NHK教育ETV特集は「シンドラーとユダヤ人~ホロコーストの時代とその後~」を観ました。
8月に放送された、
「ホロコーストを生きのびて ~シンドラーとユダヤ人 真実の物語~」
http://blog.goo.ne.jp/sinanodaimon/e/6a2c9f833b683c411b6d8abb72c31647
で番組紹介しました。
>今回は、題名が「真実の物語」から「その後」となっていることから、定かではありませんが内容に若干追加の分が放送されるものかと思います。<
安易にこんなことを書いてしまいました。前回では放送されていない部分もありましたが、受けた感慨は異なるものでした。異なると言っても正負の問題ではありません。
結論的に言えば、実体験者、当事者でないとそこに語られる真実は解らないということに尽きます。
だからと言って観た意味がない、というものではなく別な意味で深みが増したととも言えるかもしれません。
アーモン・ゲードは、当時のドイツ・クラクフの郊外にはユダヤ人を収容するプワシュフ強制収容所がありました。
労働可能と認められたものがここに集められ、強制労働を強いられました。およそ一万人が製材や軍服の生産に当たりましたりまた近隣の工場に派遣されていました。
この収容所の所長がアーモン・ゲードで、毎日理由なく銃でユダヤ人を一人うち殺し、そしてまた自宅の愛犬の訓練のためにユダヤ人を生きたまま噛み殺させていました。
ドイツ人でナチ党員でもあった実業家のオスカー・シンドラーはその収容所に収容されたユダヤ人1200人の命を救った。これは揺るがすことのない事実です。
「英雄思考の人ではなかった父が・・・」とシンドラーの娘さんが話していました。
ユダヤ人の少女が2名が目の前で処刑されるのも見たシドラーは嗚咽、吐き気を模様したようです。娘さんは嫌悪感を感じていたのでしょうとも語っていました。
実業家だから金儲けのために、「こんなことをしなければ、こんなに苦しまなくともよかった。」と後にシンドラーは、同胞であるドイツ人に虐待的な行為を受け続けます。
アメリカに渡り事業をするも失敗、ことごとく彼は事業に失敗します。
1200人のリストのユダヤ人は彼を見捨てません。最後の最後まで見捨てませんでした。彼の遺体は今イスラエルの地にあり多くのユダヤ人が墓を訪れています。
シンドラーの苦難、生き残ったユダヤ人のその後の苦難。
一人の生き残ったユダヤ人男性は、「神は人々を救ってくれる。でも多くの人々は死んだハーバード白熱教室では、アメリカ、@東京大学において「戦争責任と謝罪」が論議されましたが、戦争というものは個人対個人の問題ではありません。勝戦国と敗戦国の問題ですが、
戦後親交の中でシンドラーがロスナーというユダヤ人に送った手紙には次のように語られていましす。
ロスナーよ。
あいつらは頭の固いばか野郎だ。私は従業員の前で、その中の一人に鉄の棒で殴られた。
だが問題は体の痛みではない。そいつに言われた言葉だ。
「汚いユダヤ野郎。お前をガス室で殺すのを忘れたようだ!」
私は警察に被害届を出した。でも警察は何もしてくれなかった。
という内容です。シンドラーは生きる場所がなかった。相当精神的に落ち込んでいたことも語られていました。
一人のユダヤ人男性に「シンドラーと出会ったことは、あなたの人生にどう影響しました?」という質問がなされました。その男性は次のように語ります。
私たちには大きな力が必要だった。
あの記憶が何度もよみがえって、そこから解放される術がなかった。
昼間外を歩いているときでさえ・・・「もしかするとあの角にドイツ人がいるかもしれない」という恐怖に襲われる。
私は神を信じていた。
でもホロコーストで母と父や兄弟すべてを失ったんだ。
もしかしたら神は力を持っているかもしれない。
でも、神は私たちを救うことはできなかった。
あの苦難の中で誰も私たちに手を差し伸べる者はいなかった。
その時、傍らにいた男性の妻が、静かに、
シドラーだけよ!
と語りました。すると男性は相槌を打つようにうなづいていました。
収容所での忌まわしい過去の記憶は、その後のイスラエル人の心を精神を傷つけ続けました。その心を精神を癒すものは、シンドラーに会うことでした。
一人の男性が、「シンドラーの顔を見ることだった。」と語っていましたが、非常に深い言葉でした。
今回の放送では、収容所所長のゲドーの娘は登場しませんでしたが、前回の放送でさほど感じなかった、救われたユダヤ人と救ったシンドラーの深いつながりに、何かを見たような気がします。
当事者でないと本当のことはわからない。
忘れるな! 許すな!
が、助けられたユダヤ人の本心だと語る人もおられました。戦争責任、虐殺の真実などを多く語っても、受け取る側のその人の感慨だけでしかありません。
”正義 ”そして”善き生 "
を語るとき、本当の被害者の気持ちを察することができない私がいます。しかし最終的には、自分で見つけるしかない。この番組は何かを私に教えてくれたような気がします。
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