シャーメイン・リー『Ggggg』(AntiCausal Systems、-2018年)を聴く。
Charmaine Lee (voice)
シャーメイン・リーはオーストラリア出身のヴォイス・パフォーマーであり、本盤が初リーダー作である。いまはNYのノイズ/アヴァンシーンの尖った面々と共演しており、動画もググるといくつか見つけることができる。
自らの顔を歪ませるジャケットの印象が強いが、彼女のヴォイスも同等以上に強烈だ。超絶技巧とは言え、機械も自分の肉体と同化し、また根源的に動悸も腐りもする肉体と直結しており、ちょっと聴き手の設定するハードルをやすやすと超えてしまい怖くもある。剛田武さんは「時に金属のように冷たく、時に濡れ場のようにエロチックな口唇の摩擦音こそ、人体の神秘に肉薄する極端音楽のNORD(極北)」と表現しており同感である。
過去には、たとえばサインホ・ナムチラックだって、吉田アミさんだって、ローレン・ニュートンだって、また最近の山崎阿弥さんだって、はじめてその肉声に直接接したときには恐怖を覚えたものである。リーもまた同様に怖ろしい。