とうとう梅雨に入りました。梅雨に入れば、紫陽花にでんでん虫。でーんでーんむーしむーしかーたつーむーりー。なんでしょうが、我が家のバルコニーで見つかったのはアゲハチョウの幼虫でした。芋虫です。最初、僕は全然分かりませんでした。妻が柚子の木にいるというのでよく見たけど、それでも分からないくらいでした。擬態や保護色は自然の中でも最も不思議なことでそのメカニズムがよくわからない現象の一つだと思います。神様が色を塗ったのか、はたまた偶然なのか。別の生物や環境に合わせるなんて一体どこをどうするとそんな能力を身につけるのか僕には不可解です。柚子の葉そっくりの色でじっと動かないアゲハの幼虫は、言われなければとても探しにくかったです。これぞ自然の神秘。調べるとアゲハ(ナミアゲハ)は柚子の葉が大好きみたいです。アゲハの仲間は全体に柑蜜系の木に卵を産みつけるようです。卵から孵化し、黒っぽい幼虫が脱皮を繰り返してしてようやく緑色になります。黒い幼虫は鳥のフンに擬態するのだから頭が下がります。何だって!天敵の鳥に食べられないように天敵である鳥のフンに姿を似せるなんて誰が思いついたアイデアなんでしょう?立派な芋虫形に変態した幼虫はしっかり柚子の小枝にしがみついていました。風が吹いても雨がパラついてもびきともしないところが頼もしいヤツです。辺りの若い芽吹いたばかりの葉が数枚かじられていたので、柔らかい葉が好物のようです。このままサナギとなって羽化して成虫となり羽ばたいてもらいたいと願うのですが、いつの間にかいなくなることが多いので心配です。多分、鳥がやって来て食べられちゃうんだろうと思います。見つからないように気を付けてくれよな。
休日は一日何にもしませんでした。今日はそんな日曜日でした。だけど「ナーンニモシナカッタ。」というのは真っ赤な嘘です。人間、何にもしないなんてことはあり得ません。本当はいろいろあったけど、特に他人に対して話すような面白おかしいことはありませんでした。ということなんでしょう。僕は最近、旅行や出張で出かけることが多くて、家にはほとんどいませんでした。やっとゆっくりできる休日がやってきたので、今朝は朝寝坊しました。朝寝坊ほど気持ちの良いものはありません。適当に朝ご飯を食べて、熱帯魚の水槽を掃除しました。BGMはキース・ジャレットです。ガラスに付いた苔を取り除き、サイフォン式でタンクの水を少し汲み取り、あらかじめ貯めてあった水を足して、フィルターをすすぎ、炭酸ガスを注入します。水草のトリミングはまだしなくてもよかったのでそのままにしました。髭は剃らずにシャワーを浴びて、服に着替えたらもうお昼です。二人の娘のためにランチ作りに取りかかりました。妻は仕事でいません。BGMはクラフトワークに変えました。「冷やしぶっかけ讃岐うどん」と「サラダ」と山口の土産に買った「ごぼう餅」を焼きました。食事を済ませて洗い物を片付けるとやっと休憩です。バルコニーに出てみたら鉢植えの植物に花が咲いているものがちらほら見えました。バルコニーには鉢植えがたくさんあって季節が変わるごとに変化があります。その中で嬉しかったのは「オリーブの花」でした。オリーブは時折実をつけてくれますが、花が咲いているに気付かないことが多いのです。 オリーブは二本植えてるけども花が咲いているのは一本だけです。白い小さな花は目立たないので、今までは見過ごしていました。良かったぁ。「オリーブの花」を見つけたお祝いじゃないけど、ベンチに座って読書を楽しむことにしました。天気もいいし、風が吹いていて暑くはなかったので、午後のお茶が美味しくいただけました。というわけで、今日は何にもしませんでした。

