つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

葛の花

2015-10-31 16:18:55 | ジャズ



    葛はマメ科の蔓性多年草


    下から咲き、葉に隠れがちなので、ひかえめな美しさがあります


    現代歌人釈迢空の 「葛の踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり」この一首によって、


    葛の花は伝統的類型表現から近代写実表現へと脱皮、多くの人々に共感を与えました




      ひかえめな色に惹かれて葛の花  (稲畑 汀子)




       今日聴いたジャズ・・・



    GEORGE MRAZ IN DUET・・・「PORGY & BESS」




    ジョージ・ムラーツとローランド・ハナ・・・二人の巨匠が綴るデュオアルバム。名盤。


    本作を初めて聴いたのは、20年ほど前になるだろうか・・・


    朝のラジオでジャズの時間というのがあって、この「ポーギー&ベス」が流れていた。記憶に間違いがなければ、


    ジョージ・ムラーツとローランド・ハナの最初の出会いだった。なんという素晴らしい演奏だろうと思った。


    ベースとピアノのデュオは数々あるけれど、自分の中では、本作を超える作品にはまだ出会っていない。



1・  SUMMERTIME 

2・  IT AIN’T NECESSALILY SO

3・  STRAWBERRY WOMAN

4・  THERE’S A BOAT DAT’S LEAVIN’ FOR NEW YORK

5・  OH、BESS 、O WHERE’S MY BESS

6・  OH、BESS、 O WHERE’S MY BESS

7・  I LOVE YOU PORGY

8・  JASBO BROWN BLUES




    ジョージ・ムラーツ(b)
    ローランド・ハナ(p)



       葛の花 


霜降のころ

2015-10-30 15:55:12 | ジャズ



   霜が降りることから「しもふり」とも・・・


   ひんやりとした霜の冷気と、もう少しだけとどまろうとする秋気が


   混じり合う今の時季は、美しい、紫色の夕焼け雲を見れるころでもあります




       今日聴いたジャズ・・・



   ALI RYERSON・・・「BRASIL:QUIET DEVOTION」




   1952年生まれ、女性フリュート奏者、アリ・ライアーソンのリーダー作。


   ライアーソンは、ビリー・テイラー、ケニー・バロン、ステファン・グラッペリ、フランク・ウエス、レッド・ロドニー、


   ローリンド・アルメイダ、アート・ファーマー・・広範囲にわたるアーティストと共演している。


   本作は、全12曲、ブラジル音楽を綴った作品ながら、随所にクラシカルな雰囲気が漂う上質なアルバム。


   馴染みのない曲の中にも、”DOUBLE RAINBOW ” ”星影のステラ ” ”ESTATE ”など愛奏曲も含まれている。


   WEBER DRUMMOND(p)、HELCIO MILITO(tamba)、DANNY GOTTLIEB(ds)、JEFF FULLER(b)の他に、4人のゲストを迎え,



   フリュート、アルトフリュートと持ち替えて、ライアーソンのプレイが光る一枚。



1・FIRST RITE・・・2・ALL THE SENSES・・・3・SEND IN THE CLOWNS・・・4・I’M NOT BUYING IT・・・5・DOUBLE RAINBOW
6・CAMILA・・・7・ON SECOUND THOUGHT・・・8・星影のステラ・・・9・ESTATE・・・10・INCANTATIONS・・・11・PRAELUDIUM Ⅱ
12・QUIET DEVOTION・・・



      SPECIAL GUESTS:


     JOE BECK(el-g)
     EUGINE MOYE(cello)
     ROMEO LUBAMBO(aーg)
     SERGIO BRANDAO(el-b)


      1996年11月19、20日、ニューヨークにて録音



         霜葉 

紫式部

2015-10-28 16:39:31 | ジャズ



    ムラサキシキブ   実紫   式部の実   小式部



    クマツヅラ科の落葉低木  低山の林中や野原に自生します


    優美な紫色の実を、平安朝の才媛、紫式部になぞらえてこの名がつけられました


   10、11月ごろ、小さく丸い実が熟し、赤味を帯び、紫色に輝き、


   落葉して紫色の実だけになっているのも美しく、これを実紫(みむらさき)といいます




      実紫音なく過ぎし山の雨   (山田 弘子)




