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マンデラの名もなき看守 (2007/独=仏=ベルギー=南ア)(ビレ・アウグスト) 75点

2008-07-02 15:16:55 | 映画遍歴
世界的に悪評の高いアパルトヘイト策と戦い自由を手に入れた男を題材にするも、実は看守の目線で人間としての自由のあり方を模索した秀作であります。

この第三者の看守の視点から描いているのがいい。特に立派な人格を持っているというのでもなく、また特に日和見主義者というのでもない。飽くまで、どこにでもいる多少まともな人間性を持っている看守の話である。

ある意味、自由の象徴たるマンデラとの27年の心の交流。それは人間が人間であるために最低限交わす細い糸のようなものであったのだろう。でも、切れそうな繊維であったろうが、それは暖かい鋼鉄のような一筋のつながりと光を持たらした。

劇的な要素をほとんどシャットアウトしているので、ドラマ的には盛り上がりが少ないように見えるが、この映画は看守の精神的な葛藤と自由への渇望、闘いを静かに描いているものだから、当然なのかもしれない。全体としても立派な映画であります。格調があります。やはり、それらはジョセフ・ファインズ 、デニス・ヘイズバートの演技、そして静謐な演出に徹したビレ・アウグストの演出力によるものであろうと思われます。秀作です。

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