つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

くじゃくアスター

2013-09-29 13:04:46 | ジャズ


  高さ1メートル前後の多年草で、白や、淡紫色、ピンクなど清楚な花を咲かせます。離れてみるとちょうどクジャクが羽を広げた

  ような姿なのが、くじゃくアスターという名の由来。

  ひとつひとつの花は、花びらが細かく上品で細やかな雰囲気です。英名ミカエルマス・デージーのミカエルマスとは、9月29日の

  大天使ミカエルの祝日のこと。このミカエルマス前後に咲く花だというのが欧米での通説です・・・


  英名:MICHAELMAS DAISY
  別名:くじゃくそう


  花言葉: 可憐


  今日聴いたジャズ・・・


  THE ATRO ”WADE”MIKKOLA QUARTET・・・「ON THE WAY」
  (featuring ERIC ALEXANDER、JOE FARNSWORTH & PETER MIHELICH)



  本作は、フィンランド生まれのベーシスト、アトロ・ウェイド・ミッコラのリーダー・アルバム。

  1996年に大ヒットしNORMAより、「幻の廃盤/レア盤掘り起しコレクション」としてもリリースされた、ハードバップ快作の

  再発盤。ピーター・ミヘリッチ(p)、ジョー・ファーンズワース(ds)、エリック・アレキサンダー(ts)を従えたカルテット編成。

  エリック・アレキサンダーを大フィーチャーしつつ、ピアノのピーター・ミヘリッチが絶妙に絡み好演している。

  彼は、ダスコ・ゴイコヴィッチや日本人では大坂昌彦、原朋直、また最近では、個人的に大ヒットのスーザン・トボックマン(vo)

  ”WATER COLOR DREAM”でも好サポートを聴かせてくれる。

  ジョー・ファーンズワースは、この時、全くの無名だったらしい。でも本作では既に名ドラマーとしてアルバムを盛り上げている。


  全12曲、3曲(3、4、8)のスタンダードを除いて、アトロのオリジナルなのかどうか分からない。


  タイトルチューンの「ON THE WAY」は穏やかな曲で、続く「IN A SENTIMENTAL MOOD」では、リーダーのベースがメロディーを

  奏でて、そこにピアノがさりげなく絡むという、二人のデュオによるステキな曲が聴ける。


  バップ好きの方にも、そうでない方にも楽しめる一枚に仕上がっている。


1・FOURLIKE・・・2・IN A HEARTBREAK・・・3・COME RAIN OR COME SHINE・・・4・HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON?・
5・PSYCHE!・・・6・WHICH WAY?・・・7・ON THE WAY・・・8・IN A SENTIMENTAL MOOD・・・9・SEABOURN・・・
10・SATURN・・・11・VIEVE・・・12・RELIEF BY LATEEF・・・・・




    ERIC ALECANDER(ts)
    PETER MIHELICH(p)
    ATRO ”WADE”MIKKOLA(b)
    JOE FANSWORTH(ds)



    1995年10月2日 NYにて録音・・・・・


クジャクアスター









  

  


  



ふうせんかづら(風船葛)

2013-09-27 16:44:05 | ジャズ


 つる性の一年草。夏に白く栗粒のように小さい花を咲かせますが、鑑賞的価値は高くありません。

 この植物で魅力的なのは、花後につくかわいらしい果実のほう。直径2~3センチメートルで淡緑色のふうせんのような実が、つるの

 あちこちで風に揺れるさまは、童話の一場面のようです。

 果実のなかには、黒地に白いハート模様がついた種があり、英名の『ハートの豆』とは、この模様からつけられました・・・・



  ムクロジ科

  英名:HEART PEA


  花言葉: あなたとともに


  今日聴いたジャズ・・・


  MANUEL ROCHEMAN TRIO・・・「THE TOUCH OF YOUR LIPS」
  (tribute to BILL EVANS)




