ニールサイモンと言えば、わが青春時代に映画化されたものも多いブロードウェイの名脚本家であります。たまにはメジャーの演劇をも、また懐かしい時代に触れたいなあとも思い鑑賞しました。しかもこの演劇、好きな役者・村田雄浩&篠田三郎が出演していて、何とも興味津々だ。
話は中年サラリーマンの挫折からくるニューヨークの生活が決して楽園でなく、むしろ牢獄に思えてくるという現代的な意味を秘めている。しかし葛藤を経て、夫婦のかすかな希望さえにじませるところで舞台は終わる。
50年前だったら、斬新なテーマなんだろうけれど、我々はそれから50年を経て、さらに新たな現代の過酷な生に細々と生きているのが現状。私にはこのテーマは少々時代性を感じるものとなっていることに気づく。
村田雄浩の演技は相変わらず水を得た魚のようにダイナミックでまた繊細さを見せる。役者尽きる役柄だ。受けて立つ妻の保坂知寿も堂々とがっぷり四つの演技を見せ、私には鋼鉄のような女に見えた。素晴らしい。
篠田三郎をまじかで見るのは初めてだが、さすが、篠田である。いまだみずみずしい。役者しても頼もしい限りだ。
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