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サマーウォーズ (2009/日)(細田守) 75点

2009-10-09 14:28:35 | 映画遍歴
アニメ嫌いの僕がまたしても青春の息吹を感じたくて【細田守】を見る。

【細田守】と言ったら鮮烈な青空だ。淡き青色のようでいて、むしろ碧色に白を混ぜた感じ。切ない色だ。空模様は雲が近付くと一変して黒く灰色に濁る。それが青春だ。青春こそ淡く哀しくそして現実的には残酷だ。

最新作はネット社会の危うさを題材に実際の敵が人間から生み出されたバーチャルなものとして提言される。(将来かもしれないが)バーチャルなものが新しい時代の悪であり、神であるのだろう。アメリカ映画だとこのテーマは凄味を増すのだろうが、【細田守】である。怖さがない。むしろその神は可愛く、滑稽でさえある。

何せこいこいという恐ろしく単純・懐古的なカードゲームで決戦させるのである。アイデアは面白いと思ったのだろうが、やはりやったこともないゲームなどにバーチャル神が対戦するなど、ちゃんちゃらおかしい。かなり浮いている。

でも、【細田】の大家族への変なあこがれは別として、いい年をした大人から子供まで一斉にネットから輩出した戦争を一心不乱に一つの気持ちになって闘っているというのは素晴らしい。新しい社会形態だと思う。

例えばその前の、長老が死んでいるのに葬式はそっちのけでネット戦争に固執している様も同様だ。新社会感覚である。

そういう映像を見ながら、高揚している僕自身も少々恥ずかしいが、若き映画ファンと少しでも気持ちを共有しているはずだと思う。少なくとも映画を見ている間は、、。

【細田守】、まだまだ粗いところはあるが、冒頭で言った青い色が分かっている映画作家だ。映画とは青春だ。この青さを永遠に持続して欲しいと僕は思う。

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