つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

スカビオサ

2014-07-30 11:46:29 | ジャズ


  別名セイオウベツムシソウ。原種は濃い黒紫色ですが、品種改良されて、6~9月ごろ、さまざまな花色のものが出回ります。

  花屋さんに出回るのは、ヨーロッパ原産の西洋松虫草、コーカシカと呼ばれる大輪のコーサカス松虫草で、

  こちらはコーサカスが原産地。

  主役に花を持たせる名わき役的存在です・・・


  マツムシソウ科

  原産地: ヨーロッパ、小アジア、地中海沿岸

  花言葉: 風情


  今日聴いたジャズ・・・


  JAN LUNDGREN TRIO・・・「PLAYS COLE PORTER LOVE SONG」



  本作は、ヨーロッパを代表するスウェーデンの貴公子、ヤン・ラングレンのリーダー・アルバム。

  黄金のトリオといわれる、デンマークのベースの巨人、イェスパー・ルンゴー、同じくデンマークのベテランドラマー、

  アレックス・リールの三人で綴る、コールポーター集。

  ヤン・ラングレンのマシュマロでの7作目にあたる作品。


  全11曲、馴染み深い曲から、あまり聴く機会のない「WHEN LOVE COMES AROUND」、、「AT LONG LAST LOVE」、、

  「TRUE LOVE」などのような美曲も含まれている。ラングレンは選曲に時間をかけることでも知られるひとで、本作はラングレンの

  とくにお気に入りの曲の数々を採りあげて、彼のコール・ポーターの曲に対する優れた解釈で、より一層その魅力を輝かせている。


  マシュマロ・レコードの上不三雄氏も書いているとうり、11曲中5曲で普段あまり聴くことのないヴァースが演奏されていることは、

  際立った特徴といえる。

  「恋とはなんでしょう」、、「I LOVE YOU」、、「AT LONG LAST LOVE」、、「EASY TO LOVE」、、

  「WHEN LOVE COMES AROUND」がそれで、うっとりするようなメロディを持っている。

  個人的に最も気に入っているのは、「WHEN LOVE COMES AROUND」、コール・ポーター集の中でも滅多に演奏されることがない美曲。

  ”恋とはなんでしょう”での演奏も多くのヴァージョンがある中で、最高の演奏だと思う。

  また、録音されている、コペンハーゲンのサン・スタジオは、デンマークのみならず世界でも最も優れたスタジオの一つで、

  ここで録音された作品はどれも素晴らしいと、オーディオ・ファン、オーディオ・ショップからも大きな注目を浴びているとのこと。



1・I LOVE PARIS・・・2・WHEN LOVE COMES AROUND・・・3・帰ってくれればうれしいわ・・・4・SO IN LOVE・・・
5・AT LONG LAST LOVE・・・6・恋とはなんでしょう・・・7・EVERYTIME WE SAY GOODBYE・・・8・LOVE FOR SALE・・・
9・EASY TO LOVE・・・10・TRUE LOVE・・・11・I LOVE YOU・・・



       JAN LUNDGREN(p)
       JESPER LUNDGAARD(b)
       ALEX RIEL(ds)



      2006年3月、コペンハーゲン サン・スタジオにて録音・・・


ビスカリア

2014-07-28 10:29:18 | ジャズ


  茎がこまかく分かれて、夏、その先端に2~3センチメートルの小さな花が咲きます。

  花色は、藤紫、ピンク、赤、白など。ヨーロッパの農耕地や牧場に、自家増殖して、淡い色の花畑になります。

  麦に似ていることから、「コムギセンノウ」の名前も。

  見た目は弱々しい印象がありますが、雑草のようにたくましく育っていく花です・・・


  ナデシコ科

  原産地: 地中海沿岸

  花言葉: 望みを達成する情熱



  今日聴いたジャズ・・・

 
  KEITH JARRETT & CHARLIE HADEN・・・「LAST DANCE」


  本作は、同じく、キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンの前作「ジャスミン」の続編ともいわれる作品。

