萩原信一郎の「滑走路」は現代に迷いつつ降り立ちそしてすぐ飛び立ってしまった歌集です。どれを読んでも彼の哀しみといちずな喜びが伝わってくる。どう映画化するのか気になっていたが、、、
まずまずうまくまとめていた、と思う。現代の生きづらさが目の前に壁のように立ち塞がる。息さえできない閉塞感。それでも人と人とのつながりは生きる術になるのだ。テーマは重いが清涼感が全編漂っている。
特に、ただ一人自分のことを理解してくれていた女の子との別れと愛の成就のシーンは耐え難いほど美しくこの映画の唯一の救いの場面だ。
それでも現実はそれ以上に残酷で彼には耐えられなかったのだろう、、。いつでも彼の歌集を読み返す日々です。
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