舞台の奥に大きく掲げられている大坂の808橋地図。ずっと思ってたんだけど、東が上にある。その架空線上には大阪城が。現代の地図とは随分感覚が違うが、当時は大阪城を東西に発展していたせいだろうか。
これに目をつけた林は西方浄土とミックスすることにより、不思議な大阪噺を見せてくれた。
林の作品は能との融合劇でも知られるように、奇想天外な宇宙的な構想に身近な話をくっつける。これがまたたまらないほど面白い。むずいようで、何だか楽しいのだ。
今回は宇宙的なものは影を潜め、大阪808橋の人間喜劇を基本づけのか、コミカルなんだけど、饒舌でもある。大衆版に徹したかのような林の変わり身である。
これにちょっと僕は驚くが、いつものリフレインもあり、まあ楽しめる。でも林の面白さはこんなものではないと思う。ランタイムもちょっと長かったから、女性3人のお話なんかも、少々饒舌に感じたところは林一流の余裕なのかもしれないですね。
アイホールの大きな舞台、そして橋を自在に動かす舞台づくりに彼のやる気を見る。次回がますます楽しみになった。
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