トルコ移民者からの目線で眺めた家族の物語である。日本だったら朝鮮からの移民者と考えればいいのだろうか、ただ他にも多種の国から移民の事実があるドイツとは多少様相が違うのかもしれない。
あまり国籍のことは深く考えない。
後半、一家の長であるおじいちゃんがふらっとするところで僕はこの映画が「トルコ版東京物語」だということに気づく。この映画、孫まで大勢の出演者だから分からないが、「東京物語」は老夫婦が東京に子供たちを訪ねる映画だった。それに反しこの作品は老夫婦が家族全員で生きてきた根拠を訪ねる映画である。
逆バージョンである。それを悟られたくないがためか、死を妻(東山千栄子)と夫を逆にし、また亡き息子の嫁(原節子)から孫娘に感情移入役をうまく配している。
とこういう企みに気づくと、なんと滑稽で哀しく愛らしいこの作品も、ちょっとあざとく思われてしまうのはいつもの僕の習い性か、、。
さらりと涙が出るのはいい映画の証拠。でも、トルコでは埋葬がああいいう風に簡単にできちゃうんだろうか、とか突っ込みどころも多々ある。いま日本でも何かことがあれば家族・家族。いい映画だけど何かなあ真実味がないなあ。こんなこと言ってる僕ってやはり変かなあ。
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