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新宿インシデント (2009/香港)(イー・トンシン) 70点

2009-05-17 11:46:37 | 映画遍歴
ジャッキーのターミナルポイントとしての演技を見るべきなのか、今までとはイメチェンを図ろうと模索しているのは分かるが、、。

まず普通の中国人になりきっているその人物像に驚いてしまう。別にジャッキーでなくてもいい役柄で、だからこそ演技をじっくり見るべきなのか、しかしこの映画の背景は新宿のマフィアものであるからして、観客はジャッキーのアクション演技をどうしても画面から透視してしまうのである。

映画自体は最初はうらぶれたそれこそ普通の密入国者の中国人の生活が描かれているが、別に演技的にも見るべきところはない。やはり悪の世界にどんどん首まで使っていくところがこの映画の珠玉部分だろう。そのエスカレートする悪への染まり方は少々説得力がないが、えも言われぬどす黒い迫力が画面を圧倒してくるのに気付く。

でもこれはジャッキーの演技のせいではない。新宿という題材と情念の捉えかたに一流意識を持っている【イー・トンシン】監督の成せる業なんだろう。

ジャーーキーが今岐路に立っているのは分かるが(年齢的なものが恐らくその主となるのだろう、映画でも恋人シュシュとの年齢的不釣合いは少々考えてしまった。)、今までの路線に戻るか(観客は大歓迎だ。)、それとも思い切ってアクションでないシリアスな映画に挑戦というのはどうだろうか(ファンからは反発も多いと思うが)、、。少なくとも中途半端なアクション映画には出ない方がいいのではないか。

ジャッキーのことばかりに言及したが、でもこの映画の出来に関しては後半の異様な迫力は特筆ものだし、十分水準の出来だと思う。楽しめました。

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