つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

かきつばた

2013-04-29 16:01:55 | ジャズ


  漢字で「杜若」あるいは「燕子花」と書く。浅い水中に生息する花で、濃紫色、青紫色などの花びらに、ひと筆さっと筋を描いた
  模様がさわやか。

  室町時代のなぞなぞで「かたえ枯るる林は土のあるばかり 若緑そう緑だになし」というものがある。

  林という字の片方が枯れてしまえば「木」、これに「土」があると「杜」の字。つぎに若緑の緑がないので「若、」つまり

  「杜」と「若」で答えが「かきつばた」というもの。この花らしい典雅はなぞなぞです・・・


   アヤメ科

   英名:RABBIT EAR IRIS
   別名:ふでばな

   花言葉:幸福はきっとあなたのもの


   今日聴いたジャズ・・・

   TIERNEY SUTTON・・・「DANCING IN THE DARK」

   本作は、女性ヴォーカリスト、ティアニー・サットンのリーダー・アルバム。

   フランク・シナトラのレパートリーを手がけた作品。

   サポート陣は、お馴染み、クリスチャン・ジェイコブ(p)、トレイ・ヘンリー(b)、レイ・ブリンカー(ds)
   三人が務めている。5曲(1、4、5、7、12)にはオーケストラが入っているものの、きわめて控え目で、
   ベース、ドラムスも、彼女の歌唱を引き立てるかのごとく、控え目なサポートに徹している。

   クリスチャン・ジェイコブもさすがに長年、彼女の歌伴をしているだけあって、あ、うん の呼吸ともいうべき、息の合った、
   ピアノを披露している。
   全12曲、どの曲もしっとりと歌っていて、シナトラの歌唱と比べてみると興味深いものがある。

   一曲一曲が、”え~っ シナトラにこの曲があったかな?”と思う。ティアニー・サットンの個性がよく出ている。
   傾向としては、前回書いた 「BLUE IN GREEN」に通じるものがある。こちらはラストの一曲を除けば完璧だったのに。。

   因みに「WHERE OR WHEN」「DANCING IN THE DARK」はダイアナ・クラールも好んで歌っていて、彼女の歌も愛聴している。
   二人とも、聴いていて、疲れない、耳障りにならない点でも共通するところがあるかも知れない。


1・WHAT’LL I DO・・・2・ONLY THE LONELY・・・3・I’LL BE AROUND・・・4・ALL THE WAY・・・5・I THINK OF YOU・・
6・WHERE OR WHEN・・・7・WITHOUT A SONG・・・8・I COULD HAVE TOLD YOU・・・9・EMILY・・・10・LAST NIGHT 
  WHEN WE WERE YOUNG・・・11・FLY ME TO THE MOON・・・12・LAST DANCE / DANCING IN THE DARK・・・



    CHRISTIAN JACOB(p)
    TREY HENRY(b)
    RAY BRINKER(ds)

    with

    ORCHESTRA CONDUCTED BY CHRISTIAN JACOB


     2003年6月8、9、10日録音・・・
   

矢車草

2013-04-27 14:53:22 | ジャズ


  エジプトでツタンカーメンの棺が発掘されたとき、埋葬品といっしょに発見された花がこのやぐるまそうだった。
  それほど古代から愛されてきた花。

  英名コーンフラワーのコーンとは、麦のこと。麦畑でよく見かける花だから・・・

  ドイツでは国家であるため、「カイゼルの花」と呼ばれ、独身者がえり元につける習慣があったので「独身者のボタン」という
  しゃれた名前もあった・・・


  英名:CORNFLOWER
  別名:やぐるまぎく、コーンフラワー

  キク科

  花言葉:繊細


  今日聴いたジャズ・・・

  JAN LUNDGREN TRIO・・・「CHARADE」

  本作は、スウェーデンの貴公子、ジャズ・ピアニスト、ヤン・ラングレンのリーダー・アルバム。

  ベースにイェスパー・ルンゴー、ドラムスにアレックス・リール、お馴染み黄金トリオによる作品。スタンダード集。

  全10曲、香り高い北欧ジャズならではのメロディ・センスを感じるアルバムに仕上がっている。
  ヤン・ラングレンは選曲に時間をかけて珍しい曲を採りあげることでもよく知られているけれど、本盤でも、
  ”カクテル・フォー・トゥー” ”ヴァーモンドの月”などをピアノトリオで聴けるのは滅多にない。

  アルバムは、なごやかな雰囲気の中で、各々がリラックスして楽しんでプレイしている様子が伝わってくる。
  さすがに、気心の知れた三人ならではだろう。

  全体的に、スピード感のある曲が多い中、”NATURE BOY” ”ヴァーモンドの月””アイ・ディ・ドゥント・ノウ・ホワット・タイム・
  イット・ワズ””木の葉の子守唄”はスローテンポで展開されている。それでも、力強く演奏されていて、ピアノ・ベース・ドラムスと
  それぞれの名プレイを堪能できる聴きごたえのある曲になっている。

