物事を楽観的にとらえる人もいれば悲観的にとらえる人もいます。「悲哀」などという言葉を時々ブログ内で語る私はある意味、物事を悲観的にとらえる人間に見えるかもしれません。
個人的に4月から三ヶ月ほど人生の節目と思われる「苦悩する自分」を体験し・・・今もかすかにその片鱗は残っているようですが・・・他者から見ればそういう時もあるさ思われますが(簡単な言葉に書き換えられる)、当事者たる私には連日の苦悩でした。
NHKの白熱シリーズ、7月24日(金)から「心と脳の白熱教室」4回シリーズが始まり、第1回はオックスフォード大学・感情神経科学センターのエレーヌ・フォックス教授「楽観脳と悲観脳」でした。
脳科学ですから脳の仕組みからこのテーマが語られるのですが、その鍵が「サニーブレイン(楽観脳)」と「レイニーブレイン(悲観脳)」と呼ばれる脳の働きにあるとのこと。
番組概説によると「人間の脳には危険を察知し恐怖を感じる回路と快楽や喜びを感じる回路があり、そうした強い感情を抑えようとする回路もある。 そうした回路のでき方は人によって違い、悲観的な人や楽観的な人が生まれるという。脳科学と心理学で、あなたの性格に迫る。」まさにこのテーマに興味を持つ方も多くおられるかと思います。
「認知バイアス」
自分の思い込みや願望・恐怖心などのために論理的な判断を下せなくなる心理パターン
をこのように呼ぶようで、状況をどのように解釈しどのように受けとめるかによって同じ事象が全く異なるように見え、それが人それぞれの性格に影響してゆくとのこと。
このバイアスにはいろいろな種類があり番組では、
・帰属の誤り(自分をどのように評価するかを示す)
・注意のバイアス(何に注意を示すか)
・解釈のバイアス(同じ出来事をどう解釈するかを示す)
・記憶のバイアス(人生における様々な出来事のうち何を記憶にとどめるかを示す)
が代表的な4つのバイアスだと説明されていました。
まことにその通で、日々の出来事に私はそのような心理パターンの内に右往左往しているように見えます。
なぜ私を敵とみなすのか。
4月に始まった私の事象はこの言葉に代表される。
彼の性格もあるが私が彼の職場に入ることで彼は来年退職しなければならないことになる。
彼は全く退職の意志は無かったのだから・・・この解釈は正しかったと思う。
マンネリ化した仕事の中で余裕の時間を持ち好きなゴルフに興じる喜び。
多くはない給料ですが年金生活者にとっては大変助かります。
それを奪うのですから・・・私は侵略者というわけです。
「おれはケンカぱやいのだぞ!」
この言動には、驚き桃の木山椒の木でした。
結局は彼の「往生際(おうじょうぎわ)」になるのです。
1 死に際。
2 ついにあきらめなければならなくなった時の態度や決断力。
これが、善いか悪いかで他者との関係も変化してきます。
NHKの「心と脳の白熱教室」の番組紹介をしようとしたわけではなく、私の思考の世界のきっかけにしたわけで、「善いか悪いか」という解釈のバイアスを考えた時に、そこにあるのは「私にとっての・・・」です。
解釈とは意味付けであって意味には範疇化された己の区分の境があります。
「ある」ことの区切りの中で意味をなす。その意味が自己を支配する。
そのパターンのくり返しが時を刻み楽観・悲観を産み出し、悲哀が現われる。
世の中に境界などというものがなければいいのにと思ってしまうのですが、それこそ意味の無いくり返しが現われます。
ネコのソラやイヌのララを見ていると毎日をくり返しています。
それもいいのでしょうが、人間ですから・・・「何かの声」を聴かなければならないように思います。
長野県出身の宇宙飛行士が今天空を飛行しています。宇宙から見れば誤り無く国境線はありません。
ある意味、愛で覆われている事実がそこにあります。
しかしそこには人を見ることはできません。
解像度の高いカメラで観れば見える・・・という人もいるかもしれませんし国境線も見えるとも云うかもしれません。
科学を持ち出し物理学を持ち出し・・・大いなる学問がそこにある世界
その中に生き、どのような声を聞くか・・・ですね。