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グッド・シェパード (2006/米)(ロバート・デ・ニーロ) 80点

2007-10-23 21:30:51 | 映画遍歴
映画は日本ではあまり報じられないCIAの成立から巨大化していくさまを、冷戦を通じてまた一人の男の生き様を見つめることにより、アメリカの裏政治の現代史として描いている。
アメリカ映画としては最近にない骨っぽい映画となっている。
マット・デイモンの沈黙ぶりがいいね。男はやはり寡黙でなくては、と思ってしまう。ただ、この男、不思議な男である。聾唖の女性たちに一際興味を持つところ。また、アンジェリーナ・ジョリーとのラブシーンでも思ったが、受身的でなにやら同性愛者らしい雰囲気を持つところ。( 大学教授からもそれらしきことは言われていたなあ)何やら内面的で、スパイの持つ活動的なイメージが全くないのである。まあ、CIAの超エリートって仕事上内省的にならざるを得ないのかもしれないが、、。
いやあ、僕は久しぶりに重圧な人間ドラマを見たと思った。ドラマ自体がゴッドファーザー風でもあり、また矮小化するとエリートサラリーマンの一風景っぽくもあった。どう受け取るかは観客の自由である。
ただ、男性から一方的に描かれた印象が強く、女性からはきつい映画かもしれない。何より著名俳優陣の秀逸な演技と緊密な演出が光っている。アメリカ映画久々の力作であることは間違いない。

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1 コメント

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コメントありがとうございました。 (アスカパパ)
2007-10-31 16:51:16
さすが、ヌートリアEさん、鋭く見て居られるのに感嘆します。
骨太の映画でしたね。私も久し振りに見応えがありました。
追伸:
地元に住んでいると、正倉院展も5年前に行ったきりです。
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