ピエロ・ビットロ・ボン『Mucho Acustica』(Long Song Records、2010年)を聴く。
Piero Bittolo Bon (as, bs)
Simone Massaron (g, baritone g)
Jamaladeen Tacuma (b)
Massimiliano Sorrentini (ds)
Federico Scettri (ds)
左右にドラマーふたりを配し、ギターとジャマラディーン・タクマのベースが狂騒的極まりないファンクを形成する。これだけでも夢を視るには十分なのだが、さらにそのなかで、ピエロ・ビットロ・ボンのサックスが強者たちを吹き飛ばさんばかりのサックスを吹きまくる。冗談ではなく、吹きまくるという表現しかないように吹きまくる。
アルトにはティム・バーンとはまた違った様子で粘っこく、決して折れない強靭さがある。比較的静かなる曲でも結局自分の吹きたいように吹いた曲になってしまっている。そしてバリトンもまた、強粘性が容赦なく縦横無尽。
「Moon Liver」だとか「Tamarrow is the Question」だとかの曲名もふざけているのだが、また、「Stoppani Stomp」では「Bye Bye Blackbird」を引用してみたり、遊び心抜群。というかやりたい放題である。
●参照
ピエロ・ビットロ・ボン(Lacus Amoenus)『The Sauna Session』(2012年)
デイヴィッド・マレイ『Be My Monster Love』、『Rendezvous Suite』(2009、12年)(タクマ参加)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)(タクマ参加)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像(1985年)(タクマ参加)