夏の間、太陽の光を吸い、めざましい働きを続けてきた落葉樹の葉は、秋風に散って土をおおう。
土をおおう落ち葉は、土壌内の生物との合作で肥料になり、その肥料はまた根から吸収される。
自然界の循環作用である。
当地では、土の上に散った落ち葉もすぐ、かき集められ、捨てられる。木の葉という栄養分の補給がないから土壌内の微生物も死に絶える。
都会の土は死んだ土になりつつある、という話をきいたことがある。
アナトール・フランスの短文『落葉』は、子供たちがヤギやウシの寝床にするため、林の落ち葉を拾いにいく。
ただそれだけのことを描いた小品だが、いいにおいを放つブナやアカシデの落ち葉と子供たちとの交流がさわやかに伝わってくる。
現代は、人間と落ち葉との間にあった、あたたかいふれあいが消えつつある時代である。
「いくとせの/このはちりつむ/にはかげの/つちのごとくに/われおいにけむ」と会津八一は歌った。
木の葉には命がこもっている・・・
今日聴いたジャズ・・・
THE NEW SOUND QUARTET・・・「SUMMERTIME」
(featuring JOE LOCKE AND GEOFFREY KEEZER)
ザ・ニュー・サウンド・カルテットは、ジョー・ロック(vibes and marimba)、ジェフリー・キーザー(p)、ロバート・ハースト(b)、ビリー・キルソン(ds)というメンバーで構成されている。本作は、ゲストにtp&flhのエディ・ヘンダーソンを迎えての作品。
玉をころがすように美しい、ジョー・ロックのヴィブラフォーンの響き。これに呼応するかのように、優雅なピアノ・タッチを聴かせる
ジェフリー・キーザー。さらにベースとドラムスが加わって、ときにはリリカルに、またある時にはスリリングに、ジャズならではの
魅力あふれるインタープレイが繰り広げられてゆく。
そんな ”ザ・ニュー・サウンド・カルテット”のアルバム、「サマータイム」。
1・アランフェス協奏曲・・2・キャプテン・ジョン・・3・スノーフォール・イン・セントラルパーク・・4・サマータイム・・
5・ブレイブ・イット・オン・マイ・ユース・・6・ラウンド・ミッドナイト・・7・ポート・アレキサンダー・ムーン・・
8・ラスト・ディッチ・ウィズダム・・9・美貌の青空・・・
ロックとキーザーとの絡みが絶妙で美しく、しみじみと聴かせる・・1
アップテンポに展開していく、各々のプレイが炸裂している・・2
ゆったりとした曲調で、フリューゲルホーンが味わい深い・・3
アップテンポに演奏される・・4
スローテンポで、ヴァイブ、ピアノが優しい音色を聴かせ、ベース、ドラムスが控え目なサポートをしている・・5
ヴァイブがメロディを奏で、ピアノ、ベース、ドラムスが静かに絡んでいる・・6
ベースソロも聴きどころ、またヘンダーソソンがミュート・トランペットで幻想的な美しいソロを取っている・・7
アグレッシヴに展開していて、各々が実力を存分に発揮している・・8
坂本龍一氏が好きだというキーザーのピアノソロによる、坂本氏の作品・・9
JOE LOCKE(vibs&marimba)
GEOFFREY KEEZER(p)
ROBERT HURST(b)
BILLY KILSON(ds)
special guest:
EDDIE HENDERSON(flh&tp)
2005年3月6日、ニューヨークにて録音・・・