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バッシング (2005/日)(小林政広) 75点

2007-06-20 10:28:08 | 映画遍歴
意外と芯のある映画で、上映中は全く退屈しなかった。こういう人間の深部に直接入り込み切り刻むテーマは見たくないものを無理やり見せられるようで、人間はどちらかというと避けたいというか、引いてしまいたい分野なのである。
そこを、興味本位でなく、一気に個人と世の中との関係、調和、断絶、悪意を見開いていく。イラクのことを説明を一回もしなくて、この映画を維持できているということも素晴らしいと思う。
ただ、海外ボランティをする動機付けがああいう、出来損ない部分が多いという本人の説明は聞くだけがっかりするところであり、不要だったのでは、、。
父親の「時を待てない」であっさり死んでしまう部分は何だかこの映画で一番強烈に残滓となって残るところだなあ。
娘にボランティアを応援すると言っておきながら、いざ自分の問題となると自分自身で解決できない日本のオヤジ。結構いるよね。うーん、身近な問題でもあるのだ。
母親との最初で最後の和解はそれなりにこの映画に灯をともしている。人間って生きていかなくちゃならないんだから、希望は最低限必要ですよ。嘘であっても映画的にもバランスを支えていたと思います。もっとみんなに見てもらいたい映画ですね。

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