Sightsong

自縄自縛日記

ビニー+スミス+マーセル+ブランチャード@Archiduc

2018-02-06 14:53:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブリュッセル。Archiducに足を運んだ(2018/2/4)。

David Binney (as)
Abel Marcel Calderon Arias (p)
Patrice Blanchard (b)
Greg Smith (ds)

デイヴィッド・ビニーを観るのは、昨年2017年9月のNY以来である。そのビニーが、欧州を拠点とする3人のミュージシャンと共演する形。とは言え、みんな出自は別々の場所である。ドラムスのグレッグ・スミスはカナダ出身でいまはロッテルダムが拠点。それゆえかヨアヒム・バーデンホルストとも共演している。ピアノのアベル・マーセル・カルデロン・アリアスはキューバ出身でいまはアムステルダムとロッテルダムが拠点。最近はデイヴィッド・マレイのバンドメンバーだったとのことである。ベースのパトリス・ブランチャードはマルティニーク(行政区域でいえば欧州なのだが)、やはり最近欧州本土に拠点を移している。

ハコは小さく、真ん中に2本の柱があり、2階席がぐるっと作られた、変わった形。そのためわたしにはスミスとブランチャードの演奏の様子がまったく視野に入らなかった。そしてやはり鷹揚で、女性スタッフも奇声をあげて楽しみまくっているし、出入りも管理しているものの適当、扉が適当に開くたびに寒くて誰かが適当に閉める。このくらいが良いのだ。

ビニーは樹脂のようにぬめぬめとしたマチエールの音色でアルトを吹き、エフェクターも少しかける。これ見よがしに前に出てくるプレイヤーでないのだが、こうしたシンプルな形であれば音の凄みがとても伝わってくる。フレーズはM-BASEからの系譜上にありそうなもので硬派、しかしときに「Straight, No Chaser」を引用するなど柔軟でもあった。周囲の観客もかなり圧倒されていたように見えた。

そしてブランチャードのファンクな感じのベースも、敢えて割れる音で激しくアタックするスミスもそれぞれに良かったのだが、鮮やかなプレイに驚かされたのはマーセルのピアノである。微妙に時間をずらして和音を出し、そのずれがサウンドの拡がりを創り出していた。ちょっとフォーク的でもあり、70年代のキース・ジャレットも想起させるものだった。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●デイヴィッド・ビニー
デイヴィッド・ビニーと仲間たち@Nublu(2017年)
デイヴィッド・ビニー『The Time Verses』(2016年)
ダニー・マッキャスリン『Beyond Now』(2016年)
デイヴィッド・ビニー『Anacapa』(2014年)
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(2012年)  


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