車でドライブするにも長い距離を運転するのはもうできないと思っていましたが、どうしても行ったことがないところへ行きたいと思う気持ちが強くて、山口へ旅行する決意をしました。古い友人に同行してもらい、代わる代わる運転を交代しながらの旅です。金曜日の夜出発し、名神高速道路と中国自動車道をひたすら走り、「秋吉台」に到着したのは夜明け後でした。最初は体力的に不安でしたがやってみると案外楽に行けました。日本屈指の広大なカルスト台地が一面に見渡すことができるここは別世界でした。子供の頃から知っていた場所ですが、訪れる機会がないまま大人になってしまいました。だから苦労して見に来たかいがありました。天気はすこぶる良くて風は穏やか。気温も申し分のない高さで気分は上々でしす。少し仮眠をとっただけで眠気はあるもののこんな綺麗な景色を見たら一気に吹っ飛ぶというものです。ハイキングコースを歩いていると何やら足元の草むらに動物が走る気配を感じ、覗いてみるとちょうど穴に逃げ込んだ「ハクビシン」が草陰からこちらを睨んでいました。近づいて写真を撮ってやりましたが、かなり興奮していて豚のように鼻を鳴らし、「ぶううう。」と威嚇してきました。こんなところに外来種が生息していたなんて驚きです。石灰岩の岩と短い草しか生えていない特異な環境ですけど、「ハクビシン」には適しているのでしょう。地下の「秋芳洞」も素晴らしい場所です。エレベーターで地下80Mに降りて散策が可能です。鍾乳洞は狭い。と思われがちですがここは違います。スケールが大きい鍾乳洞でした。見所はいろいろあるけれど、何と言っても「青の天井」が最高ですね。「秋芳洞」の魅力は川が流れていることだと思います。その川が地表に出る場所から日光が差し込み、石灰が溶け込んだブルーの川水に反射して天井が青く光るんです。これってイタリアの青の洞窟みたいでしょ。幻想的です。また、「秋吉台」には「長者ヶ森」と呼ばれる樹木が生い茂る一画があります。何故だかここだけ木が育っているんです。ジブリ映画に出てきそうな場面を彷彿させる奇妙で優しい場所です。中に入るとただの木陰でなんですが不思議と落ち着きました。日本にはこんないいところがあるんですねえ。青い空に浮かぶ雲が子供の頃に見たようでとてもとても懐かしく感じました。







ゴールデンウィークも終わり高速道路は落ち着きを取り戻した様子です。今日は滝を見に来たのではなくて温泉に入りに来ました。最近来たばかりなんですけどねえ。またも「ひら湯の森」へ行ってきました。妻のリクエストなんですが、気に入ると飽きるまで続ける癖があるので時々困ることもあります。この間は氷点下の中、雪が降りしきる中で入湯したのですが、やっと春になって暖かい日差しがちょっと眩しい気がする程いい天気になりました。風が爽やかに吹いてくると露天では湯上がりの肌を冷やしてくれて気持ちよかったです。硫黄臭が強く、白い湯の華も豊富で、さすが奥飛騨の温泉とうなる名湯でくつろぎ、施設内のレストランで蕎麦をたぐり、すっかりご機嫌になったところで「平湯大滝」を見学してきました。「ひら湯の森」からは目と鼻の先です。駐車場が整備してあり、飲食店、土産屋、足湯などレジャー化が進んでいて車を停めて徒歩10分くらいで滝に近付くことができます。さらにその徒歩10分を楽にするために専用バスで1分で行くことも可能です!こりゃやり過ぎでしょう。と素直に感想を抱いてしまった僕です。滝というのは少しは苦労した方がありがたみがると思うんですけどねえ。秘境の匂いが欲しい。と、思ってしまいます。だからもちろん歩きましたよ。10分間。散々文句や御託を並べておいてなんですが、この滝、中々男前でいい滝でした。落差64メートルは大瀑布の名に恥じないたくましさがあります。滝壺からはかなり離れた場所までしか近づけません。ですが、風にあおられて届く滝しぶきが凄くて、まるで雨です。カメラで写したいなら防水対策が必要でしょうね。携帯電話のカメラを使いましたが緊張しました。道路から近いとは言え、北アルプスの新穂高、乗鞍の入り口。安房峠の手前にある滝ですから大自然を感じたって邪道ではないかな。夏の新緑。秋の紅葉。冬の氷瀑。と、四季を通じて楽しめる滝なんだそうです。氷瀑はライトアップされるというから興味があります。滝は飽きません。

