いやあ、3時間近い長丁場だったけど、全然大丈夫だった。久々の拾い物の映画です。
父親が娘を仕事場までストーカーに近い行動に出るという前代未聞の映画で、型破りの映画でしたなあ。最初は何だこりゃあと思ったけれど、だんだんいとおしくなる展開はドイツ映画の力量を感じました。
それと、映像の合間に見える、ハンガリー国の資源国なのに、ドイツに搾取される構造を皮肉って、それを真正面から堂々と映し切って見事。たまらんです。
そのハンガリー国の貧しさが何やら昭和初期の頃の日本を彷彿させ哀切感も伝わってくる。そのドイツを体現する娘の表情がだんだん変化してくる過程はこの映画の醍醐味であろうと思う。
あの、すべて真裸になろうとすっぽんポンになるパーティーシーンは恐らく長く語られるのではないか。人間の心が融解して本来の人間に戻るラストは素晴らしいの一言。人間賛歌である。唸りましたなあ。
最近では有数の、力強い傑作だと思う。
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