つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

六月も終わり

2012-06-30 16:37:17 | ジャズ
 六月に入ったばかりだと思っていたのに
 雨も降らぬまま今日で今年の半分が過ぎてしまった・・・
 晴れたり曇ったりの暑い一日・・・
 せっかくの日曜日あちらこちらと出かけてきた・・

 今聴いているジャズ・・・

 GEORGE GARZON・・・「AMONG FRIENDS」

 キャリア豊富なアメリカ出身の重鎮3人が一堂に会した超豪華なアルバム。
 レコーディング当時、ジョージ・ガーゾン58歳、スティーヴ・キューン70歳
 ポール・モチアン77歳とますます円熟味を増し洗練されたパフォーマンスを聴かせる。
 これらの重鎮3人に加わるベーシストはベーシストを輩出するデンマーク・ジャズ・シーン
 において今最も注目を集める逸材、アンデルス・クリステンセン・・

 1・THEME FOR ERINE・・2・ALONE・・3・TO MY PAPA・・4・BETWEEN TWO CITIES・・
 5・MY ONE AND ONLY LOVE・・6・MILESTONE・・7・FAREWELL・・8・FREE

 フレッド・レーシーのバラード1・・ガイ・ウッドとロバート・メリンの共作によるラヴソングの
 定番5・・開放感あふれるマイルスの6・・これに加えてガーゾンのオリジナル2、3、4、7、8
 で構成されている。
 サックスとピアノによるインプロヴィゼーションを随所に織り交ぜたメロディの応酬が聴きどころ
 でもある。
 心地よいミディアムテンポの曲を中心に収録し、しっとりと歌いあげている。
 キューンの流麗でロマンティックなメロディを聴かせるところがまた何とも言えない。
 本作はキューンの参加で上質な一枚に仕上がっているといっても過言ではないと思う・・

 またガーゾンはステキな曲を書く人だとしみじみ思う一枚

 GEORGE GARZON(ts、ss)

 STEVE KUHN(p)
 ANDERS CHRISTENSEN(b)
 PAUL MOTIAN(ds)

 2008年9月24日録音

 
  

空梅雨

2012-06-29 16:17:13 | ジャズ

 青空の広がる快晴の一日・・・
 空梅雨が続くのは、北の高気圧が本州の上に
 がんばっているためだろう。

 ネジバナ(別名モジズリ)が一本、木陰で咲いていた。
 ねじれた穂にたくさんの小さな花がついて
 白地に淡い紅紫色をにじませた花々が恥じらうように咲いていた・・

 今日聴いたジャズ・・・TERJE GEWELT WITH CHRISTIAN JACOB・・「HOPE」


 (テリエ・ゲヴェルトと本作については5月26日に少し触れて書いています)

 テリエ・ゲヴェルト(ベース)とクリチャン・ジェイコブ(ピアノ)のデュオ作品。
 2人の奇跡の3部作といわれる中の一枚。。
 
 1・MOON AND SAND・・2・AUTUMN LEAVES・・3・SMALL COUNTRY・・4・THE WATER IS 
 WIDE・・5・BYE BYE BLACKBIRD・・6・LYDIA’S CRUSH・・7・HOPE・・
 8・CHEROKEE・・9・BODY AND SOUL

 奇跡の・・といわれるように2人の綴る曲はあまりにも美しく感動的。。
 成熟した二人の演奏スタイルと音楽への真摯なまでの取り組みを表出した傑作といえるだろう。
 馴染み深いスタンダードが多いがこれらも一味違った仕上がりになっている。
 また本作はテリエ・ゲヴェルトはもとより、クリスチャン・ジェイコブを語る上で忘れてはならない
 作品でありピアニストとしての力量を十二分に発揮した秀作でもある。

 クリスチャン・ジェイコブ:

 1958年5月8日、フランスのロレーヌ生まれ。4歳からピアノを始め2年後の6歳でメッツ音楽院
 に入学(特待生だったという)してしまうという神童ぶりだった。またジャズには10歳で目覚めたというから
 なかなかの早熟ぶりである。
 ”絶対音感”の持ち主でありメッツ音楽院もこれゆえに入学が許可されている。そして12歳にしてなんと
 パリのコンセルバトワールに入学してしまう。これらの少年期の逸話からも分かるようにクラシックへの
 憧憬と揺るぎないピアノテクニッニクの基礎は生まれ故郷のフランスで形作られたと言っていいだろう。