気付いたら桜の季節はもう終わってしまいました。今日は、伊勢までやって来たけど桜を見ることはできません。でも海ならいつでもあるので、海を見てから帰ろうと思って「音無山」に登ってみました。仕事を済ませた後、ちょっと寄ってみた。というくらい軽い気持ちだったので、格好はスーツに革靴。山登り向きじゃなかったです。駐車場から展望台まで20分くらい。標高は120Mに足らないほどで小さな山です。遊歩道はしばらく舗装されていて、途中までは特別な靴でなくても登れます。吊り橋を渡った嵜が砂利の坂道になっていて山らしくなります。ここからは革靴じゃ大変でした。舗装された道沿いや吊り橋の辺りは桜の名所なんですが・・・。仕方ないですねえ。ペットボトルのお茶を片手に散歩になりました。展望台にたどり着くとそこには伊勢湾を望む絶景の海が見えました。やったあ。汗ばむ運動の後、美しい景色を見ると心が清々しくなります。贅沢言うと天気が悪くスカッとしていないことと、展望台の休憩所では中年の女性が二人ペチャクチャと大声でおしゃべりしていたのが残念でした。大自然の海に背を向けて、誰かさんの噂話を立て続けに喋りまくるのを聞かなくてはならいなんて気分よろしくありません。せっかく登ってきたのに。昼下がりの喫茶店じゃあるまいし。日の出が素晴らしい海の景観を図絵で紹介されていますが、富士山も火力発電所も八ヶ岳も恵那山も御嶽山も見えませんでした。飛島と浮島と答志島ははっきり見えます。渥美半島はうっすら見えました。そう言えばこの展望台には小さな神社もあります。神社のミニチュアで鳥居も狛犬も賽銭箱も小さいです。神社の名前が「音成神社」というから面白いですね。「音無山」の山頂には「音成神社」がある。不思議発見です。桜が咲いていたら。青空だったら。中年のオバさんがいなかったら。綺麗な女性と一緒だったら。と思惑はぷかぷかと春のそよ風に吹かれてどこかに行ってしまいました。







4月だというのに肌寒く感じる日でした。昨日から泊まりで東京へ行っていましたが、朝から雨が降って寒かったです。コートを着ていて正解でした。その東京から急遽姫路に行く用事ができて、新幹線で移動しお昼前には姫路に立っていました。姫路も曇り空で寒かったです。仕事を済ませて帰る時、新幹線の待ち時間を利用して姫路城の中にある「姫路市立動物園」を見学してきました。姫路駅から近いんですよね。眠気も残っていましたが、何もせずボーとするのもそれはそれで大変な仕事ですから、何かしている方がずっと楽なんです。姫路城は今や世界遺産。外国人観光客は絶えずやってくるので城の客寄せは必要ないと思われますが、大手門を通り抜けた場所に動物園があるのは少し場違いな気もします。もっと広い場所に移して充実させてやって欲しい気もします。更にミニ遊園地が何とも言えないレトロ感がにじみ出ていて、在りし日の寂しい昭和の忘れ物のようでした。動物園も小規模で見物客も小さな子供を連れた家族がフラミンゴの数と同じくらいしかいませんでした。この動物園は特に珍しい動物はいませんが、動物園にいる標準的な動物は押さえています。檻に入ったものばかりでちょっと見応えないところもありますけど、その代わりに間近に見られるという長所があります。アシカの仲間「オタリア」なんか水面から頭を大きく出すと迫力ありました。「エゾヒグマ」「ライオン」「ベンガルタイガー」なんか恐くて近づけませんよ。「ライオン」は襲うような素振りをしてくるし。逆に「アカカンガルー」はじっとして動かないですねえ。考え事をしているのかと思うと身体を前足でぼりぼり身体を掻いたりして人間臭いところがあります。「シロフクロウ」は綺麗ですね。人慣れしているのかまるで仙人が下界を見下すように顔を向けてくれました。「アライグマ」は見かけによらず凶暴なヤツで木の上から僕を威嚇してきました。フラストレーションでもあるのかな。動物園のシンボル的な「像」は姫子という名ですが、一頭だけでは寂しそう。そう言えばここは一頭だけしかいない動物が多いので寂しさが園内に充満してしてるみたい。そして何と言っても印象的だったのは「カバ」の希望子(キボコ)です。宿舎でひっそりと音も無く草を食べていました。その姿は神々しく思うほどです。注目されていないのかも知れませんが、僕はカバの姿を眺めるのは好きです。







