Sightsong

自縄自縛日記

チェス・スミス『The Bell』

2016-08-18 23:01:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

チェス・スミス『The Bell』(ECM、2015年)を聴く。

Ches Smith (ds, vib, timpani)
Craig Taborn (p)
Mat Maneri (viola)

前にシスコ・ブラッドリーさんのレビューを翻訳しておきながら、しばらく聴かないでいた。他人のフィルターを通過した結果ばかりを感受してしまいそうだからである。しかし、確かにそこに書かれている通りだ。

チェス・スミス、クレイグ・テイボーン、マット・マネリの3人がリスペクトしあって演奏しているのはきっとそうなのだろうし、相互の距離感と緊張感も素晴らしい。この美しく組み上げられた演奏は即興なのかとも言ってみたくなるが、その問いに意味はあるまい。

静かさを基調とした関係と演奏。スミスの技はそこでも映える。テイボーンの完成度は驚くべき高さである。また、このくらいのゆったりとした速度がマネリの領域に違いない。というのも、以前にThe Stoneで観たとき、イングリッド・ラブロックらの丁々発止の呼びかけに呼応しづらそうに見えたからである。テイボーンは、そのマネリらしいマネリにときに軌道を合わせて輝かせたり、ユニゾンで倍の美しさを創出したりし、また、スミスのリズムに鮮やかな色を付けているように聴こえる。

●チェス・スミス
ティム・バーン『You've Been Watching Me』(2014年)
ティム・バーン『Shadow Man』(2013年)
チェス・スミス『International Hoohah』(2012年)

●クレイグ・テイボーン
クレイグ・テイボーン『Chants』(2013年)
クリス・ライトキャップ『Epicenter』(2013年)
クリス・ポッター『Imaginary Cities』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
デイヴ・ホランド『Prism』(2012年)
Farmers by Nature『Love and Ghosts』(2011年)
オッキュン・リーのTzadik盤2枚(2005、11年)
ロブ・ブラウン『Crown Trunk Root Funk』(2007年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』(2004年)
ティム・バーン『Electric and Acoustic Hard Cell Live』(2004年)

●マット・マネリ
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
ルシアン・バン『Songs From Afar』(2014年)
ジェン・シュー『Sounds and Cries of the World』(2014年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、12年)


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