演技には定評がある劇団の2作目公演だ。みんな若い。だが、年齢にしては深い内容を今回は我々に提示する。家族からも、医師からも見捨てられたアンタッチャブルの存在の患者たちが不毛の夜の向こうに見たものは、、。
最初、患者たちの話かなと思ったが、そのうち家族たち、友人たちから見た弱者へのまなざしの演劇だと気づく。すなわち大多数を占める一般の人々から見た弱者への視点にテーマが向けられる。
家族たちは介護、世話に疲れ果て、彼らを捨て去ろうとする。その方が彼らのためになるのだというエゴイズムの理論で。そして究極的には尊厳死まで考える。
ラスト、患者たちは病室で唯一心が解放されたバトン練習こそ、自分たちの楽園の場だと気づく。通常の一般人たちより、彼らの方が幸せそうに見えるラストがやけに心に残る。楽園、すなわち青い鳥は我々のすぐそこにあるはずなのだ。現代人はそんなことにも気づかないで享楽的にただ毎日を生きているように思えて来る。
そんなことを思い知らされた辛辣な作品であった。ますます気になる劇団である。
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