鳴門のうず潮を見るのは二回目です。前回は淡路島から船に乗って見学しました。その時は力強い海の力に圧倒されたような記憶があります。今回は徳島側から見るうず潮です。鳴門のうず潮と言いますから、鳴門に渡って見ておきたいですものね。この日は大潮ではなく中潮の日でした。昨日が春の大潮でしたから、さぞかしデカイうずが見られたでしょう。スケジュールの問題でそこはちょっと残念でした。干潮のピークが15時30分でしたけど、14時前から潮流の変化があったような気がします。鳴門側からうず潮を見るためには船に乗ることもいいですが、「うずの道」から見下ろす手もあります。大鳴門橋の下部は遊歩道が造られていて、うず潮の真上まで歩いていける施設があります。床の一部がガラス張りになっていたりして、怖い思いもできます。世界でもあまり類をみない自然現象ですから見ていて面白いですね。高さ45Mと書いてありますが、距離感はうまく掴めません。それと日中は暖かいなと思って薄着でやってきたら風が強くて寒かったです。うずは現れは消えるのでじっと見て探さないといけません。観潮船はうずのできたところを目指して舵を切っているようでした。それにしても「うずの道」ですけど、橋の有効活用としてのアイデアはよかったけど写真は撮り辛いですね。床ガラスはどうしても傷や汚れが大きくて撮影に邪魔です。角度的にも写真撮影を考慮した場所が無くて、鉄橋のフレームでうずがよく見えないところも数多くありました。橋の強度設計を変更することは馬鹿馬鹿しいけど何か工夫が欲しいですね。安全性は高いとは思いますけど。写真では文句を書きましたが、狭い海峡と海底の地形が生み出す大自然の演出は十分楽しみました。高い位置から眺めるとそれはそれでダイナミックさが味わえます。なんだか台風の天気図みたいな気もします。うずの中心は洗濯機みたいです。







車で四国へ渡るには、3つのルートがあります。その一つ神戸方面から明石大橋を渡り、淡路島を縦断して大鳴門橋を渡ると徳島に着きます。うず潮が見たくて車で出かけることにしました。名神高速道路を西に向かい吹田JCTから中国道に入り、三木JCTから山陽道に進路変更してその先の神戸淡路鳴門自動車道を伝って橋を渡りました。街中を避けて大回りするルートですが、阪神高速の渋滞が読めないのでこちらを選択しました。ちょっとヘヴィなドライブです。しかも今回はペットのミニチュアダックスを連れての道中となりました。車に乗るのが大好きみたいなんです。持ち運び用のキャリーケースを積み込んで中に入れておきます。結構おとなしくしてくれるので大丈夫です。車酔いもしませんし。それに淡路SAのドッグランも休憩できて助かりました。鳴門北ICを降りて、お昼ご飯に「びんび家」で鯛の刺身定食を食べてきました。鳴門鯛は荒海で鍛えられた身が締まって美味しいと評判ですからね。昼前から行列ができていて人気があります。その「びんび家」に向かう途中、鳴門スカイラインという道路を走ったのですが、景色がいいので思わず展望台で駐車して撮った写真がこの「ウチノ海」です。内乃海と書くそうです。この景観、予想外だったので驚きも含めて感動的でした。ガイドブックに載ってない景色だったのです。鳴門と言えば「うず潮」ですからね。荒々しい波が渦を巻きながら動いていく様子とは180度違う海の姿です。