Sightsong

自縄自縛日記

沢渡朔『Kinky』と『昭和』、鈴木龍一郎『RyUlysses』

2009-12-15 06:00:00 | 写真

銀座でちょっと講演をする機会があって、ついでに、沢渡朔の写真展『Kinky』を覗いてきた(BLD Gallery)。沢渡がフリーとなって間もない60年代後半。モデルの荒張弘子とはその後結婚しているという。

そんなこともあるのだろう私的な間合い、逆光・ボケ・ブレのライヴ感、当時のファッション、全てがひたすら格好いい。自分もカメラを掴んで近い人に迫りたくなるような、そんな写真群だ。レンズの限界、フィルムの限界も心地いい。久しぶりに浮かれた気分になる。

売店にも販売用のオリジナルプリントが展示されていた。なんと、伊佐山ひろ子をペンタックスLXで撮った『昭和』に収められている8枚である。以前にも、ギャラリー蒼穹舎での展示を見逃していて残念に思っていたのだ。『Kinky』とはまた違う色気に惚れ惚れする。

ああ、やっぱり沢渡朔は特別だ。署名帳をふと見ると、直前に「渚ようこ」の名前があった(!)。


以前見逃していた写真展

さらについでに、鈴木龍一郎『RyUlysses』(ニコンサロン)を覗く。アイルランドの情景を、パノラマカメラで撮った作品群である。

メリハリのあるプリントはなかなか見ごたえがあり、パノラマゆえ視線が左右に彷徨うのは嬉しい。35mmを引き伸ばしたときの粒状感には魅力がある。写真家がおられたので訊いてみると、カメラはフジのTXシリーズ、印画紙はイルフォードの多階調、フィルターは3号のときも2号のときもある、ということだった。印画紙が勿体ないでしょう、と無粋な質問をすると、余りは切ってテストプリント用にすれば良いのですよ、と至極尤もな話。私もロシア製の首振りパノラマカメラにでも手を出そうかな。

●沢渡朔
『シビラの四季』(真行寺君枝)
『Cigar』(三國連太郎)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。