道ばたのエノコログサ、別名ネコジャラシが枯れ葉色に変わり始めた。子犬のしっぽみたいにもこもことした穂には、
温かみがある。日差しの強い夏の日はたしかに触れれば「熱い」という感じがあった。
やがて実が散ってしまうと、穂は寒々とした姿になる。
鋭く細長い葉をつけたカヤツリグサも、日一日と色が衰えていく。触れるとはらはらと実がこぼれる。
風の中のメヒシバの穂にきらっと赤く光るものがあった。長さ一ミリほどのめしべらしきものが、小穂からぴょこんと頭を
もたげているのが見えた。繊細かれんな紅色である。
「木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ」・・・十一月は落葉の季節・・・
今日聴いたジャズ・・・
MICHEL GRAILLIER & RICCARDO DEL FRA・・・「SOFT TALK」
ミシェル・グレイエ(p)とリカルド・デル・フラ(b)によるデュオ作品。
澤野工房にしては珍しい、ピアノとベースの対話が聴ける。
フラの控え目なベースもいい雰囲気だし、グレイエの優しくしっとりした語り口もほほえましい。
ラストの一曲を除いて、二人のオリジナルで構成されている。
アルバム全体は内省的な趣が感じられる。
チェット・ベイカーに捧げられた作品ということらしい。そういえば、グレイエはリーダー作の「DREAM DROPS」でチェットと
共演している。
1・IT HAPPENED TO US・・2・PETIT TROQUET・・3・PROFILO DI LEI・・4・SPRING’S WALK・・5・MARIE MURMURE A LA
MER・・6・NOWHERE・・7・BLUE WIND・・8・ONLY ONES・・9・I’M FOOL TO WANT YOU・・・
1、3、5、7、はリカルド・デル・フラの曲、2、4、6、8はミシェル・グレイエの曲。
MICHEL GRAILLIER(p)
RICCARDO DEL FRA(b)
2000年6月8、9、10日 7月7、14日録音・・・