セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 88本、 演劇 65本

DRAMA MISSION Z號『大当たりの相続人』(脚本・演出 池田直隆)(於・IKSALON 表現者工房) 85点

2017-07-31 20:17:31 | 演劇遍歴

急に見ることになった演劇で、正直それほど期待はしていなかった。ところが、韓国俳優二人の共演が、特に言語の違いを感じさせない工夫により、随分生芝居の迫力を醸し出してくれる。

8年間にわたる女と男の愛の物語である。二人を介しているのは亡き夫である。舞台となるのは小料理屋。そこは夫が残した唯一の場所・オアシスであった、、。

この店に通う人たちを写しながら、彼らの人生をじっくり描いてゆく。バブルを背に変わりゆく日本。彼らはまさにその影響を受けた人たちであった。

この小料理屋のママ、すこぶる清楚な女性に扮する桂ゆめさんが驚くほど美しい。檀れいに似ており、とても華やかである。通常、小演劇では見ないほどの美貌である。

亡き夫と夫の友人と間に揺れる心。演劇なんだが、まるで映画を見ているようなきめ細かい情景を見ることになる。

宝くじが当たったり、超セレブが二人も出現するなど、随分エンタメ要素もあるなあと思っていたら、ラスト近くになって二人の愛の次元が告げられ、観客は驚きで奈落の底に落とされる。なんとまあ、、。ものすごい極愛である。そんな愛があるのだろうか、と僕は頭が真っ白になる。

でもこれがこの劇の崇高さをさらに極めてゆく。さて、やはり二人は別れてしまうのかと思いきや、最後の最後でやっと立ち止まる。その微動作の美しさ。感動の極み。そして幕。

いい劇を見たなあ。今年見た劇でも有数の出来だ。今日はいい日である。気持ちもルンルン。だが、外を出ると真夏の蒸し暑さ。でもそんなこと全く気にしないで駅前まで歩く僕。熱風も気にならない。


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  月いちリーディング ナガイ... | トップ | ワン・デイ 悲しみが消える... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
7月ラインナップ (観劇オバケ )
2017-09-26 13:05:38
セント様

⚫同志社大学第三劇場『一千夜物語』
⚫安住の地『渓谷メトロポリス化計画』
⚫本若『龍栖に咲く-霧ヶ城恋歌-』
⚫SKE48研究生『青春ガールズ』
⚫龍谷大学劇団未踏座『テノヒラサイズの人生大車輪』
⚫神戸大学自由劇場『SPOOKY HOUSE』
⚫いいむろなおきマイムカンパニー『butterfly effect -バタフライ エフェクト-』
⚫BLACK★TIGHTS『狐姫』
⚫Micro To Macro『リトル・ソング』
⚫ジャグリング・ユニット・フラトレス『二階建ての家』
⚫大熊隆太郎×アカルプロデュース・劇団SOLA『スポチャンストリート』
⚫ももちの世界『黒いらくだ』
⚫よしもと×アカル Off-Off-Broadway 0F『SYK』
⚫中野劇団『楽屋ちゃん2017』
⚫ダンスイベント『ココロ、オドル。』参加アカルプロデュース公演『ダンス×ボーカル×アクトステージ』
⚫鶴見商業高校演劇部『フレンズレンジャー』
⚫劇団つちの娘『農業少女』
返信する

コメントを投稿

演劇遍歴」カテゴリの最新記事