サイモン・ナバトフ+マックス・ジョンソン+マイケル・サリン『Free Reservoir』(Leo Records、2016年)を聴く。
Simon Nabatov (p)
Max Johnson (b)
Michael Sarin (ds)
サイモン・ナバトフのピアノからは、どうしてもジャキ・バイアードを想起させられる。コード進行に沿ったアドリブ展開の先にあるものではなく、奇妙な装飾音が装飾から主役に、奇妙な和音が和音から主役にずっと躍り出ており、すべてを並列に提示している。そのためスタイルも歴史上の位置も越えている。こういうものに接すると、「ジャズの正史」がどうのと言うことが実にバカバカしいものに感じられる。
ナバトフとマイケル・サリンとは30年来の付き合いだというが、マックス・ジョンソンは若くそうではない。しかしこのジョンソンのベースが実に柔軟に、ナバトフの千の手に絡んでいく。やはり凄腕。
●サイモン・ナバトフ
サイモン・ナバトフ@新宿ピットイン(2017年)
サイモン・ナバトフ+トム・レイニー『Steady Now』(2005年)
●マックス・ジョンソン
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015、16年)
クリス・ピッツィオコス『Gordian Twine』(2015年)
マックス・ジョンソン『In the West』(JazzTokyo)(2014年)
マックス・ジョンソン『Something Familier』(2014年)
●マイケル・サリン
マーク・ドレッサー『Unveil』、『Nourishments』(2003-04年、2013年)
ブリガン・クラウス『Good Kitty』、『Descending to End』(1996、99年)