  本作は、フランスの名ピアニスト、マニュエル・ロシュマンのリーダー・アルバム、ビル・エヴァンス・トリビュート作品。
  
  MATHIAS ALLAMANE(b)、MATTHIEU CHAZARENC(ds)を従えたトリオ編成。


  全10曲中、ロシュマンのオリジナル4曲(4、5、7、9)、エヴァンスの曲(2、6)、ジョニー・マンデルの1、スティーヴン・

  ソンドハイムの2、レイ・ノーブルの8(タイトルチューン)、フリッツ・クライスラーの10で構成されている。


  オリジナルの4、9辺りは軽快にややミディアムテンポで演奏されているけれど、全体的には美旋律が続く。

  エヴァンスの曲では、あまり馴染みがない、「ONLY CHILD」、またラストにはクラシック畑のフリッツ・クライスラーの曲、

  「LIEBESLEID」を採りあげているところなど、基本にクラシックの要素を持っていたエヴァンスへのトリビュート作品としても、

  ロシュマンならではのセンスが光る。

  収録時間が45分ほどと、やや短いのが残念。あと2、3曲、エヴァンスの愛奏曲を入れて欲しかった・・と思うのは贅沢だろうか。


  ※ マニュエル・ロシュマンは80年NYに進出、トミー・フラナガンやジャッキー・バイアードと出会い、80年代にはパリの

    ジャズクラブで名を馳せ、90年代に入ってからは、地元フランスのNOCTURNE他、オランダのAーRECORDやCOLUMBIA/SONY

    といったメジャーからも次々に作品をリリース。日本でもピアノトリオ・ファンに知られる存在になった。


1・M・A・S・H・・・2・SEND IN THE CLOWNS・・・3・WE WILL MEET AGAIN・・・4・DANIEL’S WALTZ・・・5・FOR SANDRA・・
6・ONLY CHILD・・・7・RHYTHM CHANGES・・・8・THE TOUCH OF YOUR LIPS・・・9・LA VALSE DES CHIPIRONS・・・
10・LIEBESLEID・・・



   MANUEL ROCHEMAN(p)
   MATHIAS ALLAMANE(b)
   MATTHIEU CHAZARENC(ds)



    2009年9月29&30日録音・・・

  

はぎ(萩)

2013-09-25 14:13:04 | ジャズ


  低木で、のびやかな枝と優雅な花は格別。『万葉集』で歌われている草花のなかでは、はぎの歌が141首とトップ。

  日本人にはなじみの深い花のひとつです。

  清少納言は枕草子の六十七段で「萩いと色深う、枝たをやかに咲きたるが、朝露にぬれてなよなよと広ごり伏したる」と、この花の

  魅力をあますとこなくつづりました。鑑賞するだけでなく、花後の枝はほうきの材料などに利用されます・・・・・


  マメ科

  英名:BUSH CLOVER
  別名:しかなきぐさ


  花言葉: 思案


  今日聴いたジャズ・・・


  寺久保エレナ・・・「NORTH BIRD」



  本作は、1992年、札幌生まれの女性アルト・サックス奏者、寺久保エレナの初リーダー作。

  ※9歳よりサックスを始めて、10歳でチャーリーバードを聴いてジャズに目覚める。2005年にボストン・バークリー・アワードを

  受賞。これまでに、数々の巨匠との共演をほこる。その才能は、渡辺貞夫、山下洋輔、日野皓正からも賞賛されている。


  サポート陣に、ケニー・バロン(p)、クリスチャン・マクブライド(b)、ピーター・バーンスタイン(g)、リー・ピアソン(ds)

  という名ミュージシャンを従えてのクインテット作品。


  当時、現役女子高生とは思えないほどの、熱いブローを聴かせる。速いパッセージの曲が多い中にも「BLACK NARCISSUS」

  「MY FOOLISH HEART」のような、スローテンポに展開される曲も、エモーショナルに巧く吹いている。

  初リーダー作にして、このメンバーと共演できるとは非常に恵まれた人だと思う。

  とくに、ケニー・バロンの存在を大いに評価したい。

  まだまだ若い、寺久保エレナを期待し将来を楽しみにしている。


1・YES OR NO・・・2・BLACK NAECISSUS・・・3・STABLEMATES・・・4・MY FOOLISH HEART・・・5・NORTH BIRD・・・
6・IT’S YOU OR NO ONE・・・7・いつか王子様が・・・8・TIM TAM TIME・・・9・LIKE THE SUNLIGHT・・・10・TAKE THE
  ”A”TRAIN・・・・・



   寺久保エレナ(as)
   ケニー・バロン(p)
   クリスチャン・マクブライド(b)
   ピーター・バーンスタイン(g)
   リー・ピアソン(ds)


    2010年3月録音・・・

 