  しかしながら、「WHERE CAN I GO WITHOUT YOU」、、「GOODBY」の2曲は「ジャスミン」にも収録されている。

  但し、別テイクとのこと。

  「ジャスミン」は擦れ切れるほど聴いた。そして、本盤の「LAST DANCE」を聴いている最中、偶然にもヘイデンの訃報を知った。

  7月11日、ロサンゼルスで闘病の末、76歳で死去。

  また一人、偉大な巨匠を失ってしまって、とても哀しく残念でならない。

  4、5年前、来日されたときには、お話も出来た。穏やかで物腰のやわらかな方だった。でも、まなざしの中にはきらりと光る、

  情熱があった。

  ピアノとベースのデュオは数々あれど、この二人のダイアローグに勝るものは、今後も出てこないと思う。

  本作では、セロニアス・モンクの「ROUND MIDNIGHT」、バド・パウエルの「DANCE OF THE INFIDELS(異教徒達の踊り」なども、

  興味深く聴いた。

  そして、ラストの2曲・・・「EVERY TIME WE SAY GOODBYE」~ 「GOODBYE」を聴いていると、まるで、ヘイデンが

  別れを告げているように感じてならない。


  ”僕たち二人が一緒に演奏すると、まるで2人の人が歌っているようなんだ”・・キース・ジャレット


  ”キースもよく聴き、僕もよく聴く。それが僕たちのデュオの極意。お互いをよく聴くことが、演奏には大事なんだ”・・

   チャーリー・ヘイデン。


1・MY OLD FLAME・・・2・MY SHIP・・・3・ROUND MIDNIGHT・・・4・異教徒達の踊り・・・5・春の如く・・・
6・EVERYTHING HAPPENS TO ME・・・7・WHERE CAN I GO WITHOUT YOU・・・8・EVERY TIME WE SAY GOODBYE・・・
9・GOODBYE・・・



     2007年3月 キース・ジャレットの自宅にあるスタジオでの録音・・・

グラジオラス

2014-07-27 11:13:42 | ジャズ


  葉がとがっているのがフェンシングの剣に似ているので、ラテン語のグラディウス(小さな剣)が語源に。

  日本には明治時代に渡来し、トウショウブ(唐菖蒲)と名づけられました。

  古代、この花をブーケにしたり、かごに入れて贈り、花の数で恋人にデートの時間を知らせたというロマンティックな

  言い伝えがあります・・・


  アヤメ科

  原産地: ヨーロッパ、南アフリカ

  花言葉: ありきたりでない愛



   今日聴いたジャズ・・・

   
   GRACE MAHYA・・・「THE LOOK OF LOVE」



  本作は、プロデューサー、伊藤八十八氏にスカウトされ、現在も精力的に活動を続けているヴォーカリスト、

  グレース・マーヤのデビュー作。スタンダード・ソングス集。

  前回書いた、「JUST THE TWO OF US」、「CLOSE TO YOU」、はヴォーカルのみに徹していたけれど、今回は、弾き語りの

  作品になっている。

  彼女のアルバムは、スロー、、ミディアム、、アップテンポと様々に表情を変えながら、楽曲も馴染み深いものから、

  あまり知られていないものまで選曲し、最後まで飽きさせない一枚に仕上がっている。

  本作でも、スティーヴィー・ワンダーの「RIBBON IN THE SKY」、「SIXTEEN TONS」などがそれにあたる。

  サポート陣も多く、適材適所というか、彼女の歌唱を更に活かしたバックアップをしていることも素晴らしいと思う。

  語学に堪能で、4か国語を自由にあやつるマーヤらしく発音も正確。

  8曲目の「黒いオルフェ」では、フランス語で歌っている。



1・THE LOOK OF LOVE・・・2・MY FAVORITE THINGS・・・3・THE BOULEVARD OF BROKEN DREAMS・・・4・テネシー・ワルツ・・
5・RIBBON IN THE SKY・・・6・DANNY BOY・・・7・CARAVAN・・・8・LA CHANSON D’ORPHEE・・・9・SIXTEEN TONS・・・
10・MY WAY・・・11・YOU ARE SO BEAUTIFUL・・・



