徒然なるまま 写遊記

私楽 諸行歓常 諸行感謝 のんびり気ままに散策・・「埼玉・高麗川のほとり」(浮雲・浮浪雲)

本「死刑囚理髪係」「ある行旅死亡人の物語」

2024-06-27 | 本 雑誌
「世の中は深くて
怪しい人間交差点かな?」(ブログ筆者)
★★★
書店で「死刑囚理髪係」(彩図社・ガリ著)

今まで耳にしたことのない
本のタイトルに惹かれ読み始めましたが

その一章(死刑囚一人)と作者の
関わりを読む終える度に
「ズシリと重く 胸に応え」
次の章に進むのを止めた本でした。



東京拘置所に服役した美容師(筆者)が

あさま山荘元連合赤軍、坂口弘死刑囚
横浜港バラバラ殺人事件、
池田容之死刑囚

秋葉原無差別事件、加藤智大死刑囚
相模原障害者施設26人殺傷事件、
植松聖死刑囚
など等
重大犯罪被疑者など約1万人の理髪した
緊張した現場を描いたノンフィクション。

この本を読むまで「死刑囚の理髪」を
担当する人が存在することさえ
知らなかったが、想像以上に
緊張の現場と思った内容でした。

★★★
「ある行旅死亡人の物語」
(毎日新聞出版
 「著」武田 惇志、 伊藤 亜衣)



2020年4月。兵庫県尼崎市の
女性が孤独死したアパートの部屋に 
現金3400万円、
星形マークのペンダント、
数十枚の写真、
珍しい姓を刻んだ印鑑など......。

本の帯に書かれていた数行を読んで、
すぐに「北朝鮮関係の女性」と
推測した自分だが

手がかりを元に
二人の記者が
女性の素性を突き求める展開は
予想と違う方向に進み

推理小説の様で
一気に読んだ
ノンフィクションでした。
★★★
本の内容・結末を紹介するのは
著者・出版社に尊敬を込めてひかえます。
(勿論、ネタバレはいけないことです)

当ブログ立ち寄りに感謝です
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本「闇の盾」(寺尾文孝)

2022-10-06 | 本 雑誌
「闇の盾」(著・寺尾文孝 / 講談社)

本のキャッチコピー
政界・警察・芸能界の
守り神と呼ばれた男「寺尾文孝」

・・初めて聞いた作者の名前ゆえ
大げさな宣伝コピーと
疑心暗鬼で読み始めたが

読んでるこちらが心配するほど
元警察関係・著名政治家、一流
企業経営者、「芸能界のドン」や
暴力団組長が実名で登場。

さらにバブル期 世間を騒がせた
許永中、中江滋樹、伊藤寿永光、
高橋治則、後藤忠政たちとの

怒涛の実録ストーリーに
驚いた手記です。



読後、あの時代の裏に、
警視庁機動隊員を経て秦野章
元警視総監の私設秘書となり、
警察・検察に人脈を築き 
要領よくビルを所有して、

その利益を 小才よくトラブル
解決に生かした
「漢(おとこ)」がいたのかと、
と面白く拝読しました。

半面、作者の自慢話と
自分の会社PRの姿が垣間見られて
筆者の手のひらに
乗せられた本に思いました。

以上はブログ筆者の独断感想ゆえ
ご自分で判断してください?

当ブログ立ち寄りに感謝です。 
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本「喰うか喰われるか 私の山口組体験」溝口敦

2022-10-04 | 本 雑誌
著者・溝口敦「喰うか喰われるか 
    私の山口組体験」(講談社)

ノンフィクション作家として著名な
溝口敦氏が 自分の記者スタート時代
の物語から、今まで書き続けてきた
「広域暴力団山口組」の取材を
時系列に回顧録にまとめた 
読み応えある本でした。



本のタイトルを裏切らない
暴力団との「喰うか喰われるか」の
命を懸けた攻防が描かれており、

彼の知力・度胸・胆力に
感服しながら拝読しました。

ちなみに彼は暴力団以外にも
『池田大作 権力者の構造』
『武富士 サラ金の帝王』
『細木数子 - 魔女の履歴書』などの
ノンフィクション作品も上梓。

末筆ながら、
暴力団に興味ない方も
「知力を備えた豪勇な作家」の
作品をお勧めします。

当ブログ立ち寄りに感謝です。
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話題の本「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬)

2022-08-31 | 本 雑誌
ほぼ毎日 読書しているが
全てノンフィクションです。

そんな自分が久々に小説を読みました。

第二次世界大戦・独ソ戦で実在していた
女性狙撃手をモデルに書かれたリアルな
表現力に引き付けられ、一気に読み終えた

「同志少女よ、敵を撃て」
(著者 逢坂冬馬・早川書房)は
アガサ・クリスティー賞大賞受賞
本屋大賞受賞の2022年話題の本です。



なお自分が、当ブログで
紹介したくなった理由は

今年ロシアのウクライナ侵攻が始まった
2022年2月24日より「3カ月前」

2021年11月17日に発売された同書の
「発売時期に注目」

そして 本文中の
一文に 著者の力量に感心しました。

本文より
「ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな
扱いをされてきたのか、知ってる? 
なんども飢饉に襲われてきたけれど、
食糧を奪われ続け、何百万人も死んだ。
たった二十年前の話よ。

その結果ウクライナ民主主義が台頭すれば、
今度はウクライナ語を
ロシア語に編入しようとする。
ソ連にとってウクライナってなに?
略奪すべき農地よ」

以上の第二次世界大戦1940年代の会話を
今年の様に読める不思議。

そして改めて、歴史的にみて
手前勝手な理由で戦争をするロシアは

「北方領土返還」を誠実に求めている
「日本なんて、赤子(乳吞み子)」と思う
今日この頃です。


(北方領土を望む日本の最北端納沙布岬)

