徒然なるまま 写遊記

私楽 諸行歓常 諸行感謝 のんびり気ままに散策・・「埼玉・高麗川のほとり」(浮雲・浮浪雲)

話題の本「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬)

2022-08-31 | 本 雑誌
ほぼ毎日 読書しているが
全てノンフィクションです。

そんな自分が久々に小説を読みました。

第二次世界大戦・独ソ戦で実在していた
女性狙撃手をモデルに書かれたリアルな
表現力に引き付けられ、一気に読み終えた

「同志少女よ、敵を撃て」
(著者 逢坂冬馬・早川書房)は
アガサ・クリスティー賞大賞受賞
本屋大賞受賞の2022年話題の本です。



なお自分が、当ブログで
紹介したくなった理由は

今年ロシアのウクライナ侵攻が始まった
2022年2月24日より「3カ月前」

2021年11月17日に発売された同書の
「発売時期に注目」

そして 本文中の
一文に 著者の力量に感心しました。

本文より
「ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな
扱いをされてきたのか、知ってる? 
なんども飢饉に襲われてきたけれど、
食糧を奪われ続け、何百万人も死んだ。
たった二十年前の話よ。

その結果ウクライナ民主主義が台頭すれば、
今度はウクライナ語を
ロシア語に編入しようとする。
ソ連にとってウクライナってなに?
略奪すべき農地よ」

以上の第二次世界大戦1940年代の会話を
今年の様に読める不思議。

そして改めて、歴史的にみて
手前勝手な理由で戦争をするロシアは

「北方領土返還」を誠実に求めている
「日本なんて、赤子(乳吞み子)」と思う
今日この頃です。


(北方領土を望む日本の最北端納沙布岬)

なお以前に ブログに書きましたが
70年前 知人の息子さんが
「ソ連の抑留から帰国後」

「もう一度、ソ連と戦争があれば
率先して志願します!」
(言葉に出来ない悲惨な強制収容
 抑留生活をさせられていた
 ソ連時代の息子さんの本音です)
 
当ブログ立ち寄りに感謝です。
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石原慎太郎【「私」という男の生涯】

2022-08-29 | 本 雑誌
よく訪れる書店の「文芸書ランキング」で
長く上位に陳列されている石原慎太郎
【「私」という男の生涯】)(幻冬舎)。

石原氏の小説家・政治家の活躍を
それなりに知っているだけに
「今さら、石原慎太郎の自叙伝」なんて
読みたくないと避けていたが、



何となく読み始めたら、
「戦後の昭和を彩った男」が
自己の功罪を 赤裸々に白状する
漢(おとこ)の姿が見えて
一気に読み終えました。

自分が理解していた石原氏は
「陽の当たる坂道」を歩いた人生ゆえに

彼の美学なら、墓場まで持って行くと思えた
不倫の数々を赤裸々に告白した著書。

むしろ不倫を美しく語ることも出来たのに
重く暗い恋愛を自白した姿に 
爽快な幕引きの「太陽族」を
見させていただきました。

ちなみに大学在学中に芥川賞受賞。
日生劇場創設に関わったいきさつ。
三島由紀夫氏はじめ様々な著名人との交流。
一般人と違うヨットの私生活など等
まさに明るいシーンの「表の石原」。

さらに都知事時代の新銀行東京の
赤字なども語りつつ
都政の業績を残したと自負する人だが

思い出話より、
本書の主題として伝わったのは
「死を前にした 男の戸惑い」です。

本書を短く語ることは無理なので、ここでは
末文を紹介して終わりにします。

巻末文・・・「死ぬのは やはりつまらない。」

当ブログ立ち寄りに感謝です。
コメント (1)
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