        今日聴いたジャズ・・・



    エリック・アレキサンダー・カルテット・・・「エッセンシャル・ベスト」




    MIKE LEDONNE(p)、JOHN WEBBER(b)、JOE FARNSWARTH(ds)と綴る、ワン・ホーン・カルテット作品。


    全10曲、” バラッズシリーズ”から選んだ曲が多い。


    改めてエリック・アレキサンダーの歌心あふれるテナー、、バラードを聴いてみると、ほれぼれとしてしまう。


    う~ん・・・いいなぁ~  いうまでもなく、ピアノ、ベース、ドラムのプレイがまたいい!


1・LEFT ALONE・・・2・SOUL EYES・・・3・WATCH WHAT HAPPENS・・・4・QUASIMODE・・・5・THE LOOK OF LOVE
6・I’M A FOOL WANT YOU・・・7・AIREGIN・・・8・AS TIME GOES BY・・・9・SUMMERTIME・・・10・OVER THE RAINBOW・・・





          ムサキシキブ  

松虫草

2015-10-26 19:25:13 | ジャズ



    マツムシソウ


    マツムシソウ科の越年草     日当たりのよい高原山地の草原に自生します


    一足早く秋の到来を感じさせてくれる花で、花の名は、松虫の鳴くころが花期のため、


    それにちなんだものといわれています



     山の風松虫草を吹き白め  (深見けん二)




      今日聴いたジャズ・・・


   バーデン・パウエル・・・「スリー・オリジナルズ」




   1937年8月6日、連邦州リオ北部の小さな町、ヴァルレ・エ・サイで生まれた、ブラジルの音楽家、ブラジル音楽のギター奏者、


   作曲家、名手バーデン・パウエルのリーダー作。


   MPSレーベル時代の珠玉の名盤3枚を2CDにまとめたアルバム。


   「トリステーザ・オン・ギター」66年、、「ポエマ・オン・ギター」67年、、「アパッショナード」73年。。


   バーデン・パウエルは非常に技巧的なギターを演奏するギターの巨匠として知られており、特に、ヴィニシウス・ジ・モライスとの共作である


   アルバム、、アフロ・サンバなどの作品で知られている。また、ボサノヴァの範疇に納まらない力強く卓越したテクニックを持つギター奏者


   としても有名。  以下、ライナーノーツから抜粋・・・



   ”バーデンは、とてつもなく影響力のあるギター・プレイヤー、素晴らしいパフォーマーと演奏家の合体だ。ステージで強いカリスマ性を

    見せる。バーデンはジャズに影響を受けたが、自分のブラジル魂を通してそれを濾過した。彼のソロはとてもブラジル的で、まさに

    ブラジルのフレイジングをする。また彼は、それに見合った、素早い指、チョップ奏法を具えている。彼のリズムのつけ方は、素早く

    連続して弦をかきむしるやり方にみられるように、独自のものだ。彼はすこぶる影響大だった!”


     ーーーーー オスカー・カストロ・ネヴィスーーーーー


  ” ヴィニシウス・ジ・モライスとバーデンの出会いは、ボサノヴァを産んだ、ヴィニシウス・ジ・モライスとアントニオ・カルロス・ジョビン

   の出会いと同じくらい、ブラジル音楽にとって重要な意味を持つ”


    ----- マリア・ベターニャーーーーー


   上記にある二人のミュージシャンが語っているように、バーデン・パウエルの存在は多くのアーティストに多大な影響を与えている。


   惜しくも、2000年9月26日、肺炎のため、63歳で他界。。リーダー作も数多いけれど、個人的には、本作だけあれば、他には


   欲しくないと思っている。意外なことに、DISC1に収められている、モンクの ”’ROUND ABOUT MIDNIGHT”は彼のお気に入りだったそうで、

  
   レパートリーの一曲となっている。



    DISC1(1-10:TRISTEZA ON GUITAR)(11-14:POEMA ON GUITAR)


