甲斐の国一宮は、山梨県の笛吹市にあります。一宮を参拝する気がなければ来ないところでしょう。笛吹市の周辺は桃畑が随所に見られ、今は青々とした葉が生い茂っていますが、花が咲く頃は一面にピンク色に染まる景観も見たくなりました。周辺都市には、甲斐市、甲府市、山梨市、甲州市が隣接しています。これじゃ地元の人はともかく、外来者は戸惑うのではないでしょうか。すべてこの当りを差す地名じゃないですか。クイズじゃないんだから。浅間神社は、人気がない場所にありました。人が密集する都市にありがちなコンパクトな敷地です。しかし、中身は詰まっていると思いました。まず、目を引くのは随神門です。ちょうど夏越し大祓え(なごしおおはらえ)の「茅の輪くぐり」の用意がありました。ここを三回くぐるとお祓いができるというものですが、参拝作法があって、一拝後に神歌(和歌)を読み上げ、茅の輪をくぐり左に回って元に戻り、もう一度一拝して二つ目の神歌を読み上げ、茅の輪をくぐって今度は右に回って元に戻り、もう一度一拝し三つ目の神歌を読み上げ、茅の輪をくぐって左周りで戻るのです。手順通りきちんと神事を行いました。茅の輪って勧請縄を連想しますね。それに茅野という地名も山梨にはあります。関係あるのでしょうか。境内の中に入ると巫女さんもいましたので、宮司も居るのでしょう。手水舎で清め、拝殿に向かって参拝します。狭いながら本殿、神楽殿、社務所などがしっかり揃っていました。ユニークなのは奥に十二支石造が並んで置いてあり、祓門(はらいもん)をくぐって自分の干支にお参りできます。だけど石造があまりにも可愛いのでポケットモンスターみたいでした。くぐらせることでお祓いをするのは、神道共通の行事のような気がしますね。勧請縄だってトリクグラズ(鳥潜らず)と言って災いをシャットアウトする意味がありますもんね。石も多いです。子持ち石は誰がどう見たっておちんちんでしょう。男根崇拝ここにありです。縄文の精神文化を色濃く残す神道には、このような生殖繁栄を崇める風習があります。これだって立派な遺跡です。生命の尊さを非常に重要視していた古代の人達の願いが感じられました。それと奉納されたお酒が並べれていましたが、良く見ると全部ワインでした!日本酒の瓶の形をしていますが、銘柄は甲州ワインなんです。地酒ですからね。これはこれでいいのかも知れません。神様に感謝するなら乾杯で。






