WORDS
5・TUNING POINT・・・6・星影のステラ・・・7・ALONE TOGETHER・・・8・SOCK CHA CHA・・・9・MAD ABOUT
  THE WAY・・・10・JUST BY MYSELF・・・11・SHADE OF STEIN・・・12・MY ROMANCE・・・13・JUST IN TIME・・・



   1~7 「BENNY GOLSON」  8~13「BENNY GOLSON FREE」


   1962年10月30、31日   1962年12月4日録音・・・





  

つゆの風情

2015-06-24 12:20:47 | ジャズ


  春と夏との間にあるこの季節にしみじみとした


  落ち着いたけはいが、天地に満ちる。雨がつづくと晴れ間が恋しく感じることもあるけれど


  実際、つゆがなければ日本の季節はずいぶんだらしない感じのものになってしまうのではないだろうか


  ” 梅雨がなかったらどんなにか私はものたらぬことであろう。


    それは春と夏とのあひだに特殊な風情のある季節をつくってゐる ” (中勘助)




   今日聴いたジャズ・・・


   EMILIEーCLAIRE BARLOW・・・「HAVEN’T WE MET?」




   カナダで活躍する実力派ヴォーカリスト、エミリー・クレア・バーロウの7枚目となる作品。


   前作「THE VERY THOUGHT OF YOU」も高評価、2008年度、NATIONAL JAZZ AWARDでもフィメール・オヴ・ジ・イヤー


   に選ばれたというまさしく注目のヴォーカリスト。


   更にストリングス・アレンジ、指揮、プロデュースも担当している。


   本作は、小気味よくスウィングするギター、ピアノと共に、キュートでコケティッシュな歌声を聴かせるナンバーから、


  ストリングスと共にしっとりと聴かせるナンバーまで、あらゆるスタイルに順応できる表現力が素晴らしい。



   全14曲、ジャズのスタンダードやフランス語で歌っている曲(2、7、9)などを織り交ぜた構成になっている。


  3曲目の高速スキャットで歌う「YOU’RE DRIVING ME CRAZY!」も愉しく、かすかなストリングスをバックにしっとり歌う、


  「JARDIN D’HIVER(こもれびの庭に)」、、「YOU MUST BELIEVE IN SPRING」、、の2曲はとくに気に入っている。


  これまで聴いてきた彼女のアルバムはどれをとっても、聴きごたえのある内容のものばかりだった。


  本盤も、フリューゲルホーン、トランペット、サックスなどの参加により更に意欲作に仕上がっていると思う。


  余談ながら、先日書いたマット・ダスクの「MY FUNNY VALENTINE」の4曲目、” EMBRACEBLE YOU ”のマット・ダスクとの


  デュオは、うまいなぁ~とほれぼれする一曲で一日一度は聴いている。この盤も愛聴盤の一枚。




1・ALL I DO IS DREAM OF YOU・・・2・C’EST MERVEILLEUX・・・3・YOU’RE DRIVING ME CRAZY!
4・COM’IN HOME、BABY・・・5・HAVEN’T WE MET?・・・6・I’M GLAD THERE IS YOU・・・7・CHEZ MOI
8・IS YOU IS OR IS YOU AIN’T MY BABY?・・・9・こもれびの庭に・・・10・LA VEM BAIANA
11・WILL YOU STILL BE MINE・・・12・YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG・・・13・YOU MUST BELIEVE IN SPRING
14・WRAP YOUR TROUBLES IN DREAM・・・




    EMILIEーCLAIRE BARLOW(vo produce arr cond)

    REG SCHWAGER(g)
    DAVID RESTIVO(p)
    ROSS MACINTYRE(b)
    DAVIDE DIRENZO(ds)
    CHASE SANBORN(flh tp)
    KELLY JEFFERSON(ts)



夏至

2015-06-21 11:52:54 | ジャズ


  「暦便覧」には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也」とあります。


  梅雨の真っ盛りで長雨が続きます。


  北半球では昼が最も長く、夜が最も短くなります。


  烏柄杓(カラスビシャク)が発芽する頃です




   今日聴いたジャズ・・・



  ” GENE BERTONCINI WITH BILL CHARLAP AND SEAN SMITH ”