1・トリステーザ・・・2・シャンゴーの歌・・・3・ラウンド・アバウト・ミッドナイト・・・4・サラヴァー・・・5・オッサーニャの歌
6・カーニヴァルの朝・・・7・71/2のインヴェンション・・・8・バラについて・・・9・カーニヴァルの音・・・10・宇宙飛行士
11・詩人にぴったり・・・12・ジンジ・・・13・コンソラサオン・・・14・悲しみと孤独・・・



   DISC2(1-4:POEMA ON GUITAR)(5-14:APAIXONADO)

1・サンバ・トリステ・・・2・エウリディシ・・・3・オール・ザ・シングス・ユー・アー・・・4・祈り・・・5・古い家・・・6・アルカンタラ
7・イガラペ・・・8・アルカンタラ物語・・・9・ワルツィング・・・10・思い出・・・11・抽象・・・12・花・・・13・バラントッフィ
14・海風・・・




         アカマツムシソウ 






ほおずき

2015-10-24 15:32:44 | ジャズ



    鬼灯  カカチ  ヌカズキ



    ナス科の多年草


   『古事記』に八岐大蛇(やまたのおろち)の目を形容するのに「その目は赤かかちのごとく」


   といっているように、古くから知られた植物・・・


   『栄華物語』にも女子の玩具として出てきます



      ほほづきに女盛りのかくれなし  (河野多希女)




        今日聴いたジャズ・・・



    BOBO STENSON TRIO・・・「VERY EARLY」




    1944年8月4日、スウェーデン生まれ、スウェーデンのジャズ界を代表するピアニストの一人、ボボ・ステンソンのリーダー作。


    全9曲、ビル・エヴァンスのタイトル曲3、、ステンソンのオリジナル5、、アンダーシュ・ヤーミーン(b)のオリジナル8、、


    コルトレーンの7、、オーネット・コールマンの9、、フォーレの6、、ほかは馴染み深いスタンダードで構成されている。



    ボボ・ステンソンのピアノは、リリカルで耽美的なフレーズの中にも力強さがあり、”静寂を奏でる”美しさが満ちている。


    アンダーシュ・ヤーミーンのソロ、弓弾きも聴きどころとなっている。控えめながら味のあるドラムのルネ・カールソン・・・


    三人が一体となって、美しい、聴きやすい作品に仕上がっている。



   ※ ボボ・ステンソン

     10代の時から活動を始め、ソニー・ロリンズ、、スタン・ゲッツ、、ドン・チェリー、、などとセッションを重ねる。
     1970年代には、ヤン・ガルバレクと共にカルテットで活動を開始。
     生み出された作品は 歴史的名盤として高い人気を誇る。
     1971年には、アリルド・アンデルセンとヨス・クリステンセンを迎え自己のトリオを結成。

     その後、トーマス・スタンコ、チャールス・ロイドなどのグループに参加し、ジョージ・ラッセルとの作品も発表している。
     現在、アンダーシュ・ヤーミーンとヨン・フェルトと活動を続けている自己のトリオは、ビル・エヴァンス・トリオ以降、
     ピアノ・トリオの新しい音楽的可能性を提示し、音楽を前進させた、最高のアンサンブルとして尊敬を集めている。

     キース・ジャレットと双璧をなす北欧の巨匠。。。



1・MOON AND SAND・・・2・SOME OTHER SPRING・・・3・VERY EARLY・・・4・AUTUMN IN NEW YORK・・・5・COMING ON THE BIKE
6・PAVANE・・・7・SATELLITE・・・8・SORG・・・9・RAMNLIN’・・・





         BOBO STENSON(p)
         AMDERS JORMIN(b)
         RUNE CARLSSON(ds)


       1986年12月2、3、6日録音



          ほおずき