     グレース・マーヤ(vo、p)
     河野啓三(key)
     須藤満(b)
     坂東慧(ds)
     小沼ようすけ(g)
     越田太郎丸(g)
     宮崎陸睦(sax)
     仙道さおり(perc)
     MAMADOU LO(perc)

     プロデュース: 伊藤八十八


    2006年7月 東京にて録音・・・


    ~~~~~ テネシーワルツ ~~~~~



    私は愛する人と
    テネシーワルツを踊っていたいの
    そこで偶然、昔の友達に会い
    恋人を紹介し
    しばらく二人は踊っていた
    そしてその友達は私の恋人を奪い去ってしまった


    あの夜と
    テネシーワルツを忘れない
    失ったものの大切さを思い知らされるの
    そう 私は失恋してしまったの
    美しいテネシーワルツが演奏されていたあの夜に
    美しくも哀しいテネシーワルツを・・・

暑中お見舞い申し上げます

2014-07-25 10:30:56 | ジャズ


  暑い毎日が続いていますが如何お過ごしでしょうか・・

  まだまだ暑さが続きます。ご自愛のほどお過ごしくださいませ。



  今日聴いたジャズ・・・

  STEWY VON WATTENWYL TRIO・・・「COOKIN’ LIVE」



  本作は、伝統的なスタイルにコンテンポラリーな響きも加味したスイスのピアニスト、ステューイ・フォン・ワッテンウィルの

  リーダー・アルバム。

  ダニエル・シュラッピ(b)、ピーター・ホリスベルガー(ds)、三人で綴るトリオ編成。


  全9曲、スタンダード中心ながら、ステューイの手にかかると、まるで違った別のような曲に感じるものが多い。

  オープニングの「TAKE FIVE」で、まず驚く。モーダルなムードを醸し出す導入部。独自のアレンジ、、ピアノトリオで

  こんな”TAKE FIVE”を聴いたのは、初めて。2曲目の「TO WISDOM、THE PRIZE」は知る人ぞ知る、名ピアイスト、

  ラリー・ウイルスの代表曲で、”HEAVY BLUE”の冒頭に入っている(こちらは2管クインテット編成)、ステューイは、

  終始内省的な雰囲気を湛えつつ、耽美的で彼の音楽性の一面を物語っている。

  2、3曲目は雰囲気が、がらりと変わり、ミディアムテンポで軽快に進んでいる。50年代ハード・バップの後継者であることを

  証明している。

  続く、ミシェル・ペトルチアーニ以降、ジャズ・ピアニストが好んで採りあげる、ボサノヴァ・テイストの「ESTATE」、、

  代表曲、”クリフォードの想い出”ほか、数々の名曲を書いている、ベニー・ゴルソンの「STABLEMATES」、

  スタンダードの名曲、バラードの「BODY AND SOUL」、、ボサノヴァにアレンジした「枯葉」、、ラストは同じくスタンダードの

  「星影のステラ」、、どの曲をとっても真摯なアプローチで魅力を捉えたものに仕上がっている。



    ----- ステューイ・フォン・ワッテンウィル・トリオーーーーー


  スイス出身のステューイをメインとするヨーロッパ屈指のピアノトリオ。ケニー・バロンが絶賛し、アート・ファーマーが
  そのリズム隊に起用したことで知られる。絶妙なテクニックとスウィング感!、”アメリカン・バップ・スタンダードはこの
  トリオに引き継がれた。この10年間で最大の発見” と讃えられ、日本でもファンが激増しているヨーロピアン・ピアノ・ジャズに
  新風を起こしつつある。

  粒の立った音が信条のステューイのピアノは、力強いタッチの向こうに垣間見える透徹したセンシティヴなフレージングが、
  ヨーロッパのピアニストらしさを醸し出す。

  ロマンティックなムード・ミュージックの世界へ流れることなく、そこには考え抜かれた構成を持ち配置された音が、聴く者を
  奥深い官能の世界に誘う。馴染みのあるジャズ・スタンダードを取り上げることが多いが、その演奏は独自の解釈の元に、
  まったく新しいナンバーとして聞こえてくる。数多いヨーロッパ・ピアノ・トリオの中でも屈指の音楽性と実力を持ったメイン・
  ストリーマーである。