   本作は、バートンシーニ(g)、ビル・チャーラップ(p)、ショーン・スミス(b)、三人による1996年のライブ盤。


   先日書いた、バートンシーニのジョビン集と同じく愛聴盤にしている一枚。


   とても洗練され、調和のとれた上質なアルバム・・それぞれが控え目に絡み合い、それでいてひとりひとりの音色を


   十分に味わえる趣向に仕上がっている。


   冒頭にショーン・スミスのオリジナル ” JAPANESE MAPLE ”を演奏しているのはGOOD IDEA!だと思う。


   また、2、3、8はメドレーとして演奏され、そのほかは、コール・ポーター、、ラフマニノフ、、ジョニー・マンデル、、


   リチャード・ロジャースたちの名曲で構成されている。全12曲。


   どの曲も馴染み深いもの、愛着のある曲ばかりで聴きやすい。


   穏やかな雰囲気の中にも、「CHELSEA BRIDGE」でのスミスによる弓弾き、「MY FUNNY VALENTINE」


  「ALL THE THINGS YOU ARE」の2曲ではミディアムテンポに展開され、アルバムにアクセントをつける意味でも


  成功していると思う。また、ラフマニノフの「YOU CAN’T GO HOME(AGAIN)」は大好きな曲で、チェット・ベイカーの


  リーダー作でのこの曲を真っ先に思い出す。「EMILY」はジム・ホールが”FIRST EDITION”でも演奏している曲で、


  どちらを聴き比べても、それぞれに味わいがある。




   1・JAPANESE MAPLE

   2・MEDLEY: a)LALLABY OF THE LEAVES b)SUMMER NIGHT

   3・ELLINGTON / STORAYHORN MEDLEY:
     a)LUSH LIFE b)CHELSEA BRIDGE c)IN A SENTIMENTAL MOOD

   4・DREAM DANCING

   5・YOU CAN’T GO HOME

   6・EMILY

   7・MY FUNNY VALENTINE

   8・MEDLEY  a)SOPHISTICATED LADY  b)ALL THINGS YOU ARE




    GENE BERTONCINI(g)
    BILL CHARLAP(p)
    SEAN SMITH(b)



    1996年10月29、30、31日録音・・・

  
   

あまみどき(雨見時)

2015-06-19 12:16:13 | ジャズ



   梅雨は『あまみどき』・・・


   雨を吸った緑は輝き、草花も「濡れ色」になって風情を漂わせ


   紫陽花は雨に洗われながら色を変えていきます。


   ときには、ぼんやりと雨をみるときがあってもいいのではないでしょうか・・・


   
   雨は土をうるおしてゆく /  雨というもののそばにしゃがんで /  雨のすることを見ていたい


    (八木重吉)



   今日聴いたジャズ・・・



   東京銘曲堂・・・「PLAYS DUKE ELLINGTON」



   1999年に結成、、以来スタンダード中心にアルバムを発表。本作は6枚目の作品にあたる。


   タイトルどうり、デューク・エリントン集。


   東京銘曲堂(TMD)は、川嶋哲郎(ts、ss、fl)、岡安芳明(g)、上村信(b)、三人の名手が組んだ、ピアノレス、


   ドラムレスの変則トリオ。


   最初に「YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS」を聴いてからすっかり虜になってしまった。


   全10曲、多くのミュージシャンがよく取り上げる ”SOLITUDE” ” CARAVAN ” ” SOPHISTECATED LADY ”


   ”SATIN DOLL ” ” LOTUS BLOSSOM ”を初め、あまり聴くことのない曲を織り交ぜた構成になっている。


   曲によっては、川嶋哲郎はテナー、、ソプラノ、、フリュートと持ち替え、また岡安芳明、上村信のソロが随所で光る。


  まさしく阿吽の呼吸、アレンジも面白くTMDの演奏は期待を裏切ることがない。


  ライブで聴いたことがないのだけが残念。” IN CONCERT!”をお聴きになられた方が羨ましくてならない。



1・SATIN DOLL・・・2・RAIN CHECK・・・3・CREOLE LOVE CALL・・・4・SOLITUDE・・・5・THE MOOCHE
6・LOTUS BLOSSOM・・・7・THE JEEP・・・8・U・M・M・G・・・9・CARAVAN・・・10・SOPHISTICATED LADY・・・




     川嶋哲郎(ts、ss、fl)
     上村信(b)
     岡安芳明(g)・・・