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ブロークン・イングリッシュ (2007/米=仏=日)(ゾーイ・カサヴェテス) 75点

2008-12-26 14:31:25 | 映画遍歴
この映画を見てやはり男性と女性との違いを感じてしまう僕でしたが、普通の女性の何気ない心の移ろいを繊細なスケッチでさらっと書いてしまうその映画的手腕はさすがと思わせるものがあります。

ごく普通の女性である。セックスも好きだが、心の空白を埋め合わせてくれる男性をどちらかというと求めている。精神的なつながりだけは絶対必要。セックスを通じて心を通じさせたいと思っている。

超普通の女性であります。でも、オトコからすると欲張りと言うのではないけれど何となく面倒くさい女でもあります。女性がこういうことを考えているのは、さもあらん、思っているわけですが、だからってオトコどもがどうなるわけでもない。こういう男を求めて彷徨っているオンナより、自然とそういう男にめぐり合って自然発露的にいい恋愛をしてくれるオンナをオトコは欲している、と思う。

そこがオトコとオンナの違いなのかもしれない、とも思う。

別にどうということもない恋愛スケッチなんだけれど、心の揺れをそのまま映像化した感じが自然でいい。観客の心もそのまま画面に委ねられるように主人公の心に寄り添う。まるでキャンバスに自分の心の心象風景を描いているかのように、パレットに淡い色彩の絵の具を重ね合わせていく。

新しい映画じゃないけれど、いい映画だ。嘘じゃない現代女性の心のほとばしりがそのまま映像化されていると思う。地味だけれど残る映画だなあ。

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