前田アキヒロ氏は翻訳ものがお好きです。これまでの劇はセンスあるコミカルでいて、楽しい。そして深い人生劇もある。今回はミステリーじみた探偵ものだが、僕はまともに犯人当てを推理していたものだから、ちょっと外れてしまいましたが、それでも楽しく明るい劇であります。
いつもながら舞台づくりが豪華で精緻。こんな舞台は終わった後、解体するのが惜しいでしょうなあ、そんなことをまず考えてしまう。贅沢な大道具であります。
話しはというと、まあそれほど凝っていないので、フランクに見ればいいのかな、今回は出演者の演技を見るべき劇だと勝手に思料。
後半になってやっと出てくる署長の小川豊記、最初カッコいい役作りで色っぽい水野桜花、人生の味わいを感じさせる渡辺亜由美は出番が少なく、ちょっと惜しい気もします。
その代わりごひいき、私立探偵役の川田恵三は出ずっぱりで、完全主役。この劇をリード役、雰囲気作り、色合いまで彼に任されることになる。簡単そうで意外と難しい役柄であります。よくやった。
彼の強引恋人役になる原美由紀は魅力たっぷりの美女美女です。彼女に迫られたら川田は即ノックダウンでしたね。性格俳優的演技を求められる大林みづきは小さな体ではあるが、大きな演技で舞台を盛り上げる。彼女もビジョビジョです。この劇団の客演は美し過ぎますなあ。見とれます。
あ、そしてカッコいいお二人さんの男優たち。高橋直希、小山ゆうまは的確な演技でこのミステリー劇を推進させる。よくこんな役者さんを見つけてきましたなあ。この劇団はますます観客動員層に女性を求めているようです。
いやあ、楽しい2時間でした。短く感じました。
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