  マシュマロに作品を残した、デューク・ジョーダンがお気に入りだった曲を意識して摂り上げた趣も感じられる。
  ”ハッシャ・バイ”は、ジョニー・グリフィンとの共演が多いラングレンの選曲らしいと思う。
  因みに、グリフィンのリーダー作 ”ケリー・ダンサーズ ”でのこの曲は、最高の演奏だと思っている。

  タイトル・チューンの「シャレード」は、躍動感あふれる演奏で、ここでも、ベースソロが聴ける。同じく、ピアノトリオでの
  ”シャレード”といえば、マンハッタン・トリニティ(サイラス・チェスナット(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ルイス・ナッシュ
  (ds))での演奏も気に入っている。全然違った良さがあるので、聴き比べてみるのも楽しい。


1・カクテル・フォー・トゥー・・・2・シャレード・・・3・ネイチャー・ボーイ・・・4・アイム・イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ・・
5・ハッシャ・バイ・・・6・ヴァーモンドの月・・・7・青空(BLUE SKIES)・・・8・I DID’NT KNOW WHAT TIME IT WAS・・・
9・SECRET LOVE・・・10・木の葉の子守唄・・・



   JAN LUNDGREN(p)
   JESPER LUNDGAARD(b)
   ALEX RIEL(ds)


   2002年1月 デンマークにて録音・・・






2013-04-24 16:23:52 | ジャズ

 
 霾と書いて「つちふる」。「ばい」ともいい、強風で巻き上げられた土砂が天から降ってくることをいう。

 中国の「黄砂」が日本まで飛んできて空を曇らせることもしばしば。晩年の夏目漱石は「自然」という言葉の代わりに、

 自然の主宰者で大自然の道理である「天」の文字を用いていた。

 天地山川草木の意味である自然を「天」とすることで、人為ではないことを表現したかったのだろうか?

 きまぐれな表情もまた自然の姿である・・・



  今日聴いたジャズ・・・


  木住野 佳子・・・「FAIRY TALE」

  本作は、1960年10月15日生まれ、ジャズ・ピアニスト、木住野佳子のデビュー・アルバム。

  彼女は、1995年、名門レーベル、GRPインターナショナルより日本人初で、唯一のアーティストとしてワールド・ワイドに
  衝撃的なデビューを飾り、2009年までに、クラシックアルバムを含む14枚のアルバムをリリースしている。

  全11曲中、2、9、10、11は彼女のオリジナル、他は、ヴィクター・ヤング、イヴァン・リンス、ビル・エヴァンス、
  スタイリスティックの曲などを採りあげて収録している。

  2つのリズムセクションを使い分け、マイケル・ブレッカーが3曲に参加、何と言っても、サポート陣の豪華な顔ぶれと、
  奥深いプレイは感動的。

  メンバーは・・・


  {トリオA}

  エディ・ゴメス(b)
  ルイス・ナッシュ(ds)

  1、4、5、9

  {トリオB}

  マーク・ジョンソン(b)
  ピーター・アースキン(ds)

  2、3、6、7、8、10

 ゲスト:マイケル・ブレッカー(ts)

  2、6、10

 ○エディ・ゴメスがスリリングにからんでいる、#1「BEAUTIFUL LOVE」スピード感のある演奏になっている。

 ○”おとぎ話”という意味のオリジナル、マイケル・ブレッカーが華をそえている#2「FAIRY TALE」

 ○マーク・ジョンソンのソロが味わい深い大好きなイヴァン・リンスの代表曲#3「THE ISLAND」

 ○スタンダードの名曲、エディ・ゴメスのプレイが印象的な#4「いつか王子様が」

 ○ビル・エヴァンスの曲で、比較的演奏されることのない#5「FUNKALLERO」

 ○これもスタンダードの名曲、マイケル・ブレッカーの演奏が素晴らしい#6「星影のステラ」

○ベニー・カーター&サミー・カーンの名曲、大好きな#7「ONLY TRUST YOUR HEART」

 ○スタイリスティックスの#8「誓い」美しいスローバラード

○ 彼女のオリジナル、ワインの名前だとか・・・#9「LAFITE ’82」

○ 去っていってしまった人に、離れてしまったもの、そういうものに対する悲しい気持ちを曲にしたというオリジナル#10「GONE」
 マイケル・ブレッカーが力強く美しく盛りあげている

○ 美しいバラードで締めくくられている、オリジナル、ピアノソロ#11「WITH A LITTLE SONG」



1・BEAUTIFUL LOVE・・・2・FAIRY TALE・・・3・THE ISLAND・・・4・いつか王子様が・・・5・FUNKALLERO・・・6・星影のステラ
7・ONLY TRUST YOUR HEART・・・8・誓い(YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW)・・・9・LAFITE ’82・・・10・GONE・・・
11・WITH A LITTLE SONG・・・


   1995年4月17日、19&20日 NYCにて録音・・・
 

陽射し漉(ひざしごし)