 なおクリスチャンの最初のアイドルはデイヴ・ブルーベックとオスカー・ピーターソンだったという。
 10代前半で地元のミュージシャンが作ったビックバンド「ジャズ・スインガーズ」に参加しジャズのコード・
 チェンジなどジャズ・イディオムを習得。80年代初頭にボストンにあるバークリー音楽院へ入学する。
 ヴァイヴのゲイリー・バートンなどに師事し在学中に「ジョー・ザビヌル・ジャズ・マスターズ賞」
 「オスカー・ピーターソン・ジャズマスターズ賞」を立て続けに受賞。ダウンビート誌の学生ジャズ・ソロイスト
 賞なども取得しバークレーでの教職の道に進んだ。

 80年代後半にボストンを離れ、後に彼の義父にもなるトランペッター、メイナード・ファーガソンのバンドに
 参加しピアニスト兼アレンジャーという大役を任される。

 その後、西海岸で数多くのビックバンド(ファーガソン筆頭にビル・ホルマンのオーケストラ、トランペッター
 のカール・サーンダースやゲイリー・アーウィンらのオーケストラなど)でピアニスト兼アレンジャーとして
 活躍していることは彼の”今”を知るために忘れてはならないことだろう。

 特筆すべきはtelecレーベルの歌姫、ティアニー・サットンの伴奏ピアニスト兼アレンジャーというポジションを
 務めいること(すでに10年に及ぶ)

 現在はLAを中心に活動している注目のピアニストである・・

曇り空

2012-06-28 16:30:37 | ジャズ

 今にも泣き出しそうなお天気なのに
 なかなか雨が降らない・・・
 豪雨で被害が出ている地方にお住まいのかた
 お見舞い申し上げます。。

 今日聴いたジャズ・・・

 フランク・モーガン・・「YOU MUST BELIEVE IN SPRING」
 (フランク・モーガンと5人のピアニストたち)


 5人のピアニストたちがそれぞれソロを披露した後、フランク・モーガンとデュオを行う
 という趣向になっています。
 本作はクリフォード・ジョーダンとミシェル・ルグランに捧げられたアルバム。
 優しく語りかけるような円熟の節回しと豊かな音色にジャズへの尽きることのない情熱
 と愛情を感じさせる一枚。
 全曲穏やかで弾んで演奏される曲は一曲もなくこころが休まるアルバム。

 1・BUT BEAUTIFUL・・2・YOU’VE CHANGED・・3・WITH MALICE TOWARDS NONE・・
 4・SOMETHING BORROWED、SOMETHING BLUE・・5・I SHOULD CARE・・6・EMBRACEABLE YOU・・
 7・WHILE THE GETTIN’S GOOD BLUES・・8・MY HEART STOOD STILL・・9・ENIGMA・・
 10・I COVER THE WATERFRONT・・11・YOU MUST BELIEVE IN SPRING・・
 12・COME SUNDAY

 表題曲はハンク・ジョーンズとのデュオです・・

 フランク・モーガン(as)

 ピアニスト:

 ケニー・バロン
 トミー・フラナガン
 ローランド・ハナ
 バリー・ハリス
 ハンク・ジョーンズ

 フランク・モーガン:

 1933年ミネアポリス生まれ。米ジャズ・アルトサックス奏者。
 ハードバップ誕生と共に50年代初めにジャズシーンに登場。
 55年にファーストアルバムをレコーディング。しかしヘロイン中毒となりその後30年ほど空白があり
 その30年間は謎みたいである(獄中で過ごしたという説もある)
 80年代には奇跡的に復帰し良いアルバムを出している。
 本作もそのうちの一枚。足腰が弱り椅子に座っての演奏みたいだが音色も年齢を感じさせることなく
 アート・ペッパーやソニー・クリスに似たスタイルでテクニックも抜群・・歌ごころ溢れる素晴らしい
 アルトである。

 ミネソタ州ミネアポリスで大腸癌の為、73歳で亡くなった・・



 

 