正確に表現すれば大毛島と島田島の間にある入り江で、地図で見ればよくわかりますが海の周囲を陸地がほぼ完全に包括する地形で、素人が考えても波の穏やかさは折り紙が付いていると確信します。見ての通り、心を和ませる風景です。点在する船のようなものは釣り筏です。漁場としては最高の場所らしく年中魚が獲れる釣りのスポットです。筏には番号がふってあり、季節によって釣れる魚や違ったり筏の違いで狙える魚も違うみたいで好きな人には楽しめそうな釣り場です。意外な発見に嬉しくなってしまうほど素晴らしい景色でした。
野生のヒヨドリが、最近我が家のバルコニーに飛来するようになりました。しばらく住んでいますから、特別珍しくもなにもないのですが、やってくる頻度が多いということです。住宅地に野鳥が来るなんて長閑でいいじゃないかと思われるかも知れませんが、そうでもないんですよね。ちょっと困っているのは、手すりのフン害です。どうやら長居するようで、手すりの下が汚れるようになりました。おそらくですが、毎日来ています。そこでとりあえず不要のCDを軒先にぶらさげてみたのですが、何の効果もないことが分かりました。鳩じゃないんですよね。ヒヨドリは花の蜜が好きなので、ガーデニングで栽培している草木が花を咲かすと寄って来るのでしょうか。思い当たるのはアーモンドです。アーモンドは雄しべと雌しべが別に咲くので、蜂や蝶などの昆虫が来ないと受粉しないので役には立つのですが、それにしてもヒヨドリは迷惑です。手すりに停まり慣れているらしくて、しばらくごそごそやっていましたので、サッカー中継を中断してコンパクトデジタルカメラで撮ってやりました。ガラス越しに至近距離から撮影できるので普通のコンデジでも綺麗に写りました。人影には機敏に反応して飛び去ってしまいますから、手を伸ばしてモニターを下から斜めに見てオートフォーカスを使えば姿を捉えることができます。実はこのヒヨドリ、なんとバルコニーに侵入して何やら狙っていたようなのです。消えたと思って立ち上がったら、足下からバササと飛び立ちました。一体何を狙っていたんだろう?
3月31日、この日はいつも花屋が混むんですよ。年度末ですから3月で終わる人が多いんです。何が終わるかはいろいろですけど、一番多いのは職場でしょうね。人事異動や退職する人は一年通して最もこの日が多いに決まっていますから。日本全国の職場でお別れ会が開催され、送り出す人が去っていく人に花束を渡す。だから今日の午後はオフィス街の花屋が花束の注文をいっぱいもらって、店内はてんてこ舞いのようです。注文しても時間待ちは必至です。こんな日は花屋の店員に、あれがいいかな、これがいいかな、なんて時間をかけて選んだりしたら迷惑千万に違いありません。僕もそこは花屋の掻き入れ時に協力してあげて、チューリップの花束を頼むことにしました。チューリップは簡単でいいです。色が選べるというのでピンクにしました。そしてとても久しぶりにチューリップを購入しました。何も混んでる日に花束を買うことないとよく分かっていますが、こっちだって記念日をずらすわけにもいかないんですよ。そりゃ法事なら都合の良い日程にしてしまえばいいんでしょうけどねえ。例年ですと、この時期はすっかり春の陽気になっていてどこか浮かれた気分にもなるんですが、このところ冬のような寒い風が吹いていて、天気も悪いことからチューリップの花弁も閉じたままでした。「今日は曇りで寒いですけど、太陽が照ると開きますから。」と店員さんは僕にチューリップの花束を渡しながら教えてくれました。家に持ち帰り、飾ってもらおうと遠慮がちな妻に見せると、「チューリップは、つわりの時のつらいことを思い出す・・・。」なんて言うもんだから、ちょっと選択ミスでした。難しいなあ。「一回やってみてよ。」と言われてもねえ。それでも、すぐに過敏に差し替えて洗面台に飾ってくれました。女って、やっかいなんですよ。