気になっていた展覧会に行く。この中之島美術館は開館1年を経るが、初めて見たい絵画展が来たのだ。佐伯は子供時分からかなり好きな画家で、ユトリロとブラマンクに佐伯はかなり影響されていたらしいが、僕はこの二人が昔から好きで、何度も絵画展に行ったものだ。
佐伯祐三の絵画はこの中之島美術館の前身に、確か心斎橋の東急ハンズの横側にひっそりと佐伯美術館があったのだ。ことあるごとく、僕は通う。だから今回の美術展はそのリフレインだろうと思っていた。
ところが、その心斎橋の佐伯美術館と、今まで見てきた佐伯の画集とも少し違う違和感を今回の絵画展は持ってしまった。
それは何かというと、今まで絵から感じ取った哀しみといった感覚がほとんど感じられないのだ。あのあっけらかんとしたユトリロでも感じる哀しみは今日の絵画展ではあまり感じられない。まるで違う画家のように思えたほどだった。
結構強いんだよね。弱さを出さないというか、(弱さ自体が)ないのかもしれないが、俄然媚びない自信満々の佐伯の強靭さを見て少し距離を覚える。絵は好きだが、こんなこともまた珍しかった。
その中でも「下落合風景」「郵便配達員」「ロシアの少女」は圧巻。
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