なお以前に ブログに書きましたが
70年前 知人の息子さんが
「ソ連の抑留から帰国後」

「もう一度、ソ連と戦争があれば
率先して志願します!」
(言葉に出来ない悲惨な強制収容
 抑留生活をさせられていた
 ソ連時代の息子さんの本音です)
 
当ブログ立ち寄りに感謝です。
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石原慎太郎【「私」という男の生涯】

2022-08-29 | 本 雑誌
よく訪れる書店の「文芸書ランキング」で
長く上位に陳列されている石原慎太郎
【「私」という男の生涯】)(幻冬舎)。

石原氏の小説家・政治家の活躍を
それなりに知っているだけに
「今さら、石原慎太郎の自叙伝」なんて
読みたくないと避けていたが、



何となく読み始めたら、
「戦後の昭和を彩った男」が
自己の功罪を 赤裸々に白状する
漢(おとこ)の姿が見えて
一気に読み終えました。

自分が理解していた石原氏は
「陽の当たる坂道」を歩いた人生ゆえに

彼の美学なら、墓場まで持って行くと思えた
不倫の数々を赤裸々に告白した著書。

むしろ不倫を美しく語ることも出来たのに
重く暗い恋愛を自白した姿に 
爽快な幕引きの「太陽族」を
見させていただきました。

ちなみに大学在学中に芥川賞受賞。
日生劇場創設に関わったいきさつ。
三島由紀夫氏はじめ様々な著名人との交流。
一般人と違うヨットの私生活など等
まさに明るいシーンの「表の石原」。

さらに都知事時代の新銀行東京の
赤字なども語りつつ
都政の業績を残したと自負する人だが

思い出話より、
本書の主題として伝わったのは
「死を前にした 男の戸惑い」です。

本書を短く語ることは無理なので、ここでは
末文を紹介して終わりにします。

巻末文・・・「死ぬのは やはりつまらない。」

当ブログ立ち寄りに感謝です。
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大村崑「崑ちゃん90歳 今が一番、健康です」

2022-05-26 | 本 雑誌
「人は、哀しみを背負って生きている」
・・演歌の一節の様な言葉が
大村崑の新刊を読んで浮かんできました。
★★★
大村崑を知っている人が
少ない令和時代ですが、

今から約70年前 今の「明石家さんま」に
匹敵するほど、多くの国民に愛された
コメディアン大村崑がいました。

1959年TV「番頭はんと丁稚どん」で人気に
火が付き、その後のTV「頓馬(とんま)天狗」
で全国的・知名度のお笑いタレントとなりました。
(以上は、75歳以上の人なら信じてもらえる
 嘘の様なホントの話です)

その後の大村崑も、テレビで軽妙な演技
俳優の「明るい人柄のイメージ」でした。
★★★
そして今、青春出版社から発売されている
「崑ちゃん90歳 今が一番、健康です」を
読んで、

笑いを振りまいていたコメディアン
大村崑の隠れていたヒストリーを
知って驚きました。


幼くして父を亡くし、母は生活の為に
崑を苦悶の中で捨て、妹だけを連れて再婚。

崑は伯母の子供となるが、
その伯母(義母)が暴力的な人で
悲惨な少年期を過ごす崑でした。
(悲しい事実は 他にあります)

そのような悲しい少年期の崑が その後、
大勢の人を癒す人生に感激しました。

()なお筆者は子供の頃、母親につれてもらい 
京都南座の「番頭はんと丁稚どん」
「ミヤコ蝶々漫才学校」「松竹新喜劇・渋谷天外
藤山寛美~」「曾我廼家十吾」などで 
大笑いさせて頂き 
どっぷり関西の笑いが身体にしみこみました
(笑)

★★★
ちなみに「明石家さんま」も3歳で母を亡くし
義母に育てられた経歴の持ち主です。

なお義母は 実の息子は可愛がるが、
義理の息子(実兄とさんま)に
心開かなかったうえ

ある日、隣の部屋から
「うちの子は、この子(弟)だけや・・」の
義母の声が聞こえ、兄と泣いた明石家さんま。

また、さんまが可愛がっていた
義弟は19歳に悲惨な最期。
(焼身自殺の疑いがある?)

今や、どんなことも 笑いに変える
お笑い芸人 さんま も
「悲しみを背負った お笑い怪獣」
なんですね。
★★★
「この風景 夢 まぼろし?
 それとも 人生すべてが夢の中?」

(筆者・北海道・洞爺湖
 2019.8.19.ブログから転付)


★★★
名優中の名優「高峰秀子」は
稼いだ金を 義母に吸い取られ
学校も行かせてもらえない女優生活。
☆☆☆
作詞家「なかにし礼」は、兄の
借金を肩代わりするも、その兄は
弟の名義を拝借 印税を使い込む
など、様々 金銭的迷惑をかける
兄と苦悶の人生を暮らす。
☆☆☆
そして
美空ひばり、山口百恵、中森明菜、
松田聖子・・・他多数

「♬♬ 涙をこらえて 笑っている人は
    きれいなものでしょうね ♬♬」
(吉田拓郎の歌・・イメージの詩の一節)

★★★
なお、大村崑「崑ちゃん90歳~」の著書は
老体に役立つお薦め健康アドバイス本です。

少し長くなった
当ブログ立ち寄りに感謝です。
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