セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 62本、 演劇 40本

劇団伽羅倶梨(作・演出 徳田ナオミ)(於・伽羅倶梨スタジオ) 80点

2016-10-24 20:19:11 | 演劇遍歴

徳田ナオミさん、いよいよ独自線を勢いよく邁進する。今回はまさに「高年齢者の行き着くオアシスとは」という人類の避けては通れない命題に挑戦する、、。

300円のブレンドペチカコーヒー。小さな純喫茶店。そこには不思議とお年寄りが訪れる。大会社の社長風情男。うらぶれた汚れた長靴をはく男。性格が正反対に思われる女性の二人連れ。そして足がいかにも弱そうな老女一人。

マスターは若き清潔感のある男。そして清純そうなうら若き女ウェイトレス。見ればどこにでもある喫茶店風情である。しかし実は、、。

うまい導入部である。10分で、言葉で説明せずともここがホントはどこか分かる仕掛けとなっている。観客はもう完全に徳田のペースにはまっている。

そしてさらに不思議なことにはあの長靴男にだけ見えるペチカ妖精4人が登場する。果たしてここはどうなっているのか、、。

導入部に比べてラストになるに従い、それほど驚くことのない展開になってはいるが、それでも僕でもこんなホームがあれば入ってみたいと思う。人類みんなが望むまさに現代の桃源郷であろう。

一人一人が年を重ねた人間をきっちりと見つめれば人類に不幸はやってこない、とでも言わんばかりの徳田の平和宣言である。優しいし、美しいし、しかも強い。

まだまだ続くこの劇団。その未来に永遠あれ!!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 教場2(長岡 弘樹 著)(小学... | トップ | 箱庭計画「永久の神憑き」(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

演劇遍歴」カテゴリの最新記事