Sightsong

自縄自縛日記

嘉手苅林昌「屋慶名クワデサー」、屋慶名闘牛場

2010-06-20 01:46:58 | 沖縄

嘉手苅林昌の唄う「屋慶名クワデサー」(マルフクレコード)を聴く。那覇の高良レコードでは、このようなEP盤のデッドストックを1枚100円で売っている(LP盤は700円)。

林昌の半ば枯れていて飄々とした唄はとても良い。もっとも、歌詞はヤマトゥ向けに訳されたものを読まないとほとんどわからない。のちのアルバム『失われた海への挽歌』でもこの唄を謡っており、竹中労の解説によると、クワデサーとは落葉樹の名前、林昌はその下での「毛遊び」や浜遊びの体験を意識している。謡い終わった後、林昌はこのように呟いたという。

「あんし美らさたる海んかい、なまや油の浮いて泳じーもならんさ」(あんな綺麗な海が、今では油が浮いて泳ぐこともできない、といった意味?)

屋慶名は勝連半島の先のほうにある。リゾートや石油備蓄だけでなく、平野前官房長官が進めようとした新基地案など、林昌の呟きは反響し続けている。

5年ほど前、闘牛を観たいと思い、ちょうど屋慶名闘牛場というところでやっているというので、バスで出かけた。あまりにも時間がかかるので、コザあたりからタクシーで向かった。運転手さんも場所が分からないと言い、弁当屋で道を訊ねた。すると居合わせたお客さんが、近くだからと車で先導してくれた。確かにわかるわけがない山の中だった。靴を泥だらけにして辿り着くと、ちょうど大関の試合だった。何とか間に合った。

なかなか沖縄にも、もちろん闘牛場にも足を運べないが、たまに闘牛場のサイト(>> リンク)を覗く。屋慶名闘牛場は戦前からある闘牛場らしいが、2007年には、石川多目的ドームという立派な闘牛場が完成しているらしい。予定表を見ても、このドームばかりだ。屋慶名はまだ使っているのかな。


屋慶名闘牛場、2005年 Leica M3、Summitar 50mmF2.0、シンビ200、DP


屋慶名闘牛場、2005年 Leica M3、Summitar 50mmF2.0、シンビ200、DP

●参照
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、イザイホーを利用した池澤夏樹『眠る女』、八重山で演奏された齋藤徹『パナリ』


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