  1993年デビュー・アルバム「ICARUS FLIGHT」で登場、95年ブランバスでライヴ・アルバム「LIVE AND ELSEWHERE」を発売、
  大きなセールスを獲得した。97年ホーン・セクションを加えた意欲作「TO THE POINT」を発表。
  そして99年、馴染みのあるスタンダードをとりあげた「EVERYTHING I LOVE」をリリース、国内のジャズ・ファンにも
  強い支持を得た。



1・TAKE FIVE・・・2・TO WISDOM THE PRIZE・・・3・MOOSE THE MOOCHE・・・4・FRIED PIES・・・5・ESTATE・・・
6・STABLEMATES・・・7・BODY AND SOUL・・・8・枯葉・・・9・星影のステラ・・・



      STEWY VON WATTENWYL(p)
      DANIEL SCHLAPPI(b)
      PETER HORISBERGER(ds)



      2001年2月8、9、10日録音・・・

時計草

2014-07-22 13:55:08 | ジャズ


  トケイソウ。花びらが時計の文字盤に似ているところから名づけられました。

  なんとも不思議な形をしています。英名をパッションフラワーといい、こちらはラテン語のパッシオ、キリスト受難という

  意味を持ちます。品種は、ほかに鮮やかな赤い花を咲かせるコクシネアや、果実を食用にするクダモノトケイソウなどがあります・・


   トケイソウ科

   原産地: ペルー、ブラジル

   花言葉: 隠しもった情熱



   今日聴いたジャズ・・・

   
   菅野義孝・・・「ムーヴメント」


   本作は、ウェス・モンゴメリー、グラント・グリーンの系譜に連なる正統派、ジャズ・ギタリスト、菅野義孝(かんの よしたか)

   のリーダー・アルバム。

   メンバーには、ウェスが愛したオルガン奏者のメルヴィン・ライン、名ドラマーのグラディ・テイトという伝統を担う、

   大先輩と共に綴る変則トリオ編成。

   
   全10曲、2曲(4、5)は菅野のオリジナル、他は、デューク・エリントンやグラント・グリーン、スタンダードなどで

   構成されている。

   以下は曲の印象について・・・

   ○ メルヴィンの優しくも美しいイントロが印象的。それに導かれるようにギター、ドラムスがメロディを奏でる・・1

   ○ アップテンポでオルガンとドラムスのグルーヴが凄い! エリントンの代表作・・2

   ○ ビリー・ホリデイの歌唱を思い出して、ほろっと来る、ギターが切々と歌っている・・3

   ○ カウント・ベイシーが好きという菅野のオリジナル、ブルースの・・4

   ○ 同じく 菅野のオリジナル、ギターソロ、2分という短い曲ながら、スローテンポで語られる美曲・・5

   ○ メルヴィンも”この曲は好きだ”とつぶやいたという、スローテンポの・・6

   ○ アップテンポ、グラント・グリーンの曲・・7

   ○ グラディ・テイトのブラシワークが素晴らしい、スタンダードの名曲・・8

   ○ 三人が一体となって、スローテンポで楽しい、本作では一番長尺のトラック・・9

   ○ メルヴィンが選曲したというデューク・エリントンの名曲、菅野は ”メルヴィンのあまりの凄さに自然に手が止まって、

     完全にうちのめされたけれど、メルヴィンがフォローしてくれた”と言っている・・10


1・ALL THINGS YOU ARE・・・2・COTTONTAIL・・・3・I’M FOOL TO WANT YOU・・・4・72nd STREET・・・
5・ANYTIME ANYWHERE・・・6・I'VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE・・・7・JEAN DE FLEUR・・・8・STARDUST・・・
9・THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE・・・10・IT DON’T MEAN A THING・・・




        MELVIN RHYNE(B-3 ORGAN)
        菅野義孝(g)
        GRADY TATE(ds)


        2004年11月11、12日 ニューヨークにて録音・・・