冒頭からの15分。映画ファンを画面にくぎ付けにさせる様々な映画テクで、さすがスコリモフスキやってくれるじゃないかい、と思わせる出だし。僕のまなざしは微笑んでいる。
交錯する多数の挿話。何故か街中に突如現れる大型飛行機。その音響で割れるガラス。黒いしみ。映画趣味を奏でるシンフォニーが鳴り終わるまでは観客を高揚させる。
そして午後5時11分。今までのすべてが収束し、人は時間の帰属を見る。それは小さなモンタージュであり、集合するとさらなるモンタージュとなる。
それぞれの挿話にそれほど人生的な暗喩もない。それらは通常の日常の積み重ねである。現代でまだ映画の可能性を信じ、邁進するスコリモフスキ、若いねえ。映像の質感も何故か1970年代の味わいを見せていた。ポーランドがそうさせるのかもしれないが、、。
映画ファンを元気にさせる1作でした。
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