映画が10年ほど前から急に好きになり、というより若い時から良く見てはいたのだが、急に映画がぼくの余暇の日常の中心となってしまった。
いいとこ年に4,5本しか見ていなかった僕が、週に4,5本は見るようになってしまったのである。その頃は韓国映画はまだ韓流なんてまだ言っていなかった時で、「シュリ」が起爆剤となり韓国映画がどんどん日本でも上映され始めた時であった。
渋谷の東急系の映画館でハン・ソッキュ主演の映画が特集上映されていた。それを3本連続見た。最終は午後10時を過ぎていた。それからだろうか、翌週から僕の映画狂いが始まった。
以降、年100本から多い時は200本を超えるときもあった。朝から見出して家に帰ると午後11時ということもあった。一日5本という日もあった。
なんせ僕は極端なんです。ほどほどということを知らない男です。でもこういう生活が10年も続くとは、僕の人生でも思いがけないことです。
と、冒頭から僕のおしゃべりが始まってしまいました。
先週「春との旅」を見に、大阪ブルク7に行きました。平日でちょうど昼ごろでした。チケットはいつも通りスムーズに買えました。昼食をして映画館に戻るといつも閑散としているロビーが何やら人で埋まっています。
高齢者がほとんどです。まさか僕の見る映画かな、とも思ったのですが、この映画の監督小林政広氏の映画はとっつきにくいことで有名で、いつも館内はがらがらです。僕はこの監督作品が好きで、いつも通り見に来たのでした。
フロア案内のスタッフもいつもより元気が良かったようです。声が出ていました。何とこのフロアのほとんどの人は「春との旅」を見に来た人たちでした。館内はほぼ満席。うーん、すごいなあ。この感覚は2年ほど前ガラガラだろうと思い何気なしに見た「おくりびと」がぎっしり満席だったことを思い起こしました。同じこのブルク7です。
映画は小林作品にしてはとても分かりやすく、いつもの観客を突き放したような(実際はそうではないのですが)演出ではありません。老人とその孫との二人旅なのですが、彼らはむしろ黒子に徹した展開です。会いに行く兄弟4.5人がいわば主役なのです。
そこが実は小津の「東京物語」と違うところなのですが、高齢の老人役の仲代達矢が実に豪壮な体格で、隆々たる演技なので黒子には見えません。ひょっとしたらそれが問題なのかどうか僕にはわかりませんが、でもその目立った演技はやはり映画の格を引き立てていました。
映画が終わり観客がロビーに出る。みんないい映画を見た後に出来る余韻を一人一人が持っている。その時です。時間とお金を今一番所有しているのはこの老人パワーではないのか、ふとそう思いました。
翌日梅田ガーデンシネマに行く。「トロッコ」を見る。この映画も家族と自然との関係を問うた映画だ。台湾での占領の話が出て来る。この映画も昨日と同様老人が多い。昨日も感じたのだが、老夫婦で来ている。いわばカップルだ。結構混んでいる。あ、そうか、考えたら先週見た「オーケストラ」も老人パワー満開だった。そういえばさらに先週、のも、、。
僕が良く行く心斎橋のシネマートも韓国映画系が上映されることが多いが、早目にチケット買わないと立ち見になってしまう映画館だ。(大体僕は映画館は平日しか行きません)
韓流系の映画だったらほぼおばさま族。ちょっと硬派の韓国映画だったら、それに高齢者且つヤングの男性も入る。
たまに、時間調整で見る映画で、携帯系が原作のラブストーリーなんかで女子高生ばっかりの中に僕が入っているということもありますが、先週だったか、梅田ピカデリーで「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園 」を見に行った時、どう考えても女子高生でいっぱいかという僕の予想は大きく崩れ、結構がらがらの館内はほとんど僕と同じおじさんが大勢を占めていたのです。女性はひょっとして、いても一人か二人ではなかったか、と。
このように大体今や映画を見る中心は実年層だと思わざるを得ないのではないか、と思い到りました。ということは時間と金を多少持っている年金層がこの日本の娯楽を引っ張っていく漕ぎ手かもしれないのです。これがいいことかどうかは別として、レジャー業界はヤングも引き付けしかも年金層はしっかりと繋ぎ止める施策が必要なのかもしれません。
ちなみに、かく言う僕も実にまだ年金は貰ってはいませんが、しっかり実年層です。もっと若い人も映画を見て欲しいよ、と思います。勿論「のだめ~」とか、若い人で満席になる映画もありますが、(その中にしっかりと僕も入ってはいますが)「のだめ」もいいですが、若い人にはもっと幅の広い映画も見て欲しいと思うのです。
長くなりました。やはり当分映画はやめられそうにないなあ、。。
いいとこ年に4,5本しか見ていなかった僕が、週に4,5本は見るようになってしまったのである。その頃は韓国映画はまだ韓流なんてまだ言っていなかった時で、「シュリ」が起爆剤となり韓国映画がどんどん日本でも上映され始めた時であった。
渋谷の東急系の映画館でハン・ソッキュ主演の映画が特集上映されていた。それを3本連続見た。最終は午後10時を過ぎていた。それからだろうか、翌週から僕の映画狂いが始まった。
以降、年100本から多い時は200本を超えるときもあった。朝から見出して家に帰ると午後11時ということもあった。一日5本という日もあった。
なんせ僕は極端なんです。ほどほどということを知らない男です。でもこういう生活が10年も続くとは、僕の人生でも思いがけないことです。
と、冒頭から僕のおしゃべりが始まってしまいました。