2013-04-23 00:42:02 | ジャズ


  惜春の陽射しは「若葉晴れ」。若葉は裏から見上げると、葉同士が重なり合っては離れて、陽射しを漉したように青緑の色を放つ
  のがまぶしいときです。「陽射し漉」とでもいいたい光の色です。

  薫風にしなうやわらかい葉は、青緑の影さえ透き通ったかのように見え、愛想なく立ち尽くす幹とは対照的な色模様を見せて
  くれます。「緑」の漢字の糸偏ではない部分の意味は青緑色の絹の布のことだそうです。

  絵の具で青に黄を加えると緑色ですが、若葉は青に黄色を加えて緑を深め、心地よく風に舞い続けているのです・・・



   今日聴いたジャズ・・・


   TIZIAN JOST TRIO・・・「PLAYS JOBIM」

   本作は、澤野工房レーベルを代表するピアニストの一人、ティチアン・ヨーストのリーダー・アルバム。
   アントニオ・カルロス・ジョビン集。

   メンバーはティチアン・ヨースト・トリオでお馴染みの、トーマス・スタベノー(b)、クラウス・ヴァイス(ds)
   気心の知れた三人が織りなすジョビンの名曲、15曲。。

   最初、聴いたときは、この曲の代わりに別な曲を収録して欲しかったな・・という思いもあったけど聴いていくうちに、
   ティチアン・ヨーストの選曲らしく、よくまとまっている一枚だと思うようになった。

   前回書いた「OUR REFLECTIONS」(メンバーも同じ)でティチアン・ヨーストのことをすっかり気に入ってしまったので、
   本作にも大いに期待して聴いた。ジョビン集も数多くあるけれど、ピアノトリオでは少ないのではないだろうか。

   何はともあれこのメンバーでジョビンの名曲が甦るのはうれしい限り。
   今は亡き、クラウス・ヴァイスのドラムスが聴けるのも貴重だと思う。ベースのトーマス・スタベノーも味わい深いフレーズを
   聴かせてくれる。「MOJAVE」で始まり「SEM VOCE」を〆に持ってきているところもなかなか良く考えられた曲順だと思う。


1・MOJAVE・・・2・AGUA DE BEBER・・・3・A FELICIDADE・・・4・DOUBLE RAINBOW・・・5・FOTOGRAFIA・・・6・ALL THAT’S
  LEFT・・・7・SO DANCO SAMBA・・・8・FAVELA・・・9・NO MORE BLUES・・・10・AGUAS DE MARCO・・・
11・HOW INSENSITIVE・・・12・LAMENTO・・・13・ONCE I LOVED・・・14・O GRANDE AMOR・・・15・SEM VOCE・・・



    TIZIAN JOST(p)
    THOMAS STABENOW(b)
    KLAUS WEISS(ds)


    2006年11月2&3日録音・・・

牡丹前線

2013-04-22 15:46:32 | ジャズ


  牡丹は中国でも「花王」と讃えられ、好まれてきた花だけど、日本でも聖務天皇が奈良に牡丹を植えさせて以来全国に広まり、
  島根県大根島では弘法大師が植えたと伝えられている。

  奈良県の長谷寺は「牡丹寺」と呼ばれる牡丹の名所。開花は九州南部で3月31日、東京で4月20日、東北で5月20日、
  北海道の北部では6月20日頃が平年開花で、ほぼ一カ月ずつズレ込んで牡丹の道は北上していく・・・


   牡丹(ぼたん)

   英名:TREE PEONY
   別名:ふうきそう

   花言葉:富貴


  今日聴いたジャズ・・・

  ROY HARGROVE・・・「APPROACHING STANDARDS」


  本作は、ロイ・ハーグローヴ(tp)が1990年前後にNOVUSレーベルに吹き込んだ4枚のアルバムからスタンダード・ナンバーばかりを
  選んで収録された作品。


  
  曲によっては、ジョン・ヒックス(p)、スコット・コリー(b)、アル・フォスター(ds)、アントニオ・ハート(as)他、
  ベテランが参加している。

  私の知るかぎりでは、ロイ・ハーグローヴのスタンダード集はほかに知らない。数多くのアルバムにゲストとして参加している
  けれど、彼がいるだけで、アルバム自体がぐっと魅力的なものになっている。きっとロイ・ハーグローヴというミュージシャンは
  ステキな人なんだろうなぁと思う。ついでに、バラードがまた巧い人で、「MOMENT TO MOMENT」(バラード集)は愛聴盤の中の
  一枚で、たまに聴く(しばしば聴くと勿体ないので・・笑)


1・EASY TO REMEMBER・・・2・RUBY MY DEAR・・・3・WHISPER NOT・・・4・WHAT’S NEW・・・5・SEPTEMBER IN THE RAIN・・
6・YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS・・・7・END OF A LOVE AFFAIR・・・8・THINGS WE DID LAST SUMMER・・・
9・EVERYTHING I HAVE IS YOURS / DEDICATED TO YOU・・・10・MY SHINING HOUR・・・



   1989年~1993年録音・・・