そう言えば最近少なくなった仏前結婚式。多少宗教上の制限はあるにせよ、昔はもっと多かったような気がする。そんな「坊さんは葬式以外何をする?」の解答編なのだが、24歳の青年の人生とリンクさせ、意外といける映画となっている。演出の真壁幸紀は鮮やかでさえある。
幼友達が子供を産み、そのまま脳梗塞で寝たきりになってからの彼の悩みからの結論は安直過ぎる気もしないではないが、彼が伝道者であるからこそ感動を呼ぶ。1000年を超えて平安の、空海のこころにまで及んでいる。ここがこの作品の優れたところである。決して宗教臭くなく、自然と人間のあり方、営みの一つとして描かれている。
それにあの3人の仲間がいいね。幼馴染の3人と片や高野山大学の学友の3人。やはり人生は仲間がいて何かの時に頼りになり、助けてくれる。それが理想的過ぎても、現実的でなくとも、だからいいのだ。そんなみずみずしさがこの映画のあちこちに佇んでいる。
久々に仏を通して青春を思い起こしてくれるいい映画でした。佳作です。
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