侯孝賢『憂鬱な楽園』(1996年)を観る。
台湾。チンピラたち。何か大きなことをやりたいという気持がある。上海でレストランを開こうとして失敗。立ち退きの時に豚を買い取ってもらう詐欺を考えるも、分け前がもらえず失敗。暴れて逮捕。
感情を制御できず、焦燥感ばかりが高まり、それでも時間が過ぎていく。誰にでも迫る日常生活という魔を、侯孝賢は、過激な長回しによって描き出している。
世界の敵は世界そのものだ。それを映画として包んだ手法は見事。
●参照 侯孝賢
○『風櫃の少年』(1983年)
○『冬々の夏休み』(1984年)
○『非情城市』(1989年)
○『戯夢人生』(1993年)
○『ミレニアム・マンボ』(2001年)
○『珈琲時光』(2003年)
○『レッド・バルーン』(2007年)