本日も晴天

2012-06-27 16:15:28 | ジャズ

 予報どうり今日も快晴・・・
 明日からお天気、下り坂みたいだけど
 どうなることやら・・

 今聴いているジャズ・・・

 IVAN PADUART 3 + RICK MARGITZA・・・「STILL」


 イヴァン・パドュア・トリオにリック・マギッツアが加わったワン・ホーン・カルテット作品。
 トリオが隠れたりテナーが目立ったりせず4人が実力の限りぶつかり合いながら曲中でさらなる
 高みを目指していく壮大な演奏・・心の琴線に触れる美旋律、響きわたる素晴らしい演奏に
 感動・・感涙。。
 イヴァン・パドゥアの透明感あふれる繊細なフレーズ・・また力強いタッチのピアノもさすがと
 いうより他に言葉が見つからない。それにしてもこんなハイレベルのインタープレイの只中にいて
 エモーショナルなフレーズを聴かせるリック・マギッツアのサックスにただただ拍手を送りたい!

 1・DISCONNECTED・・2・STILL・・3・RECENT DEVELOPMENT・・4・FIRST RAYS・・
 5・NOT FOR SALE・・7・SONG OF HOPE・・8・A LAST DRINK AT THE CLUB

 1、4、5、8はイヴァンのオリジナル・・2、3、7はマギッツアのオリジナル。

 IVAN PADUART(p)
 STEFAN LIEVESTRO(b)
 MIMI VERDERAME(ds)

 RICK MARGITZA(sax)

 ※イヴァン・パドゥアはベルギーの新鋭ピアニスト。フレッド・ハーシュを敬愛していて本作のライナーは
 ハーシュが書いている。またハーシュの曲ばかりを演奏したアルバム、”CLAIR OBSCUR”もいい。。

 リック・マギッツアはマイルス・バンドに抜擢された経歴があり彼の特性は何と言ってもユニークな
 フレージングにある。従来の若手テナーにないダイナリズムと繊細さが特徴ともいえる・・

晴天

2012-06-26 16:15:40 | ジャズ

 暑くもなく涼しすぎることもなく
 すっきりとした青空の一日・・・
 雨も降らず六月も終わりに近づいている・・

 今日聴いたジャズ・・・

 アラン・ブロードベント・トリオ・・・「PACIFIC STANDARD TIME」

 気心の知れた3人によるスタンダード集。。
 
 1・SUMMER NIGHT・・2・THIS ONE’S FOR BUD・・3・EASY LIVING・・4・EASY TO LOVE・・
 5・I SHOULD CARE・・6・DJANGO・・7・BEAUTIFUL LOVE・・8・IN LOVE IN VAIN・・
 9・SOMEDAY MY PRINCE WILL COME・・10・I’VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE・・
 11・REETS&I
 
 2だけがアラン・ブロードベントの曲。。

 ALAN BROADBENT(p)
 PUTTER SMITH(b)
 FRANK GIBSON Jr(ds)1995年1月23&24日録音

 アラン・ブロードベント:

 1947年ニュージーランド生まれ。
 ピアニスト、アレンジャー、コンポーザー。1966年、バークリー音楽大学在学中の1967年から
 2年間レニー・トリスターノに師事。1969年からウッディー・ハーマン楽団に在籍。
 1972年ダウンビート誌国際批評家投票で新人賞受賞。代表作にアイリーン・クラークとのデュオ、
 「WHERE IS LOVE?」(1974年)、リーダー・トリオ作品「SONG OF HOME」(1985年)、
 リーダー・トリオ作品「ANOTHER TIME」(1987年)などがある。

 近年、ユニバーサル・ミュージックでの音楽監督、プロデューサー業でも実績を重ね、ナタリーコール
 作品などにおいて、アレンジャーとして2度のグラミー賞。優れた編曲能力と幅広い音楽性によって
 現代の優れたアレンジャーの仲間入りを果たしている。
 1987年以降、チャーリー・ヘイデンのカルテット・ウエストに参加。

 共演歴:ダイアナ・クラール、ナタリー・コール、チェット・ベイカー、アイリーン・クラール、
 チャーリー・ヘイデン、ダイアン・シュア、ウッディー・ハーマンなど・・・