ホドロフスキーって、恥ずかしながら初めて聞く名前でこの映画が初体験。どこの国の映画か分かるまでに時間を要し、チリってあまり知らないなあと思いつつも国情がそのうち分かって来る。
かなり奔放なイメージが映像に蔓延している。足や手をなくした人たちが搬送車にゴミのごとく運搬されるシーンはその風貌にまず気持ちを奪われる。いろんな映画を見て来たがそういう不具者たちを俳優として大勢使っているのを初めて見る。どう思えばいいのだろうか、、。
そんなことから始まり映像は彼の脳内イメージのオンパレード。結構グロテスクなシーンもボンボン出てくる。俳優さんたちも大変ですなあ、と、こちとら、余裕のある鑑賞眼(自虐的です)。
でもあまり自分に沁み通ってくる何かがこの映画からは感じられないのです。自分の自叙伝のような話なんだけど、散発的な気もしたし、何だかなあ、、。
後半になって父親が大統領を暗殺すると決心し、放浪の旅に出る。それからは結構画面も引き締まって来る。テロの本質である政治信条と人を殺すということの懊悩。手がマヒしてしまい、やっと握れたピストルで狙い射つ肖像写真。スターリンとチリ大統領と自分自身はいわば同一であった、、。と、この場面は内省的でなかなか面白かった。
でもねえ、なんかじんわり僕の心に触れるものがないんだよね。こればっかりは名画を見ても全く何も感じない一枚の素通りの絵画と同じである。合わないだけかもしれないが、、。
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