画廊ともいえる小さなアトリエでの演劇公演です。狭いスペースに観客は椅子に座るも、俳優陣は観客のの前を横を後ろを自由自在に動き回る。けれどそこに存在するのはあの有名なギリシャ悲劇「オイディプス王」であった。
脚色はしてあるが、ほぼ原作通りのオイディプス王である。
この劇も何回となく見てきたが、いつも見た後は感動に包まれる。それは人間の生きることの過酷さと悲惨さを前面に出しているからだろう。オイディプス王の悲劇は運命という大きな力から逃れることのできなかった一人の男の生きざまを描いている。
世の中にこれほどの大罪を犯し、また一方無垢な男もいないのではあるまいか、と思われる鮮烈な人物像である。この大きな原罪というテーマを5人の若き女性で描き切ったのだからすごい。秀作です。
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