リコリス

2013-09-22 12:31:18 | ジャズ


  東アジア原産の球根植物で、ひがんばなに似たろうと形の花を咲かせる。花色はピンクや紅紫色などが多く、代表的な品種ニコリス・

  スプレンゲリーは、ピンク色の花びらの先端がほんのり青色に染まった幻想的な色彩づかい。

  花弁の先が6つに分かれてしなやかに反りかえり、同様におしべもきれいなカールを描いて上に反っているため、動的で、気取った

  雰囲気を持つ花・・・・・


  ヒガンバナ科


  英名:SPIDER LILY
  別名:しょうきずいせん

  
  花言葉:悲しい思い出


  今日聴いたジャズ・・・


  MIGUEL ANGEL CHASTANG・・・「FROM HARLEM TO MADRID vol、1」



  本作は、スペインのベーシスト、MIGUEL ANGEL CHASTANGのリーダー・アルバム。

  ピアノにLARRY WILLIS、ドラムスにJUANMA BARROSO、2曲(4、8)にARIEL BRINGUEZ(ts)をゲストに迎えた作品。

  全9曲中、LARRY WILLISが3曲(2、6、9)、CHASTANGも3曲(4、7、8)提供しており、他の3曲は馴染み深いスタンダードで

  構成されている。


  ピアノトリオを中心とした躍動感、疾走感を感じさせる好内容盤。安定感のあるベースワークとほどよく現代性を感じさせるピアノが

  魅力的。

  ピアニストのラリー・ウィルスは知る人ぞ知る人。カーラ・ブレイでもピアノを務めていて、リーダー作にも良いものが多数ある。

  本作でも、作曲家としての才能を垣間見るような、すばらしい曲々を聴ける。


  また、同じく、リーダーのCHASTANGも実に良い曲を書く人で、ベーシストとしてだけでなく、作曲家としても大いに評価される、

  ミュージシャンだと思う。

 また、 馴染み深い 『ALONE TOGETHER』『BLUE IN GREEN』『NARDIS』を採りあげていることも嬉しいし、三人によるこれらの曲が

 月並みに終わらず、”こんな、解釈で聴きたかったなぁ~ ”と思うほど、聴きごたえのあるものに仕上がっている。


  ゲストで参加している、アリエル・ブリンゲス(ts)はスペインを拠点とするキューバ若手サキソフォニストで、アルバムに華を添えて、

  ステキなテナーを聴かせてくれる。


1・ALONE TOGETHER・・・2・TO WISDOM THE PRINCE・・・3・BLUE IN GREEN・・・4・ENTRE TU Y YO・・・5・NARDIS・・・
6・SANTUARY・・・7・TOYA’S・・・8・JEAN LUC’S MOOD・・・9・HEAVY BLUES・・・・・



    MIGUEL ANGEL CHASTANG(b)
    LARRY WILLIS(p)
    JUANMA BARROSO(ds)

    ARIEL BRINGUEZ(ts)


    2008年9月10、11日録音・・・・・



おじぎそう(御辞儀草)

2013-09-19 13:33:12 | ジャズ


  羽毛のような繊細な葉にそっとふれると、葉をつぼめることからおじぎそう、あるいは、別名のねむり草の名で呼ばれている。

  欧米ではミモザという名のほか、LIVE AND DIEという愛称もよく使われるとか。

  おじぎそうと同じ、葉の開閉を意味した命名。花はピンクのふんわりした球状。甘くやさしい形状が、ロマンティックな雰囲気を

  つくりだしている・・・


  マメ科

  英名:MIMOSA
  別名:ねむりぐさ

  花言葉:敏感


  今日聴いたジャズ・・・


  DON SEBESKY・・・「I REMEMBER BILL」
  (a tribute to BILL EVANS)



  本作は、作曲家、アレンジャーのドン・セベスキーが98年に発表した、ドン・セベスキー名義の作品。

  ビル・エヴァンス・トリビュート作ということで、多分、日本で企画された作品ではないかと思う。アルバム全篇にわたりピアノは

  使用されておらず、これはビル・エヴァンスに敬意を表しての配慮ではないだろうか。


  一枚を通して聴くと、マーク・ジョンソン、ジョー・ラバーベラ、マーティ・モレル、エディ・ゴメスというエヴァンスゆかりの

  リズム隊 + ビッグバンドが主体で演奏されている。

  木管楽器を多くフィーチャーし、独特の色彩を持ったビッグバンドのサウンドとソリストとして、ラリー・コリエル、デイヴ・サミュエル

  ス、ニューヨーク・ヴォイセズ、リー・コニッツ、ジョン・ピザレリといった多彩なミュージシャンを”適材適所”に割り振った

  あたりもドン・セベスキーの腕の見せ所となっている。


  メンバーは他に、ジョー・ロヴァーノ、トム・ハレル、トゥーツ・シールマンス、ジャーニー・ブライソン、ハーバート・ローウズ、

  と実に多くの魅力あるアーティストが参加している。

  また、『VERY EARLY』『BLUE IN GREEN』では、ヴォーカルを聴かせるなど、ドン・セベスキーの力量がいろいろなところで

  発揮されている。ラストには、ビル・エヴァンスのインタビュー(5:53)で締めくくられていて、エヴァンスの声を聴けるのも、

  特筆すべき点ではないだろうか。収録時間は80分ほど、長尺の一枚に仕上がっている。


1・WALTZ FOR DEBBY・・・2・I REMEMBER BILL・・・3・SO WHAT・・・4・QUIET NOW・・・5・ALL THE THINGS YOU ARE・・・
6・PEACE PIECE・・・7・BILL、NOT GIL・・・8・VERY EARLY・・・9・T、T、T、T、(TWELVE TONE TUNE TWO)・・・
11・BLUE IN GREEN・・・12・I’M GETTING SENTIMENTAL OVER YOU・・・13・EPILOGUE・・・14・BILL EVANS INTERVIEW・・




   ”・・・・・I WASN’T STRIVING TO BE AN INDENTIFIABLE STYLIST-

         I WAS REALLY ONLY STRIVING TO MAKE MUSIC AND TO PUT IT TOGETHER

         IN SOME WAY OF MY OWN”---BILL EVANS



     1997年6月4&9日 NYにて録音・・・