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永遠のこどもたち (2007/スペイン=メキシコ)(J・A・バヨナ) 80点

2009-01-21 11:46:00 | 映画遍歴
暗鬱でそれでいて凝縮した演出で、この映画、ホラー映画なんでしょうが、何か格の高い極みにもっていく人間への憧憬とたゆまない愛が映像のあちらこちらで感じられる。

ファーストシーンの意味合いがラストまで隠されるわけだが、観客は勿論その意味をずっと考えているわけである。ミステリー的には他愛ない展開ですが、でも1シーン1シーンが緊密な映像で、主人公の心理をそのまま映像に当てはめたうまい演出で、その緊張感が観客に即伝わっている。

人の想いというものは死んでも生者に降りかかるという暗いテーマをラストはファンタジー的に優しく明るく妻子を亡くした夫の笑みでまとめ上げるストップモーションで、さりげないいい終わりだ。ベレン・ルエダの一人芝居のような明晰な演技も傑出しているが、脇役のそれぞれの演技もなかなか秀逸だ。久々のジェラルディン・チャップリンの出演は映画ファンを和ませてくれる。秀作です。

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