先週「春との旅」を見に、大阪ブルク7に行きました。平日でちょうど昼ごろでした。チケットはいつも通りスムーズに買えました。昼食をして映画館に戻るといつも閑散としているロビーが何やら人で埋まっています。
高齢者がほとんどです。まさか僕の見る映画かな、とも思ったのですが、この映画の監督小林政広氏の映画はとっつきにくいことで有名で、いつも館内はがらがらです。僕はこの監督作品が好きで、いつも通り見に来たのでした。
フロア案内のスタッフもいつもより元気が良かったようです。声が出ていました。何とこのフロアのほとんどの人は「春との旅」を見に来た人たちでした。館内はほぼ満席。うーん、すごいなあ。この感覚は2年ほど前ガラガラだろうと思い何気なしに見た「おくりびと」がぎっしり満席だったことを思い起こしました。同じこのブルク7です。
映画は小林作品にしてはとても分かりやすく、いつもの観客を突き放したような(実際はそうではないのですが)演出ではありません。老人とその孫との二人旅なのですが、彼らはむしろ黒子に徹した展開です。会いに行く兄弟4.5人がいわば主役なのです。
そこが実は小津の「東京物語」と違うところなのですが、高齢の老人役の仲代達矢が実に豪壮な体格で、隆々たる演技なので黒子には見えません。ひょっとしたらそれが問題なのかどうか僕にはわかりませんが、でもその目立った演技はやはり映画の格を引き立てていました。
映画が終わり観客がロビーに出る。みんないい映画を見た後に出来る余韻を一人一人が持っている。その時です。時間とお金を今一番所有しているのはこの老人パワーではないのか、ふとそう思いました。
翌日梅田ガーデンシネマに行く。「トロッコ」を見る。この映画も家族と自然との関係を問うた映画だ。台湾での占領の話が出て来る。この映画も昨日と同様老人が多い。昨日も感じたのだが、老夫婦で来ている。いわばカップルだ。結構混んでいる。あ、そうか、考えたら先週見た「オーケストラ」も老人パワー満開だった。そういえばさらに先週、のも、、。
僕が良く行く心斎橋のシネマートも韓国映画系が上映されることが多いが、早目にチケット買わないと立ち見になってしまう映画館だ。(大体僕は映画館は平日しか行きません)
韓流系の映画だったらほぼおばさま族。ちょっと硬派の韓国映画だったら、それに高齢者且つヤングの男性も入る。
たまに、時間調整で見る映画で、携帯系が原作のラブストーリーなんかで女子高生ばっかりの中に僕が入っているということもありますが、先週だったか、梅田ピカデリーで「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園 」を見に行った時、どう考えても女子高生でいっぱいかという僕の予想は大きく崩れ、結構がらがらの館内はほとんど僕と同じおじさんが大勢を占めていたのです。女性はひょっとして、いても一人か二人ではなかったか、と。
このように大体今や映画を見る中心は実年層だと思わざるを得ないのではないか、と思い到りました。ということは時間と金を多少持っている年金層がこの日本の娯楽を引っ張っていく漕ぎ手かもしれないのです。これがいいことかどうかは別として、レジャー業界はヤングも引き付けしかも年金層はしっかりと繋ぎ止める施策が必要なのかもしれません。
ちなみに、かく言う僕も実にまだ年金は貰ってはいませんが、しっかり実年層です。もっと若い人も映画を見て欲しいよ、と思います。勿論「のだめ~」とか、若い人で満席になる映画もありますが、(その中にしっかりと僕も入ってはいますが)「のだめ」もいいですが、若い人にはもっと幅の広い映画も見て欲しいと思うのです。
長くなりました。やはり当分映画はやめられそうにないなあ、。。
「おくりびと」のことを書いておられましたが、「おくりびと」というと私は3月で閉館になってしまった「滋賀会館」のことを思わずにはいられません。古色蒼然とした建物の5階にひっそりと存在していた「滋賀会館」のシネマホール。京都や大阪まで出かけなくても私が見たい映画を数多くかけてくれる貴重なホールでした。経営が苦しいのはわかっていたのですが、最後の一撃を加えたのが「おくりびと」だったのです。(もちろん大津市が滋賀会館の閉鎖を決めたのであって、いずれは閉館になってはいたのですが…)あのアカデミー賞の受賞騒ぎの後、滋賀会館でおくりびとが再上映され、中年、老人たちが押し寄せました。今まで滋賀会館に訪れなかった人たちです。そしておくりびとばかりが上映され続け、ずっと通い続けていた常連たちは去りました。私も今までと違う雰囲気になってしまった滋賀会館から足が遠のきました。そういう、なんともいえない思いが「おくりびと」にはあるのですが、そのとき改めて老人パワーを感じました。
決して商業的に成功を収めそうもない「春との旅」もこの老人パワーで興行面でもうまくいってほしいと願わずにはいられません。
滋賀会館は行った事はないですが、大阪で言うミニシアター系映画館でもあったんですね。
ときどき京都で京都シネマにまで繰り出すことはありますが、京都でも上質の映画館が廃館になっていますね。
ですから私は今年からなるべくメジャーよりマイナーな映画館に行くことにしてるんです。
十三の第七芸術劇場、九条のシネヌーヴォーは今年は回数が多いです。先日も初めて館内で一人という経験もらラッキーなことに経験させていただきました。
「春との旅」はブルク7なので、一応メジャー系といえますね。そういう意味でも小林作品がメジャーというのも珍しいです。
Bluebellさまとは、ひょっとしたら京都あたりの映画館で知らずに会っているのかもしれませんね。では、また。